2020年IPSJ/IEEE Computer Society Young Computer Researcher Award

2020年 IPSJ/IEEE Computer Society Young Computer Researcher Awardの表彰

 
ishikawa

石川 冬樹 君(正会員)

Research on Intelligence-driven Engineering of Dependable Smart Systems

2007年 東京大学大学院 情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻 博士課程修了.国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系 助教,准教授を経て,2019年よりアーキテクチャ科学研究系 准教授 および 先端ソフトウェア工学・国際研究センター 副センター長.電気通信大学 情報理工学研究科 客員准教授 兼任.ソフトウェア工学および自律・スマートシステムに関する研究に従事.情報処理学会 ソフトウェア工学研究会 功績賞(2019年)など受賞.

[推薦理由]

石川氏は,ソフトウェア工学とスマートシステムの横断領域で先導的に研究を行ってきた.同氏の研究の卓越性は,産業界の要求から新たに生じたパラダイムによる品質と信頼性の新しい問題設定と,主として進化的計算に基づく学際的な技術的解決策にある.初期の研究では,サービスコンピューティングの分野でWebやクラウドシステムの自動設計の新技術を開発した.近年は,スマートなサイバーフィジカルシステム,特に自動運転システムや機械学習ベースのシステムの品質と信頼性に注目し,機械学習システム工学に関する新たな産学連携コミュニティを率いている.同氏の最近の主要な学術論文は産業上の問題に基づくもので,ソフトウェア工学と進化的計算のトップカンファレンスで発表されている.

shioya

塩谷 亮太 (正会員)

Outstanding Achievements on Microprocessor Architecture

2006年 東京大学工学部 電子工学科卒業.2008年 東京大学大学院 情報理工学系研究科 電子情報学専攻 修士課程修了.2011年 東京大学大学院 情報理工学系研究科 電子情報学専攻 博士課程修了.博士(情報理工学).2011年より名古屋大学大学院 工学研究科 助教.2016年より名古屋大学大学院 工学研究科 准教授.2018年より東京大学大学院 情報理工学系研究科 創造情報学専攻 准教授,現在に至る.コンピュータ・システムやマイクロプロセッサに関わる研究に従事.IEEE Computer Society Japan Chapter Young Author Award(2011)や情報処理学会 山下記念研究賞(2019)などを受賞.

[推薦理由]

塩谷氏は,高性能・省電力マイクロプロセッサアーキテクチャに関する研究で顕著な業績をあげている.同氏の貢献は,命令フェッチ,命令デコード,レジスタ読み出しなど,それ以前にはあまり注目されていなかったプロセッサのフロントエンド処理の部分に大きな最適化の可能性を見出し,マイクロプロセッサのさらなる高性能化および省電力化をもたらすいくつかの革新的なアーキテクチャ技術を提案したことが挙げられる.同氏の業績は国際的にも高く評価されており,当該分野のトップ国際会議MICROに過去10年で3本の論文が採択されていることは,若手研究者としては異例の研究業績と言える.

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村尾 和哉 (正会員)

Outstanding Research on Human Activity Recognition for Wearable Computing

2006年大阪大学工学部卒業.2008年大阪大学大学院情報科学研究科博士課程前期課程修了.2010年同後期課程修了(短縮).博士(情報科学).2010年より日本学術振興会特別研究員PD.2011年より神戸大学大学院工学研究科学術推進研究員,同年より同助教,2014年より立命館大学情報理工学部助教,2017年より同准教授.現在に至る.2016年独国Freiburg大学Visiting Researcher(兼任).2019年よりJSTさきがけ研究者(兼任).ウェアラブルコンピューティング,人間行動認識の研究に従事.情報処理学会DICOMO2012最優秀論文賞,情報処理学会論文誌ジャーナル特選論文(2編),ヒューマンインタフェース学会2015年度論文賞 ,ACM ISWC2019 Best Paperなどを受賞.

[推薦理由]

村尾氏は,ヒューマンコンピュータインタラクションにおける人の行動認識に関する研究分野を率いてきた.同氏は,電力消費量を抑えたままユーザの状況認識の粒度を向上したウェアラブルセンサを研究開発し,さらに利用可能な電力消費量に応じて精度を保てる範囲で使用するセンサ数を減らすことを許す補完アルゴリズムを提案するなど,環境や状況に対して幅広く応用可能な人の動作認識技術に関して顕著な研究実績を挙げている.同氏の研究成果は,ウェアラブルコンピューティングやインタラクティブシステムに関する国内外の研究コミュニティでも高く評価されている.