辻井 潤一 君

フェロー

辻井 潤一 君(正会員)

[対象業績] 「言語処理システムの構築技術, および, その理論的な発展に対する貢献」

昭和46年3月京都大学大学院修士課程修了,同助手,助教授を経て,昭和63年よりマンチェスター科学技術大学(UMIST)教授.平成7年東京大学理学部教授,同大学院情報理工学系研究科教授をへて,現在,同情報学環教授.平成17年よりマンチェスター大学教授を兼任.計算言語学会(ACL),国際機械翻訳協会(IAMT),アジア言語処理学会連合(AFNLP),言語処理学会などの会長を歴任.IBM 科学賞,大和エイドリアン賞,人工知能学会業績賞を受賞.国際計算言語学委員会(ICCL)のメンバー.京都大学工学博士.

[業績推薦理由]

 辻井潤一氏は言語処理研究において世界をリードする学術的貢献を長年にわたり行ってきた.機械翻訳システムの構築方法論においては「言語構造に基づく語彙中心の再帰的移行方式」を提案し,科学技術情報センターの翻訳システム構築に大きく貢献した.また,ユニフィケーション文法に基づく言語解析に関する多様な理論を提案し,世界最高水準の英語文解析システムを構築した.さらに,生命科学分野における意味・知識と言語表現の関係を網羅的に付記したGENIA コーパスを構築し,これに基づき世界をリードする情報抽出・固有名認識の研究成果をあげている.