2022年IPSJ/IEEE Computer Society Young Computer Researcher Award

2022年 IPSJ/IEEE Computer Society Young Computer Researcher Awardの表彰

 
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秋山 満昭 君(正会員)

Research on Offensive Cybersecurity Measurement and Countermeasure

2007年奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科 修士課程修了.2013年奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科 博士課程修了.博士(工学).2007年日本電信電話株式会社入社.2019年よりNTTセキュアプラットフォーム研究所上席特別研究員.2021年よりNTT社会情報研究所上席特別研究員,現在に至る.サイバーセキュリティに関する研究開発に従事.情報処理学会学会活動貢献賞(2015),サイバーセキュリティに関する総務大臣奨励賞(2020),ISOC NDSS 2020 Distinguished Paper Award(2020)などを受賞.

[推薦理由]

秋山満昭氏は,約15年前の研究キャリアの初期段階からマルウェアによるサイバー攻撃に焦点を当てており,攻撃的なサイバーセキュリティ(攻撃者の視点か ら見たテクノロジー)に取り組み,サイバー攻撃の調査,分析,防御を行ってきました.氏の開発した技術は,産業界(ICTISAC Japanなど)と協力していくつかの国家プロジェクト(ACTIVEなど)で使用されており,マルウェアの拡散防止に大きく貢献しています.技術開発だけでなく,サイバーセキュリティの倫理的研究プロセスを確保し,学界と産業界の間のギャップを埋めるために,サイバーセキュリティの研究倫理も推進しています.また,サイバーセキュリティ研究のための独自のデータセットを作成しました.この共有データセットは約100の研究論文で使用されており,サイバーセキュリティ研究の促進に大きく貢献しています.氏の業績には,トップレベルのものを含む54の国際会議論文と37の国際ジャーナルが含まれます.氏がサイバーセキュリティの世界的リーダーの1人であることの証拠として,彼はNDSS 2020(Tier-1,CORE-ランクA *)などの国際会議やジャーナルの10のベストペーパーアワードを受賞しました.

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内山 彰 (正会員)

Research on Context Recognition by Multimodal Sensors

2008年大阪大学大学院情報科学研究科博士後期課程修了.博士(情報科学).同年,米国イリノイ大学客員研究員.2009年より大阪大学大学院情報科学研究科特任助教・助教を経て,2021年より同研究科准教授.2019年よりJSTさきがけ研究者(兼任).現在,モバイルコンピューティング,モバイルセンシングのヘルスケア,スポーツ応用,無線センシングなどの研究に従事.船井研究奨励賞(2011年),嵩賞(2016年),ICMU Best Paper Award(2018年),情報処理学会DICOMOベストカンバーサント賞(2018)などを受賞.

[推薦理由]

内山彰氏の主な研究対象は,マルチモーダルセンサーによるコンテキスト認識です.彼の注目すべき業績の1つは,リアルタイムで熱射病を回避するためのウェアラブルセンサーと環境センサーを使用した深部体温の推定です.文部科学省のSociety 5.0プロジェクト(MEXT)で,熱射病の兆候を検出するプロジェクトを主導し,MEXT,JSTのACT-I,およびPRESTOプロジェクトで,行動推定用の低電力センサーと後方散乱ベースの行動検知プラットフォームを開発しました.日本の若手研究者として,この分野で高い評価を得ています.また,彼は熱射病を回避するために,世界最大の通信機器メーカーを含むいくつかの企業と協力してきま した.30のジャーナル論文と36の国際会議論文を発表しました.多くの博士・修士課程の学生を指導し,多くの優れた研究成果を導き,生み出してきました.氏の卓越した業績には,PerCom,MobiSys,UbiComp,IEEE TMC,Elsevier PMC,ACM UbiComp Journal(IMWUT)などの国際的なトップカンファレンスやジャーナルでの出版が含まれます.ICMU2018ベストペーパーアワードを含む39の賞を受賞 しています.

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米澤 拓郎 (正会員)

「Outstanding Research on Sensing and Application Platform for Urban Computing

名古屋大学大学院工学研究科准教授.愛媛県出身.2010年慶應義塾大学博士号取得(政策・メディア) .2012年カーネギーメロン大学客員研究員,慶應義塾大学大学政策・メディア研究科特任講師,特任准教授などを経て現職.システム・ネットワーク・ヒューマンコンピュータインタラクションの交点に興味.NICT/EU FP7,Horizon2020日欧共同研究開発プロジェクト,独立行政法人情報通信機構ソーシャルビッグデータプロジェクト,総務省G空間プロジェクト,内閣府SIP2スマートシティプラットフォーム事業等においてIoT・機械学習分析技術を活用したスマートシティに関する研究開発に従事.2009年IBM Ph.D Fellowship Award,2013年/2019年情報処理学会山下記念研究賞などを受賞.

[推薦理由]

米澤拓郎氏は,都市コンピューティングの分野,特に都市規模の高密度および大規模なデータセンシング,データ配信,およびデータ分析手法の研究に従事してきました.実環境から効率的にデータを収集し,さまざまなサービスでのデータ の利用を促進するためには,社会的に適用可能で実用的な技術が必要です.氏が開発した手法は,技術の社会への親和性と受容性を高める視点を持ち,コンピュータサイエンス技術で解決しようとするという点で非常にユニークであり,重要な研究として評価されています.さらに,氏の研究は基礎技術に限定されるものではなく,開発された技術を使用して国際的な産学官チームと協力して新しいアプリケーションやサービスを考案および構築することにより,複数の都市でさまざまな実証研究を主導してきました.氏の研究成果は,30のジャーナルと82の査読付き国際会議に掲載され,主にIPSJで102の研究発表を行っています.これらの研究成果に対して,IPSJからの2つの山下記念研究賞,1つのデジタル実践賞,およびIEEE主催を含む6つの国際会議での賞を含む,32の賞を受賞しています.