馬場 敬信 君

フェロー

馬場 敬信 君(正会員)

[対象業績] 「計算機システムの研究と教育に対する貢献」

  1970年京都大学工学部数理工学科卒,1975年同大学院博士課程単位取得退学.同年より電気通信大学助手,講師を経て,現在宇都宮大学工学部教授.工学博士.この間,Maryland大学訪問教授,放送大学客員教授など.本会会誌編集委員会委員(ハードウェア分野主査),電子情報通信学会論文誌D編集委員会副委員長,コンピュータシステム研究専門委員会委員長など歴任.1992年本会Best Author賞,第9回FPGA/PLD Design Conf.審査委員特別賞,14th IASTED Int. Conf. Best Paper Awardなど受賞.

[業績推薦理由]

 馬場敬信君は,マイクロプログラムを高水準言語で記述することを最初に提案して,その言語処理系MPGを実現した.その際,計算機の構造も形式的に定義・記述することを合わせて導入し,ダイナミックマイクロプログラミングの発展に大きく寄与すると共に,計算機の設計に対して有効な手段を提供することになった.これらを基にして,新しい並列計算機システムMUNAPの設計と製作,並列オブジェクト指向を核概念としたA-NETの試作を進めた.これらの業績は,現在注目されている動的再構成可能システムや適応型システムの研究に繋がり,この分野で先進的な研究を進めている.研究成果は,海外でも高く評価されて,それを著書として出版することや,各種委員の就任の依頼を受けている.また,教育の面でも多様な活動で貢献している.このような点を統合して,国際的に幅広く活躍している馬場敬信君は,当学会フェローとして相応しいものであると推薦する.