土井 美和子 君

2009年度(平成21年度)功績賞受賞者の紹介

土井 美和子 君 (どい みわこ)

本会正会員土井美和子君(フェロー)は,永年にわたりヒューマンインタフェース分野の研究に携わり,数多くの優れた業績をあげてこられました.昭和54年東京芝浦電気株式会社(現株式会社東芝)に入社されて以来,ヒューマンインタフェース分野の黎明期より,文書処理や機械翻訳,仮想現実,道案内サービス,ウェアラブルコンピューティングなどの研究・開発に携わり,その発展に大きく寄与されました.ソフトウェア技術で初めての全国発明表彰受賞はその先駆性の証です.これらの成果は,全世界に広く普及し,インタフェースデザインに大きな影響を及ぼしています.

また,同君は情報処理分野では先駆的な女性技術者として,産学官にわたり,日本学術会議会員,総務省情報通信審議会委員,総務省独立行政法人評価委員会委員,文部科学省大学設置・学校法人審議会大学設置分科会委員,文部科学省独立行政法人評価委員会臨時委員,文部科学省情報科学技術委員会委員,国立情報学研究所運営会議委員,科学技術振興機構運営会議委員,東京工業大学経営協議会委員,ネットワークロボットフォーラム標準化分科会長などを歴任され,本分野のオピニオンリーダとして当該分野の発展に今も貢献されています.

本会においては,理事(平成16年度~平成17年度),副会長(平成19年度~平成20年度),会誌編集委員会委員(平成18年度~平成19年度),創立 50周年記念事業実行委員会副委員長(平成19年度~平成22年度),インダストリアルペーパ準備WG委員長(平成21年度),デジタルプラクティス編集委員会委員(平成22年度~)などを歴任され,平成13年度Best Author賞,平成20年度には学会活動貢献賞,本会フェローの称号を授与されています.副会長在任中は,第三者機関「アドバイザリーボード」の運用開始とこれに呼応したビジョンWGによる活性化を積極的に進め,実務家向けの新しい論文誌「デジタルプラクティス」の刊行および一般社団法人への法人移行に尽力されました.

 以上のように,同君が,我が国の情報処理分野,ならびに本会の活動の発展に尽くした功績は,まことに顕著であります.