山田 昭彦 君

2008年度(平成20年度)功績賞受賞者の紹介

山田 昭彦 君 (やまだ  あきひこ)

本会正会員山田昭彦君(フェロー)は,永年にわたり情報処理分野の研究実用化に携わってこられました.1959年日本電気株式会社に入社されて以来,コンピュータハードウェアおよびコンピュータ用CADシステム開発に従事され,1970年代に論理設計言語を用いて一貫した自動設計システムならびにハードウェアシミュレータを開発され,大型計算機やスーパーコンピュータの開発の大幅な効率化に寄与されてきました.1993年に同社を退職されたのちは,大学(東京都立大学,東京電機大学,サイバー大学)にて,CADシステム,マルチメディア技術,コンピュータ技術史の教育・研究に従事されてきました.

同君は,本会電子装置設計技術研究会/設計自動化研究会の主査を務められるとともに,IEEE Computer Society DATC, IEEE Design & Test Magazine 編集委員会,ACM SIGDAのアジア担当委員を務められ,DAC,ITC,Design & Test Magazineなどを通じて日本およびアジアの設計自動化技術,テスト技術を世界に広く紹介されました.また,本会理事(昭和63~平成元年度)および国際委員会/国際業務委員会委員を歴任されるとともにIEEE Computer Society理事を務められ,両学会の提携を推進されました.

さらに同君は,産業技術史資料情報調査プロジェクトに加わられるとともに,本会歴史特別委員会委員,IEEE Computer Society History Committee委員を務められ,内外のコンピュータの歴史保存活動に従事されてこられました.本会では国立科学博物館との連携を進め,コンピュータ博物館の立ち上げとその後の内容充実に尽力されるとともに,本会オーラルヒストリー小委員会主査を務められ,コンピュータパイオニア28名のインタビューを実施され,内外の計算機の技術を後世に伝えることの実現に寄与されました.

  以上のように,同君が情報処理分野の発展,ならびに本会の活動の発展に尽くした貢献は,まことに顕著であります.