今瀬   真 君

フェロー

今瀬   真 君(正会員)

[対象業績]「通信ネットワークに関するグラフ理論研究とIP-VPNシステムの実用化」

  昭和52年 大阪大学基礎工学研究科修士課程修了.同年,日本電信電話公社入社.武蔵野電気通信研究所,基礎研究所,ソフトウェア研究所などにおいて情報通信工学の基礎研究に従事. 昭和63年より1年間米国ワシントン大学 計算機・通信研究センター客員研究員.帰国後,NTTマルチメディアネットワーク研究所,情報流通プラットフォーム研究所にて実用化研究を指導.平成14年大阪大学大学院情報科学科 教授,平成19年8月より同研究科長.工学博士(大阪大学,昭和61年)

[業績推薦理由]

 今瀬 真君は,オンラインマルチキャストにおける理論的問題を提起し,実用的なマルチキャストルーチングのための理論研究の先鞭をつけた.さらに,効率の高いネットワークを構成するための有向グラフモデルを提案するなど,情報通信工学の発展に大きく貢献した.また,IP-VPNシステムの構想から実用化まで陣頭指揮を執り,通信帯域確保を可能とした当時として先進的なシステムを開発し商用に供するなど,その功績は理論面のみならず実用面においても大きい.また,関西での産学官連携の推進など情報産業振興への貢献も大である.