水野 忠則 君

2008年度(平成20年度)功績賞受賞者の紹介

水野 忠則 君 (みずの ただのり)

本会正会員水野忠則君(フェロー)は,永年にわたり分散処理システム・コンピュータネットワークの研究に携わってこられました.

  1968年に三菱電機株式会社に入社されて以来,コンパイラ,オペレーティングシステム,ネットワークアーキテクチャ,OSIなどの情報処理の基幹となる研究開発に従事し,多大な成果・実績を残されております.特に,プロトコル工学に関しては,IFIP WG 6.1の活動と連携し,本分野に関する国際会議の実行委員長を歴任するなど,日本における本分野の先導的な役割を担われておられます.

  1993年静岡大学に移り,教育分野にも力をいれ,静岡大学情報学部,大学院情報学研究科,大学院理工学研究科,創造科学技術大学院の設立に貢献し,理工学研究科長,創造科学技術大学院長を歴任されています.現在教職についている研究室OBは20名を超すなど,数多くの博士学生を育て上げられております.さらに,ネットワーク分野に関する数多くの教科書を上梓し,本会から優秀教材賞を受賞されておられます.

  本会においては,OSI関連の標準化委員会,会誌編集委員会,研究会,アクレディテーション委員会など,幅広い分野において活躍され,理事(平成9~10 年度),監事(平成17~18年度)などの役職も歴任されておられます.この中で,研究会活動に関しては,モーバイルコンピューティング研究会,高度交通システム研究会,放送コンピューティング研究グループなどを設立するとともに,マルチメディア・分散・協調とモバイル(DICOMO)シンポジウム,ICMU(International Conference on Mobile Computing and Ubiquitous Networking) 国際会議を永年継続的に開催し,ネットワーク分野の発展に多大に寄与されています.

  以上のように同君が,国内外の学術の発展と研究・教育,ならびに本会の活動の発展に尽くした貢献は,まことに顕著であります.