鈴木 健二 君

2010年度功績賞受賞者の紹介

鈴木 健二 君 (すずき けんじ)

本会正会員鈴木健二君(フェロー)は,永年にわたり情報通信ネットワーク分野の研究に携わってこられました.1976年国際電信電話(株)(現KDDI(株))に入社されて以来,パケット通信やOSI通信,インターネットをはじめとするデータ通信ならびに情報通信ネットワーク分野で,数多くの研究業績をあげられました.また,研究のみならず,CCITT(現ITU-T)やISOにおける国内外の標準化活動や,商用国際パケット通信サービス「VENUS」プロジェクトの推進など,同分野の標準化,実用化の面でも多大な貢献をされ,同君のリーダーシップの下で開発された各種通信ソフトウェアや通信ボードは,社会で実際に広く活用されました.

  学会活動の面でも,理事(1997年度~1998年度),監事(2002年度~2003年度)として本会の運営に尽力されるとともに,本会がかかわる各種研究会やシンポジウム,IEEEやIFIP関連の国際会議等も数多く運営され,ネットワーク,通信プロトコルならびに製品検証分野のリーダー的存在として,世界的にも著名な業績をあげておられます.
  これらの業績が評価され,逓信協会前島賞,科学技術庁長官賞研究功績者など,多数の賞を受賞されています.また,国際電信電話(株)在職中から複数の大学で客員教授や非常勤講師を務められるとともに,関連企業の役員を兼務されており,同社退職後も,各種ベンチャー企業の取締役を務められるなど,教育ならびに事業の両面で多彩な活動歴を持ち,多くの業績をあげられました.同君はこれまでにも多数の優秀な研究者や技術者を育成されてこられましたが,2005年に電気通信大学教授となられてからは,その多彩な経験を生かして,学生の指導,将来を担う研究者の育成に注力され貢献されました.

  以上のように,同君が,国内外の情報通信分野の学術的発展と産業振興,教育,ならびに本会の活動の発展に尽くした功績は,まことに顕著であります.