2014年度研究会活動報告

2014年度研究会・研究グループ活動報告

<コンピュータサイエンス領域>
DBS SE ARC OS SLDM HPC PRO AL MPS EMB

<情報環境領域>
DPS HCI CG IS IFAT AVM GN DD MBL CSEC ITS UBI IOT SPT CDS DCC

<メディア知能情報領域>
NL ICS CVIM CE CH MUS SLP EIP GI EC BIO CLE  NEgr SSRgr
 

コンピュータサイエンス領域

◆データベースシステム(DBS)研究会

[主査: 森嶋厚行,
  幹事:大島裕明,川島英之,櫻井一貴,櫻井保志,鈴木優,田島敬史,寺田努,豊田正史,渡辺陽介]

1.定例の研究会活動報告

 第159回,第160回の定例の研究会を開催し,合計55件の発表があった.第159回は8月に九州大学医学部百年講堂において,IFAT研究会との合同,及び電子情報通信学会DE研究会との連立開催として実施した.若手研究者の育成のため,研究会運営委員を中心としたメンターとの議論をじっくり行うことのできる「メンタリングセッション」を設置した.第160回は11月に芝浦工業大学豊洲キャンパスにおいて,DBS研究会,OS研究会,EMB研究会の3研究会合同として,またWebDB Forum2014とComSys2014との連続開催として実施した.

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 DBS研究会では,年間3つの主なシンポジウムを実施している.

  • 「データベース,Web,情報マネジメントに関する若手研究者国際ワークショップ (iDB Workshop 2014)」(7月実施)は国内外の研究者メンターが,メンティである若手研究者の研究への対面でのコメント,アドバイスを行うワークショップであり,投稿・発表・質疑応答は全て英語で行われる.2014年は,若手研究者から合計23件の発表があり,発表後メンターからのコメント,アドバイスを行った.さらに,2件のチュートリアル,4件の招待講演を並行して実施した.

  • 「Webとデータベースに関するフォーラム (WebDB Forum 2014)」(11月実施)は,2008年から開催している査読付シンポジウムである.一般セッションでは,44件の投稿から選抜された26件の研究発表が行われた.また,その内,最優秀論文賞1件,優秀論文賞3件,学生奨励賞5件,企業賞7件を表彰した.併設の技術報告セッションでは,最新のWeb/DB技術に関して企業から10件の発表が行われた.今年度のフォーラムは,OS研,EMB研のComSysとの同時開催と言う初の試みを行い、WebDBフォーラム 298名,ComSys49名の参加者を集めた.WebDBフォーラムは,大学や研究所の研究者ばかりではなく,Webに関係する企業の協賛・参加が多く,産学連携のために重要な役割を果たしている.

  • 「データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2015)」(3月実施)は,本分野最大の規模で実施されるシンポジウムである.発表件数は過去最多の523件(一般発表332件,インタラクティブ発表191件),参加者数は545名となった.
3.情報処理学会論文誌 データベースの報告

 「情報処理学会論文誌 データベース」(電子情報通信学会データ工学研究専門委員会共同編集)のVol.7 No.2~No.4,Vo.8 No.1(合計21件)の発行を終えた.投稿数が前年比で24%減少し採択率も低下したため、掲載件数は前年比で38%減であった.Vol.8 No.1より英文論文はJournal of Information Processing (JIP)に正本を掲載し,本論文誌にそのプレプリントを掲載することとなった.

4.総括

 本研究会では,通常の研究会に加えて年間3つの大きなシンポジウム(日本データベース学会,電子情報通信学会データ工学専門委員会と共催)を実施しており,今年度も多くの方に発表と参加をいただくことができた.

5.その他
 ビッグデータの重要性が増大している中,本研究会は引き続き,様々な分野の研究者,そして社会で活躍されている皆様との接点が重要であることを認識し,様々な企画を続けていく予定である.

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◆ソフトウェア(SE)工学研究会

[主査:鵜林尚靖,幹事:大平雅雄,亀井靖高,菊地奈穂美,立石孝彰,長谷川勇,丸山勝久]

1.定例の研究会活動報告
 以下に示す第184~187回の研究発表会を計画し,合計104件の研究発表申込み(活動報告を含む)があった.
  • 第184回    5月19日~20日 日立製作所・日立研究所 発表10件 (SIGEMBとの共同開催)
  • 第185回    7月9日~11日 富良野・富良野文化会館 (SIGSE/KBSE/SIGSS連立開催・FOSE協賛) 発表27件
  • 第186回    11月13日~14日 阪大 発表20件 (IWESEPと同時開催)
  • 第187回    3月12日~13日 化学会館 発表47件
 本年度は例年よりも多くの研究発表があり,その数は100件を超えた.分野は,要求分析から設計・実装・テストに至るソフトウェアライフサイクルの一部分または全体を対象とした発表が多く,全体的には大きな傾向の変化は見られなかった.またビジネス系や組込み系,研究や事例・経験といったドメインや発表内容も従来通り幅広くとりあげられていた.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2014(SES2014)
    2014年9月1日~9月3日の3日間にわたり,芝浦工業大学(東京都・港区)にて開催した.シンポジウム研究論文はフルペーパ(10ページ以内)が25件,ショートペーパ(6ページ以内)が5件の投稿があり,実践論文はフルペーパ(6ページ以内)が6件の投稿があった.各投稿論文に対して3名のプログラム委員による並列査読を行い,その結果をプログラム委員会にて慎重に議論した結果,6件の研究論文フルペーパ,3件の実践論文フルペーパ,15件の研究論文ショートペーパ,2件の実践論文ショートペーパを採択とした.本年も例年同様,要求からテスト・保守まで,ソフトウェア開発の上流から下流に渡る幅広いテーマでの発表があった.本シンポジウムでは,これらのシンポジウム論文発表に加え,基調講演に芝浦工業大学工学マネジメント研究科 教授 國井秀子氏,株式会社NTTデータ 執行役員・基盤システム事業本部長・技術開発本部長 木谷強氏をお迎えし,ソフトウェア工学分野の強化に向けた新たな取組,高速開発を実現するソフトウェア開発技術に関してご講演いただいた.さらに,組込みソフトウェア設計検証,ソフトウェア品質データ分析のチュートリアルに加え,本年度新たに設置した技術セミナーとして,クラウドデザインパターン,ビッグデータ分析技術とそのビジネス活用,レガシーモダナイゼーション実践に向けた技術開発に関する3つのセミナーを開催した.また,ポスター展示に関しては,昨年を大幅に上回る27件の発表があった.ポスター発表に先立ちポスター概要紹介(ライトニングトーク)を実施した.ワークショップに関しても,昨年に引き続きテーマを設定した議論の場として討論テーマを公募し,4件のワークショップを開催した.採録論文の中から優秀な論文2件に最優秀論文賞を,ポスター発表の中から参加者の投票により優秀な発表3件にインタラクティブ賞を贈呈した.また,今年度より新たな企画として,研究成果・ツールの実用性,対象問題の必要性,提案内容の有用性を重視し,産業界におけるニーズ・問題意識により近い研究発表2件に対して企業賞を贈呈した.参加者は137名と目標を若干下回ったが,参加者には有意義なシンポジウムであったと思われる.
  • ウィンターワークショップ2015・イン・宜野湾(WWS2015)
    2015年1月22日~23日の2日間にわたり,フェストーネ(沖縄県・宜野湾市)にて開催した.論文投稿は46件で,様々な問題提起や研究成果の速報を含むものであり,これらを基に活発な議論を行うことができた.参加者はほぼ当初の計画通り69名となり,密度の濃い議論が行われ,充実したワークショップとなった.今回のワークショップでは,研究会会員を中心とするソフトウェア工学の研究コミュニティからセッションテーマを募集し,6つのテーマ(「可視化」,「データ分析」,「形式手法」,「モデリング,アジャイルとパターン」,「CPSつくり」,「ソフトウェア開発技術の次の10年」)に関するセッションを設定した.参加者は,それぞれの討論グループに分かれて,1 日目午後から2 日目午前にかけて深い議論を行った.議論の成果として参加者全員で論文の執筆を行う等,セッション毎に様々な試みが行われた.今回のワークショップにより,ソフトウェア工学分野における研究および実践のさらなる発展に貢献できたと考える.

  • ICSE2014勉強会 (国際的研究活動活性化WG主催)
    2014年7月22日に,ソフトウェア工学の分野で最高峰のカンファレンスであるICSE(International Conference on Software Engineering)の論文勉強会を行った.全国4拠点(東京工業大学,名古屋大学,大阪大学,九州大学)をTV会議でつなぎ,ICSE2014で発表された研究論文99件(25セッション)を1論文3分程度でダイジェスト紹介した.1日で会議の全論文の概要を理解することができ,最新の研究動向を効果的に調査する機会を共有しようというのが狙いである.153名の参加があり盛況であった.
3.総括

 上記で報告した研究会,シンポジウム,ワークショップ,勉強会等,本年度の活動には概ね多くの方の参加を頂くことができた.本年度初めての試みとして,7月研究会を電子情報通信学会ソフトウェアサイエンス研究会(SIGSS),同知能ソフトウェア工学研究会(KBSE)と合同で開催した(ソフトウェア科学会ソフトウェア工学の基礎研究会(FOSE)は協賛).国内のソフトウェア工学研究コミュニティが一堂に会する良い機会となった.ワーキンググループとして,本年度も要求工学WG,パターンWG,国際的研究活動活性化WGの3つが継続的に活動した.また,学会誌「情報処理」10月号では,「続・ソフトウェア工学の共通問題」の特集を組んだ.これは昨年の同特集の続編であり,これからの共通問題を提言する意図で企画したものである.

4.その他

 2015年度は,4回の定例研究会,SES2015,WWS2016を開催する予定であり,一部は既に準備を進めている.今後とも質と量の両面からソフトウェア工学分野の活性化につながるように,会員に対するサービスレベルの向上に努めていき,さらに充実した活動を行っていきたい.

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◆計算機アーキテクチャ(ARC)研究会

[主査:五島正裕,幹事:小野貴継,津邑公暁,三輪 忍,山下浩一郎]

1.定例の研究会活動報告

 第202~206回の研究発表会を開催した.

  • 第202回 2014/5/14(水)~ 15(木) @沖縄船員会館(OSとの共催)
    発表18件.ARCの貢献を大きくすることが課題である.ARC若手奨励賞1件.
  • 第203回 2014/7/28(月) @朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター(SWoPP)
    発表15件.多くの発表をIEICE CPSYに奪われた形となった.ARC若手奨励賞1件.
  • 第204回 2014/10/06(月)~ 07(火)@ ホテルニューツルタ (大分県別府市)
    発表20件.「ポスターのないポスターセッション」を開催し,多数の発表があり,活発な意見交換が行われた.また,3件の招待講演を催した.ARC若手奨励賞1件.
  • 第205回 2014/12/09(火)~ 10(水) @小樽経済センターホール(HOKKE,HPCとの共催)
    発表32件.HOKKEもARCの貢献を大きくすることが課題である.ARC若手奨励賞1件.
  • 第206回 2015/01/29(木)~ 30(金) @慶応大学(IEICE-ICDと連催)
    発表10件.集積回路研究者とのコミュニケーションを活性化する目的で,3件の招待講演を催した
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 Annual Meeting on Advanced Computing System and Infrastructure (ACSI) 2015を,2015/01/26(月)~28(水)の日程で,つくば国際会議場において,OS/HPC/PROとの共催で開催した.

3.総括

 主に国内の環境の変化が激しく,ARCとしても変化を迫られている.
 まず,新年度からは,研究会名称を計算機アーキテクチャ研究会からシステム・アーキテクチャ研究会へと変更する.
 また,長年競合関係にあったIEICE CPSYとの連携を強化することで合意した.新年度からは,できる限り多くの研究会を連催する予定であり,CPSY主催シンポジウムへの協賛も決定した.ゆくゆくは,実際上一体として運営されることを目指す.
 HPC,OS,PROなど,情報処理学会のシステム分野の研究会とは,上記SWoPPをはじめとして連携を続けていく.また,IEICE ICDとはLSIとシステムのワークショップの共催,アクセラレーション技術発表討論会の協賛,1月の研究会の連催などを通じて異分野交流の機会を提供した.
 引き続き登録会員が必要とする研究発表の場を提供すべく,関連する研究会と密な連携を保ちつつ,さらに活動を盛り上げていく予定である.

4.その他
 ・ Webサイトをリニューアルし,運用を開始した.
 ・ IEICE CPSYとは,連携強化のためのロゴを作成した

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◆システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)研究会

[主査:河野健二,幹事:高野了成,高宮安仁,毛利公一,山田浩史]

1.定例の研究会活動報告

 第129-132回の計 4 回の研究発表会を開催した.

  1. 第129回 2014年5月14日(水)~15日(木) 沖縄船員会館
    昨年に続き,計算機アーキテクチャ研究会と共催で開催し,計算機アーキテクチャとシステムソフトウェアの相互関係などを議論した.省電力,GPU, 仮想化,分散システム,OSアーキテクチャ,信頼性など計 18 件の発表があり,1泊二日の滞在型の研究会として活発な議論が行われた.

  2. 第130回 2014年7月28日(月)~7月30日(水) 朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター
    例年にしたがい「並列/分散/協調処理に関するサマー・ワークショップ」として複数の研究会と共催により開催された.ストレージシステム,信頼性,セキュリティ,大規模分散処理,OS アーキテクチャ,マルチコアなどについて全 24 件の発表が行われた.

  3. 第131回 2014年11月18日(火) 芝浦工業大学 豊洲キャンパス
    ComSys に併設する形で開催している研究会であり,組込みシステム研究会との共催として開催した.「ビッグデータを対象とした管理・情報検索・知識獲得,システムソフトウェア,組込みソフトウェア技術および一般」というトピックで発表の募集を行い,仮想化,データ管理,教育向け組込みシステムなどについて全 10 件の発表が行われた.

  4. 第132回 2015年2月26日(木)~27日(金) 長崎大学 文教キャンパス 総合教育研究棟
    システムソフトウェア一般について発表を募集し,仮想化,ストレージシステム,大規模分散処理,セキュリティ,OSアーキテクチャなどについて 16 件の発表が行われた.

2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 第26回コンピュータシステムシンポジウム 2014年11月19日(水)~20日(木)
    場所: 芝浦工業大学 豊洲キャンパス
     OS研究会としては,コンピュータシステムシンポジウムを研究会活動として重要視している.本シンポジウムと連携したACS論文誌を企画することで質と量の充実をはかり,基調講演や招待講演により本分野の先端的な話題を提供している.本年度は,いくつかの新たな試みを行った.ひとつは,CS week と称して,データベース研究会の WebDB フォーラムと同時期同会場で開催を行った点である.ビッグデータ時代を迎え,システムソフトウェアとデータベースシステムの融合的な研究開発が活発になってきている.このような認識から,システムソフトウェアとデータベースのコミュニティ間での交流を活性化することを狙ったものである.参加者からは分野間交流に役だったという声を多く聞いている.今後も他の研究会と連携した形でシンポジウムを開催していくことは大切であろう.
     もう一点は,従来の査読付き論文の募集をとりやめ,投稿論文にはコメントのフィードバックを行うようにした.コメントのフィードバックにより研究会との差別化をはかるとともに,コメントを受けた上で国際会議への投稿を活性化し,ACS 論文誌との連携も潤滑に行えるように配慮した.これにより論文投稿数が増加することを期待したが,特に効果はなかった.おそらく,フィードバックを返すために投稿締切がかなり早めに設定されたことが問題であったと考えられる.来年度以降はその点を改善する必要がある.
     また,昨年度に引き続き,EMB との合同研究会および BitVisor サミットの併設を行った.合同研究会には 10 件の講演が集まり,BitVisor サミットでも招待講演を含めて計 7 件の講演が行われた.これらの催しは,日頃から OS 研究会に参加している方だけにとどまらない多様な参加者を ComSys 本体に呼びこむことを目的として行われている.この試みはうまくいっていると考えており,特にBitVisor サミットは,産業界のシステム開発者に対する訴求力が強く,今年度も大変盛況であった.
     ComSys 本体に関しても,例年同様,招待講演を充実させる試みを推し進めた.本年度の招待講演は,「Hivemall: Apache Hiveを用いたスケーラブルな機械学習ライブラリ」という題目で,産業技術総合研究所の油井誠様にお願いした.大規模分散環境を用いたスケーラブルな機械学習に関する話題である.システムソフトウェア研究でも機械学習を用いたアプローチがとられたり,あるいは機械学習のためのフレームワークの研究などが活発になっており,時代の要請にマッチした興味深いものであった.他に WebDB フォーラムと共同で「ビッグデータ基盤技術の最前線」というパネルを行った.パネリストはシステムソフトウェアの研究者から応用指向の研究者に至るまで多岐にわたっており,多様な視点から活発な議論が行われた.また,「オープンデータの現在と展望」と題して平本健二様 (内閣官房政府 CIO 補佐官,経済産業省 CIO 補佐官),村上明子様 (日本IBM),大向一輝様 (国立情報学研究所) に特別講演をお願いした.オープンデータにまつわるさまざまな話題を聞くことが出来た.
     一方で,ここ数年来の懸念事項である,一般投稿論文数の現象は今年度も改善はみられなかった.本年は,投稿数が8であった(先に述べたとおり査読は行っていないため発表件数も8).この本数は大変残念であると共に,ComSys が担うべき役割を再度見直す時期に差し掛かっていることを示唆していると感じられる.今後は,抜本的な改革も含めて,将来の ComSys のあり方に関する議論を加速させたい.投稿論文数の減少という反省点はあるものの,総じて活発なシンポジウムとすることができた.
3.総括

 システムソフトウェアとオペレーティングシステム分野の研究発表活動では,社会的要請に応じてそのトピックが遷移し,今年度はビッグデータを意識した大規模分散処理,マルチ・メニーコア,クラウド,ストレージ,省電力などに関連した発表が増加傾向にあった.年 4 回の研究会開催は定着しつつあり,発表申し込み件数も順調である.年 4 回の開催によって,おおよそ 3 ヶ月に 1 回研究会が開催されており,萌芽的な研究発表の場として定着しつつあり,うまく利用してもらえるようになったと考えている.
 また,シンポジウムに関しては企業からの参加者が多く,産学連携の場を提要するというシンポジウムの狙いにそった形となりつつある.研究会の幹事団・運営委員会でもシンポジウム改革の機運が高まってきており,多くのアイデアが寄せられるようになっている.今後,大きな改革が行われ活性化されるものと期待している.また, 若手育成という視点から,2006年度より継続している学生表彰も継続して行っている.こちらも順調である.今後も各種分野との研究交流について検討したい.
 最後に,力不足の主査でありながら,皆様の力添えでなんとか四年間の任期をつとめあげることができました.末筆ながら,幹事団,運営委員の皆様,学会スタッフの皆様,研究会活動に参加して下さった皆様に感謝いたします.主査は交代となりますが,今後とも,各方面からのご支援・ご協力をいただければ幸いである.

 

◆システムとLSIの設計技術(SLDM)研究会

[主査: 福井正博,幹事:島村光太郎, 杉原 真,横山昌生]
1.定例の研究会活動報告
 以下に示す第166~170回の研究発表会を開催した.
  • 第166回: 発表件数 13件,5月29日,北九州国際会議場,テーマ: システム設計および一般,電子情報通信学会 VLD研究会と連催
  • 第167回: 発表件数 12件,10月2・3日,東北大学,テーマ: システムLSIの応用とその要素技術,専用プロセッサ,プロセッサ,DSP,画像処理技術,および一般,電子情報通信学会 IE/ICD/VLD研究会と連催
  • 第168回: 発表件数 46件,11月26-28日,大分別府ビーコンプラザ,テーマ: デザインガイア2014 VLSIの設計/検証/テストおよび一般,電子情報通信学会 DC/VLD研究会と連催,ICD/CPSY/RECONF/CPM研究会と併催
  • 第169回: 発表件数 43件,1月29・30日,慶應義塾大学日吉キャンパス,テーマ: FPGA応用および一般,電子情報通信学会 VLD/CPSY/RECONF研究会と連催
  • 第170回: 発表件数 53件,3月6・7日,奄美市社会福祉協議会,テーマ: 組込み技術とネットワークに関するワークショップ ETNET2015,情報処理学会 組込みシステム研究会(EMB)と共催,電子情報通信学会 CPSY/DC研究会と連催
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 以下に示すシンポジウムを開催した.

  • DAシンポジウム2014: 8月28・29日,下呂温泉水明館(岐阜県下呂市),発表件数 57件
3.総括

 本研究会は,システムLSIを中心とする電子装置の設計技術,設計自動化技術の研究分野をスコープとして活動している.2014年度に「システムLSI設計技術研究会」から改称を実施し,それに伴うスコープの拡大により,活動の活性化が進んでいる.

 研究会単独主催の「DAシンポジウム2014」では,組み込みシステム技術に関するサマーワークショップと同時開催,VDECデザイナーズフォーラムと連続開催したことにより,相互に技術交流を図った.参加者数は117名と例年以上に盛況で,引き続き当研究会の活動が支持を得ていることが示されたと考えている.

 学生会員育成のための表彰SWGの活動(2006年度創設)は,研究活動の更なる発展に向けた活動として定着し,DAシンポジウム2014にて学生賞20名が表彰された.

 2008年度に創刊された,研究会独自のオンライン・トランザクション(TSLDM:Transactions on System LSI Design Methodology)は,2014年8月に第13号(Vol.7 August Issue),2015年2月に第14号(Vol.8 February Issue)を発行した.

4.その他
 活動履歴や予定の詳細については,下記をご参照ください.
http://www.sig-sldm.org/

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◆ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)研究会

[主査:横川三津夫,幹事:岩下武史,遠藤敏夫,櫻井隆雄,中田真秀]

1.定例の研究会活動報告

 2014年度は,第144-148回の研究発表会を開催し,合計156件の発表が行われた.

  • 第144回研究発表会は,海洋研究開発機構横浜研究所にて5月26日(月),27日(火)で開催,17件の発表があった.
  • 第145回研究発表会は,7月28日(月)-30(水)の3日間,2014年並列/分散/協調処理に関する『新潟』サマー・ワークショップ(SWoPP新潟2014)として,ARC,PRO,OSなどの研究会と共同で開催し,46件の発表があった.
  • 第146回研究発表会は,沖縄産業支援センターにて,10月2日(木),3日(金)の2日間で,24件の発表があった.
  • 第147回研究発表会は,ARC研究会と合同で第22回ハイパフォーマンスコンピューティングとアーキテクチャの評価に関する北海道ワークショップ(HOKKE-22)として,小樽経済センターにて12月9日(火),10日(水)の2日間開催し,32件の発表が行われた.
  • 第148回研究発表会は,大分県別府市において,3月2日(月),3日(火)の2日間開催し,37件の発表があった.
 また,研究発表の中から,コンピュータサイエンス領域奨励賞2件,山下記念研究賞2件を推薦した.発表内容については,メニーコアやGPGPUの研究に加え,ポスト京のシステムに向けた研究が増えている.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
 2015年1月26日(月)-28日(水)の3日間,つくば国際会議場にて,Annual Meeting on Advanced Computing System and Infrastructure(ACSI)2015をARC, OS, PROとの共同で主催した.この研究集会は,2003年から始まった先進的計算基盤システムシンポジウム(SACSIS)の後継の会議であり,国内の優秀な研究成果に対し,国際発信力を高め,国際会議,国際ジャーナル等における英文論文の発表と議論の機会を提供するために内容を一新したものである.基調講演,招待講演,チュートリアル2件,講演19件のほか,ポスター展示や企業・団体展示なども例年通り行われた.
 新しい試みであったため,これまでのSACSIS参加者に対し,会議の位置づけ,方向性がうまく伝わらない面があったが,国際的な成果発信を積極的に行う意味で重要な方向転換であった.今後は,この研究集会を国際会議へと発展させ,この分野のアジア地域での重要な会議へと向ける努力が必要と考えている.
3.総括

 HPC研究会は,2014年度に5回の研究発表会を行い,活発な活動を行うことができた.研究集会ACSIでは初めての試みであり,今後の発展に向けた努力が必要と考えている.また,ACSIが1月開催となったため,例年開催していた「ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学」シンポジウムの開催時期を変更することとなり,2015年度5月の開催に向けた活動も行った.
 登録会員数はほぼ横ばいであり,登録数を増やす方策が必要である.また,若手会員,女性会員の増加にも考慮しながら,研究分野全体の活発化に繋げるように努力したい.

4.その他

 2014年度は,HPC研究会の主査が交代した年度であり,いろいろな面で活動が円滑でなかった点があったように思う.ハイパフォーマンスコンピューティング分野では,2014年度からポスト京の開発が開始されており,高性能コンピューティングの新たな展開に向けて,HPC研究会をますます発展させ,登録会員が活発に議論できる場を提供していきたい.

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◆プログラミング(PRO)研究会

[主査:南出靖彦,幹事:河内谷清久仁,小宮常康,田浦健次朗,西崎真也,増原英彦]

1.定例の研究会活動報告
 第99-103回の研究発表会を開催し,合計42件の発表があった.このうち,第100回(8月,SWoPP2014)が他研究会との連続開催であり,残りの4回が単独開催である.

 プログラミング研究会第100回目を記念するため,SWoPP 2014では,本研究会に縁の深い東京大学名誉教授 竹内郁雄先生をお招きし,これから世界に羽ばたく日本の研究者と、海外とくに発展途上国との交流体験を共有する,講演形式BoFの「エジプトでITを教えてみたら…」を開催した.第101回研究会では,「PROのこれまで目指したことと目指すべきもの」と題してパネルセッションを開催した.パネラーとして,プログラミング研究会の立ち上げと発展の時期にご尽力頂いた東京大学の萩谷昌己先生と早稲田大学の上田和紀先生に御登壇頂き,主査の南出靖彦,幹事の河内谷清久仁と西崎真也を交え,研究会と情報学研究の過去と未来,問題点と展望について活発な議論が交わされた.

 平成26年度も,トランザクションプログラミング(PRO)と密着した体制で研究発表会を開催した.トランザクション(PRO)に投稿された論文は,まず研究会で発表され,発表会の直後に開催されるトランザクション(PRO)編集委員会において議論し,査読者を定めて本査読を行なった.例年通り,投稿の有無に関わらず,1件あたり発表25分,質疑・討論20分の時間を確保し,参加者が研究の内容を十分に理解するとともに,発表者にとっても有益な示唆が得られるように務めた.発表総数は42件で、その中,トランザクションへの投稿件数は17件であった.本稿執筆時点では一部の投稿論文の採否が確定していないため、採択率に関する報告は行わないが、今後とも,編集委員会において査読の観点を論文の欠点を見つけて評価する減点法ではなく,論文の長所を見つけて評価するようにこころがけていく方針である.

 また,2015年度発行の論文誌に掲載される英文論文から情報処理学会の英文論文誌JIP(Journal of Information Processing)との連携が始まり,論文誌プログラミングに採録された英文論文はJIPに正本が掲載され,論文誌プログラミングにはpreprintとして掲載されことになった.

 若手を対象としたコンピュータサイエンス領域奨励賞の受賞者を1名選んだ.第101回研究発表会の場で受賞者およびその研究を紹介した.

 2015年3月末に,研究会及びトランザクションのウェブページのリニューアルを行った.基本的な内容はこれまでと同様であるが,分かりやすい内容とするよう努力した.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
 情報処理学会4研究会(ARC,OS,HPC,PRO)の共同主催により,ACSI2015を,1月26~28日に筑波国際会議場で開催した.

 また,日本ソフトウェア科学会インタラクティブシステムとソフトウェア研究会が11月26~28日に主催した第22回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS2014)に協賛した.
3.総括

 プログラミング研究会の平成24-26年度の発表件数は順に41件, 43件, 42件であり大きな増減はなかった.一方,トランザクションへの投稿件数は23件, 33件, 17件となっており大きな増減があり今後の動向を注視する必要がある.

4.その他

 平成27年度もこれまで同様に5回の研究発表会を予定している。今後も,開催時期や場所の検討、査読方針や編集・査読体制の確認と検討をおこなうとともに, 会員にとってより便利で有益な研究会となることを目指したい.

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◆アルゴリズム(AL)研究会

[主査:上原隆平,幹事:岡本吉央,山内由紀子,内澤啓]

1.定例の研究会活動報告

 第148回から第152回までの合計5回の研究発表会を開催し,総発表数は50件であった.発表の内容は,グラフアルゴリズム,ネットワーク通信,列挙アルゴリズム,近似アルゴリズム,分散アルゴリズム,計算複雑度,計算幾何,情報セキュリティなど,多岐に渡っている.本年度は2件の特別講演を企画した.
 第151回では東京大学の河村彰星先生に「連続世界の計算量」というタイトルで講演していただいた.離散的でない連続的な計算モデル上での計算量理論についてのレクチャーで,計算モデルに関する知見を広げる講演であった.
 また152回には,電気通信大学の岩崎敦先生に「ゲーム理論的マッチングメカニズムとその応用」というタイトルで講演していただいた.マッチングはごく基本的な問題であるが,これをゲーム理論的な側面から研究し,現実問題に応用する方法についての講演であった.どちらも参加者の研究に対して新たな視点と刺激を与えるよい機会となった.

 他研究会との交流として,電子情報通信学会の「コンピュテーション研究会」と連催(5月),同学会の「回路とシステム研究会」・「システム数理と応用研究会」と連催(11月),人工知能学会の「人工知能基礎問題研究会」と同時開催(1月),「組合せゲーム・パズル研究集会」との併催(3月)を行なった.それぞれ,興味の対象や問題意識が近いこともあり,実りの多い交流となった.

2.シンポジウム・国際会議等の報告

  小規模国際会議として,韓国の研究会と連携してJapan-Korea Joint Workshop on Algorithms and Computation(アルゴリズムと計算理論に関する日韓合同ワークショップ)を定期的に開催している.本年度は第17回のワークショップを7月に沖縄で行なった.今回は日本サイドによる開催であった.

3.総括

  一昨年から,他の研究会との交流を深めるための連催等に積極的に取り組んできた.今年度は新たに「組合せゲーム・パズル研究集会」との交流も行った.どの研究会も,興味が共通する部分もあれば,多少違う部分もあり,互いに良い刺激となっており,研究会の盛り上がりに役立っている.今後もこうした交流は続けていくとよいと考えられる.

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◆数理モデル化と問題解決(MPS)研究会

[主査:棟朝雅晴,幹事:庄野 逸,岩田具治,関嶋政和,但馬康宏,小野智司,吉田哲也]

1.定例の研究会活動報告

 第98-102回として計5回の研究発表会(うち1回は海外開催)を行った.

  • 第98回:6月25日(水)~27日(金),沖縄科学技術大学院大学(沖縄県),発表16件(合同研究会全体では43件)
    (バイオ情報学研究会・電子情報通信学会NC,IBISML研究会との共催)
  • 第99回:7月21日(月),モンテカルロリゾート(米国),発表13件.
  • 第100回:9月25日(木)~26日(金),日本科学未来館(東京都),発表27件.
    (第100回記念研究会として開催)
  • 第101回:12月9日(火),奈良女子大学(奈良県),発表14件.
  • 第102回3月3日(火)~4日(水),島原文化会館(長崎県),発表22件.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 本年度は以下の会議への協賛を行った.
  ・ 進化計算シンポジウム 2014(進化計算学会主催)

3.総括

 本研究会では,さまざまな問題の数理モデル化と解析,機械学習や最適化など問題解決に必要となる手法やアルゴリズムに関する研究分野を対象としてきた.
 2014年度においては,日本科学未来館において第100回記念研究会を開催し,その記念セッションにおいて,初代主査の中森眞理雄先生による基調講演「モデル化の楽しみ」,日本科学未来館における研究展示で話題を集めた湊真一先生による招待講演「『フカシギの数え方』に見る数理モデル化と応用」,および「『数理モデル化と問題解決』の未来」と題したパネル討論を行い,今後の研究会の発展に向けた議論を深めることができた.
 定例の研究発表会については,全体で92件の発表があり,数理モデル化,最適化,解析手法,機械学習などに関わる研究や,それら手法の現実の問題への応用として,ソーシャルメディア,クラウドコンピューティング,ゲーム,バイオ・医療情報処理などさまざまな研究成果について活発な議論がなされた.

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◆組込みシステム(EMB)研究会

[主査:枝廣正人,幹事:武内良典,中條拓伯,福田浩章,横山孝典]

1.定例の研究会活動報告

 第33回~36回の研究発表会を開催.組込みシステムというテーマに関してCS領域内の他研究会が扱う分野間の横串を指す役割を担っていることから,本年度も各関連研究会との共催の研究発表会を実施した.

  • 第33回研究会(5月19~20日@日立)ソフトウェア工学研究会と共催,発表9件
  • 第34回研究会(9月17日@札幌市男女共同参画センター)単独開催,発表5件
  • 第35回研究会(11月18日@芝浦工大)オペレーティングシステムとシステムソフトウェア研究会,データベースシステム研究会と共催,発表28件
  • 第36回研究会「組込み技術とネットワークに関するワークショップ ETNET2015」(3月6~7日@奄美市社会福祉協議会)システムLSI設計技術研究会,および電子情報通信学会コンピュータシステム研究会,ディペンダブルコンピューティング研究会と共催,発表53件
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 組込みシステムシンポジウム(ESS2014)を,10月22~24日に東京・国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて開催.産業界・学術界から18件の論文発表や実践報告があり,また基調講演として大阪大の松田教授,芝浦工大の中野教授のお二人に登壇いただいた.シンポジウム初日には企業セッション,2件のチュートリアルや学生を中心としたESSロボットチャレンジなどのイベントも実施した.

3.総括

 研究会として発足し9年が経過し,その活動が多くの方々に理解されるようになってきている.研究会運営委員も初期のメンバーから徐々に世代交代をしながら,その裾野を広げつつあり,情報処理学会内に閉じることなく電子情報通信学会などの関係する研究会や産業界の団体などとも連携を保ち,組込みシステムの技術発展に向けて学術の世界のみならず実務の世界への積極的な発信が出来るようになりつつある.

4.その他
  • 情報処理学会論文誌「組込みシステム工学」特集号を平成26年8月および平成27年2月に発刊した.合わせて19編投稿,8編採録.
  • 情報処理学会誌研究会推薦博士論文速報については3編推薦,採択.
  • 山下賞1名,CS領域賞1名を推薦.

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情報環境領域

◆マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会

[主査: 重野 寛,幹事: 新保宏之,乃村能成,藤田茂,木原民雄]

1.定例の研究会活動報告

 定例の研究会は,以下の通り4回実施した.

  1. 第159回DPS研究会/2014年05月15日-16日/健康文化村(沖縄県宜野湾市)
  2. 第160回DPS研究会/2014年07月24日-25日/ホテル武蔵坊(岩手県西磐井郡)
  3. 第161回DPS研究会/2014年09月18日-19日/東海大学熊本キャンパス(熊本市)
  4. 第162回DPS研究会/2015年03月05日-06日/法政大学小金井キャンパス(東京都小金井市)
  • 第159回は,沖縄で MBL(合同),信学会MoNa(連催)と連携し,全体で34件の研究発表(うちDPSは9件)があり,シングルトラックで分野を越えた活発な議論が行われた.
  • 第160回は,岩手県平泉で,10件の研究発表があった.ここでは合宿形式での開催を試み,参加者全員による研究討論が活発に行われた.
  • 第161回は,EIP との(合同で,熊本市で行われた.全体で16件(うちDPSは10件) の研究発表があった.また,崇城大学 星合隆成教授より「ブローカレス理論を用いた地域活性化の取り組みについて」という題目でご講演を頂いた.
  • 第162回は,東京でCSECとの合同開催とし,全体で55件の研究発表(うちDPSは27件)が行われた.
  • 今年度の発表件数は,招待講演を除き56件であった.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア,分散,協調とモーバイルシンポジウム(DICOMO2014)
    2014年7月9日(水)から 11日(金)に月岡温泉 ホテル大泉慶にて開催された.「ひとが拓く未知の扉」という統一テーマを掲げ,320件の研究発表が行われた.本シンポジウムは,DPS,GN,MBL,CSEC,ITS,UBI,IOT,SPT,CDS,DCC,の合同よる非常に大規模なシンポジウムである.本シンポジウムにおけるDPS関連発表は,11セッション,43件(デモを除く)を占めており,多くのDPS関連発表者がこのシンポジウムに参加し,交流を深めた.また,奈良先端科学技術大学院大学の安本慶一教授に「情報流: 情報の流れに着目した実世界情報処理基盤」というタイトルで,ご講演頂いた.

  • マルチメディア通信と分散処理ワークショップ
    今回で22回目となった本ワークショップは,島根県 出雲・玉造温泉ホテル玉泉で開催された.22件の論文発表と,デモ・ポスターセッションでの25件の発表を合宿形式で行い,90名の参加者のもと真摯な議論が行われた.投稿されたすべての論文は,プログラム委員によって並列査読された.参加者全員参加による深い議論を目指し,今年度もシングルセッションによる開催とした.
    また,特別セッションとして,デモ・ポスターセッションを設け,活発な議論が行われた.査読コメントに基づいて改良された論文をベースとした討論は,発表の場として発表者及び参加者の双方にとって有意義であった.
    また,昨年同様,未来を見据え,若手研究者・学生をエンカレッジし,世界に羽ばたく研究者・ 技術者へと育成することを目的としたテーブルディスカッションを実施した.
    表彰としては,査読結果に基づく優れた論文に対して,最優秀論文賞 1件,優秀論文賞 4件,奨励賞 4件,審査員及び参加者の投票によって優秀ポスター賞3件,優秀デモンストレーション賞 2件,最優秀プレゼンテーション賞1件,優秀プレゼンテーション賞 2件を授与した.さらに,3日間の発表を通して,活発な議論をしてくれた参加者に対してベストカンバサント賞を1件授与した.これらの賞により,優秀な研究成果及び研究者を評価奨励し,活発なワークショップとすることができた.
    通常のセッションはもちろんのこと,懇親会や宿泊している部屋で大学や企業組織の枠を超えた議論が深夜まで続き,新しい研究の発展が得られるワークショップとなった点でも,今後の本研究領域の発展に寄与するものと考えられる.

  • 論文誌「分散処理とネットワークサービス」特集号
    将来のネットワークを実現するネットワーク基盤技術,サービス技術,アプリケーション技術,新世代のマルチメディア処理や分散処理に関する優れた論文を一括掲載することを目的として本特集号が企画された.ゲストエディタには,小花貞夫氏(電気通信大学)を迎えて編集委員会を組織し,応用研究などの実用的な論文や,時事的に重要なテーマ,萌芽的な研究についても積極的に評価する方針とした.また,早い結果通知の実現のため,編集委員会のスケジュール等の工夫を行った.その結果,新世代のマルチメディア通信と分散処理に関する論文が 30件投稿され,編集委員会による査読評価の結果,14件を採録とした.採録率は約47%であり,採録された論文は,基盤技術から応用まで多岐に渡り,特集号の狙いに合致した論文を採録することができたと考えられる.また,特選論文として,研究会推薦 1件に加え,全体推薦でも 2件が選定されたことは,採録論文の質の高さをあらわしているといえる.
3.総括

 本研究会では,4回の定例研究会,シンポジウム,ワークショップを通して,研究者相互の交流と研究に対する活発な意見交換の場を提供することができた.特集論文については,非常に多くの方にご協力頂き,遅延のない査読プロセスを進めることができた.ここに改めて,ご協力頂いた皆様に感謝する.今後も,DPS関連研究者の更なる研究の活性化,また国際化への支援を進めていく予定である.皆様の積極的な参加とご協力をお願いしたい.

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◆ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会

[主査:河野恭之,
  幹事:井原雅行,小倉加奈代,小松孝徳,寺田和憲,福地健太郎,真鍋宏幸,光永法明,吉高淳夫]

1.定例の研究会活動報告

 第158~162回の研究発表会を開催した.各回のテーマと招待講演,発表件数等は以下の通り.

  • 第158回(津田塾大学) 2014/5/22
    テーマ:やわらかいインタラクション
    招待講演:「ビットコインは通貨たりうるか? -システムの社会的価値の源泉を探る-」 萱野稔人氏(津田塾大)
    学生招待講演:「自己運動に基づいた誇張感覚刺激による拡張現実感」 蜂須拓氏(電通大)
    発表件数:7件
  • 第159回(花巻温泉 ホテル紅葉館 )2014/8/4~5
    テーマ:向上とインタラクション
    併設ワークショップ:HCIP19(後述)
    発表件数:14件
  • 第160回(沖縄科学技術大学院大学)2014/10/14~15 SIGUBIと共催
    テーマ:レジリエンスとインタラクション
    招待講演:「ロボットと脳の強化学習」 銅谷賢治氏(沖縄科学技術大学院大学)
    運営委員会セッション:「東芝のウェアラブルセンシング技術」 大内一成氏(東芝)
    発表件数:23件
  • 第161回(箕面観光ホテル) 2015/1/15~16
    テーマ:つながるインタラクション
    招待講演:「瞬きの同期現象とその神経メカニズム」 中野珠実氏(大阪大学大学院生命機能研究科)
    学生招待講演:「前に進めることと周りを見渡すこと-現状改善と新たな問題への気づき-」 山中祥太氏(明治大学)
    発表件数:12件
  • 第162回(お茶の水女子大学) 2014/3/13~14
    テーマ:言葉とインタラクション
    招待セッション:「インタラクションを言葉にすることについて」渡邊淳司(NTT/東工大)・渡邊恵太・中村聡史・宮下芳明(明治大)
    発表件数:26件
 以上,発表総件数79件

 第158回~162回研究会より,以下の4件を学生奨励賞として表彰した:
  • 第158回研究会
    志水新君(首都大学東京)「視覚障害者の日本語入力を支援するフリック入力型キーボード」
  • 第160回研究会
    葛西響子君(京都工芸繊維大学)「コウテイカボチャ:聴衆に肯定的な反応を重畳する発表時緊張感緩和手法」
  • 第162回研究会
    伊藤隆朗君(筑波大)「データフロービジュアル言語を用いた情報可視化システムの開発環境」
    村井孝明君(北陸先端科学技術大学院大学)「楽器の継続的練習を支援するために練習曲を他楽曲の伴奏に編曲するシステム」
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  1. The 19th Human Computer Interaction Workshop (HCIP19) を、第159回研究会と併設開催した.「インタラクションにおけるブレークスルーをもたらすものは何か」というテーマでグループを構成してディスカッションを行い,その議論結果を報告した.
  2. インタラクション2015シンポジウム(2015/3/5-7)をGN研・UBI研・DCC研およびEC研と共催した.当研究会の木村教授(立命館大)がプログラム委員長を担当した.従来通り質・量ともにきわめて高いレベルのシンポジウムとなり,参加者が過去最大となる755名を数えた.
3.総括

 研究会での発表件数は79となり計画を下回ったが研究会登録会員数は高い水準を維持している.前述のようにインタラクション2015シンポジウムは過去最大の参加者数を数えるなど研究会活動は全体として引き続き活発である.しかしながら発表申込件数・参加者数が研究発表会によって大きく増減する現象が発生しており,開催時期・開催地の選定,テーマ設定などで訴求力を高めたい.

4.その他

 2015年度も引き続き研究会の活性化に努める所存である

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◆グラフィクスとCAD(CG)研究会

[主査:柿本正憲,幹事:栗原恒弥,栗山 繁,鶴野玲治,豊浦正広,向井智彦]

1.定例の研究会活動報告
  • 第155回 テーマ:現実世界を参照するCG,およびCG一般
    2014年 6月28日(土) NTT横須賀研究開発センター
    発表件数 12件 招待講演 1件
  • 第156回 テーマ:リアルタイム計算およびCG一般
    2014年 9月 16日(水) 中京大学 名古屋キャンパス
    発表件数 8件 招待講演 1件 (日本バーチャルリアリティ学会力触覚の提示と計算研究委員会協賛)
  • 第157回 テーマ:製造業とCV/CGおよび一般
    2014年11月20日(木)~21日(金) 早稲田大学 西早稲田キャンパス
    発表件数 21件 招待講演 3件(CVIMとの合同開催)
  • 第158回 テーマ:CG教育およびCG一般
    2015年 2月 27日(金)(独)理化学研究所 和光本所
    発表件数 14件(CGARTSとの合同開催)
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • Visual Computing/グラフィクスとCAD合同シンポジウム
    20142014年 6月29日(日)~ 30日(月)
    早稲田大学国際会議場
    発表件数55件(うちポスター発表28件)  招待発表5件 投稿件数62件
    画像,動画編集や物理シミュレーション,モデリング,レンダリングなど,多岐にわたる分野での研究が多数報告された.
  • CEDEC2014共催イベント「画像からの形状モデリング,形状に基づく画像処理」
    2014年 9月 2日(火)
    パシフィコ横浜
    招待講演 1件
    CEDEC2014から1セッションの提供を受けて,当研究会から招待された2名の若手研究者の講演を実施した.聴講者は約80名で,形状モデリングに関する先端的理論や応用に関する講演の終了後も,活発な質疑応答や議論が交わされた.CEDEC2014参加者アンケートでも,本イベントが高く評価された.来年度以降も,類似のイベントを実施したい.
3.総括

 シンポジウムを除く研究発表会での当研究会申込発表は43件で,昨年度の44件よりわずかに減少した.優秀研究発表賞(GCAD賞)として,シンポジウム発表も含めた年間110件から合計14件を選出した.
 新しい試みとして,修士1年生を対象に早い時期からCG研究者と議論する機会を与えることを目的に,第155回では卒業研究ポスター発表会を企画した.好評であり,次年度も行うこととした.

4.その他

 個別の施策を行っているにも関わらず発表申込件数が減少傾向である.研究者にとって魅力的な研究会とするために,運営方法も含めた改革の検討が必要である.2015年度は運営員会内外の若手中心で「次世代刷新ワーキンググループ」を設け,当研究会の長期的な方向性を議論する.

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◆情報システムと社会環境(IS)研究会

[主査:刀川 眞,幹事:柿崎淑郎,高橋尚子,深田秀実]

1.定例の研究会活動報告

 情報システムの分析・設計・開発・運用・人材育成などに関し,多様な研究報告が行われ,た.第128回(6月6日,東海大学高輪キャンパス,6件),第129回(9月10・11日,愛媛大学,6件),第130回(12月8日,産業技術大学院大学,8件),第131回(3月6日,東京電機大学,8件)と4回の研究発表会を開催し,計28件の発表があった.
 また今年度後半より,研究発表会の中で有識者による時機に合ったテーマの招待講演を開催することにした.第130回は「セキュリティ要求工学ノススメ」(情報セキュリティ大学院大学 大久保 隆夫様),第131回は「新情報システム学序説 -人間中心の情報システムを目指して!-」(コスモロジック 芳賀正憲様)を実施した.

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 昨年度から,セキュリティ心理学とトラスト研究会(SPT),インターネットと運用技術研究会(IOT)と「災害コミュニケーションシンポジウム」を共同開催しており,12月26日には第4回を行った.年末の多忙な時期にもかかわらず大勢の参加者を得,災害時の情報処理バックサポートや情報支援,報道の在り方などについて,活発に議論が行われた.また,第77回全国大会においても,SPT,IOTとの共同でパネル討論「災害情報処理を考える」を3月18日に開催し,緊急事態のための情報システムのあり方に対して,様々な角度からの議論が行われた.

3.総括

 本年度も,情報システムにおける広い分野からの多くの種類の発表や議論が活発に行われた.当研究会が編集母体となる情報システム関連のジャーナル特集号の発刊は継続し,昨年度から始めた若手研究者を中心とする研究会(若手の会)において優れた発表に対する「若手の会奨励賞」も定着しつつある.今後は,1.で述べた研究発表会での招待講演も充実させていく.

4.その他

 昨年度に発案した情報システムに関する社会提言活動が,十分に機能してない.来年度以降,積極的に進めて行かねばならない.

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◆情報基礎とアクセス技術(IFAT)研究会

[主査:野本忠司,幹事: 荒牧英治,関 洋平,藤井 敦,吉岡真治]

1.定例の研究会活動報告
  • 第159回DBS・第115回IFAT合同研究発表会  (DBS研と共催)
    テーマ:ビッグデータを対象とした管理・情報検索・知識獲得および一般
    開催日:2014年8月1日(金),2日(土)
    会場:九州大学医学部百年講堂
  • 第116回 情報基礎とアクセス技術研究会(IFAT)
    第46回 ディジタル図書館ワークショップ(DLW)合同研究会 (DLWと共催)
    テーマ:オープンデータを活用した情報アクセス および一般
    開催日:平成26年11月11日(火)
    会場:筑波大学東京キャンパス文京校舎
  • 第117回 情報基礎とアクセス技術研究会(IFAT)
    (電子情報通信学会言語とコミュニケーション研究会と併設)
    テーマ:マイニングとインタラクション
    開催日:2015年2月6日(金)
    会場:ティーオージー会議室 大阪駅前第3ビル
  • 第118回 情報基礎とアクセス技術研究会(IFAT)
    第97回デジタルドキュメント研究会 (DD研と共催)
    テーマ:一般
    開催日:平成27年3月30日(月),31日(火)
    会場:東洋大学白山キャンパス
2.シンポジウム・国際会議等の報告

情報アクセスシンポジウム(IAS) 2014
開催日: 2014年12月15日(月)
会場: 国立情報学研究所 19F

☆招待講演:3件
 -Big Data, Knowledge Mining and the Road toward Real World Semantic Computing
  Chin-Yew Lin 氏 (Microsoft Research Asia)
 -テレビ番組とツイート
  小早川 健 氏(NHK放送技術研究所)
 -B2Cサービスの現場から考える機会学習活用
  福島 良典氏(グノシー CEO)
☆チュートリアル:1件
 -インタラクティブ情報検索入門
  上保秀夫氏 (筑波大学知的コミュニティーセンター)  
☆2014年度研究会賞受賞者は以下の通り.
 -2014年度IFATヤングリサーチャー優秀賞
  地域に偏りのあるトピックを用いたTwitterユーザの生活に関わる地域推定
  堂前友貴(筑波大学)
 -2014年度IFATヤングリサーチャー奨励賞
  A Method for Approximating Document Frequency in Top-k Document Retrieval
  鈴木釈規(東京工業大学)

3.総 括

 本研究会ではデジタル情報(特にインターネット)へのアクセス技術の向上に向けた,様々な分野からの研究成果を公表する場として活動しているが,近年,当研究会への投稿数の減少が目立ってきている.これは,インターネットの社会への急速な浸透を背景に,多くの研究会がインターネットというテーマのもとで互いに交錯し合うようになってきていることが一因と考えられる.当研究会では,研究会としての独自性を高めるため,本研究会主催の《情報アクセスシンポジウム》において,この2年間メディアと社会という観点から,文理を超えた講演会を企画した.これは多くの参加者から高い評価を得たが,期待ほど投稿数増に繋がっていないのが現状である.今のところ,一般の研究者,特に当研究会登録者のニーズがどこにあるのか,暗中模索と言ったところであるが,とりあえず,運営委員会を頻繁に開催し,研究会をより魅力的するためにはどうしたらよいか議論していく予定である.

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◆オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)研究会

[主査:亀山 渉,幹事: 石井大祐,加藤晴久,川村春美]

1.定例の研究会活動報告

 第85回~88回の研究発表会を開催した.

  • 第85回研究発表会
    日時:2014年8月1日
    会場:千葉工業大学 千葉工業大学津田沼キャンパス
    連催:電子情報通信学会 画像工学研究会(IEICE-IE)
    共催:映像情報メディア学会 メディア工学研究会(ITE-ME), コンシューマエレクトロニクス研究会(ITE-CE)
    テーマ:マルチメディア情報処理・配信・検索・インタフェースとその応用,  およびコンシューマエレクトロニクス,メディアエレクトロニクス,画像工学,一般
    発表件数:12件
  • 第86回研究発表会
    日時:2014年9月11日,12日
    会場:山形県鶴岡市 庄内産業振興センター
    連催:電子情報通信学会 スマートインフォメディア研究会(IEICE-SIS)
    テーマ:知的マルチメディアシステム、オーディオビジュアル、一般
    発表件数:18件
  • 第87回研究発表会
    日時:2014年12月4日,5日
    会場:大阪大学 中之島センター
    連催:電子情報通信学会 通信方式研究会(IEICE-CS),画像工学研究会(IEICE-IE)
    共催:映像情報メディア学会 放送技術研究会(ITE-BCT)
    テーマ:画像符号化,通信・ストリーム技術,一般
    発表件数:15件
  • 第88回研究発表会
    日時:2015年2月27日
    会場:沖縄県 男女共同参画センター「てぃるる」
    テーマ:マルチメディア処理・符号化・理解,通信・ストリーム技術,一般
    発表件数:6件
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 画像符号化シンポジウム,映像メディア処理シンポジウム(PCSJ/IMPS)
    日時:2014年11月12日~14日
    会場:静岡県伊豆市 ラフォーレ修善寺
    主催 電子情報通信学会画像工学研究専門委員会
    共催 映像情報メディア学会メディア工学研究委員会・画像電子学会
  • 2014  International Workshop on Smart Info-Media Systems in Asia(SISA)
    日時:2014年10月8日~10日
    会場:ベトナム・ホーチミン Hotel Majestic Saigon
    連催:電子情報通信学会スマートインフォメディアシステム研究会(SIS)
    当研究会の特別セッションを組み,積極的に国際会議との連携を図ることで,昨年に引き続き研究会の国際化へ向けた活動を推進した.また、SISA2014 AVM-SS学生賞として優秀な若手研究者を顕彰した.
    発表件数:6件(AVM Special Session での発表件数)
3.総括

 本年度は,映像音声に関する符号化,変換,編集,伝送,検索、認識等について定例研究会4件とシンポジウムおよび国際会議が開催された.萌芽的研究内容を取り扱う学生セッションを設けるなど、若手研究者の参加を促す施策を行った.今後も関連研究会と綿密に連携し、当該研究分野全体の活性化に取り組む予定である.

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◆グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会

[主査:市村 哲,幹事:市川裕介,岡本昌之,金井秀明,吉野 孝]

1.定例の研究会活動報告

 平成26年度は以下の通り,第92-94回の研究発表会を開催しました.

  • 第92回(平成26年5月15-16日 早稲田大学西 早稲田キャンパス):発表18件
         SPTと共催,電子情報通信学会LOIS研究会と連催.
  • 第93回(平成27年1月26-27日 壱岐文化ホール):発表50件
         CDS,DCCと共催.
  • 第94回(平成27年3月12-13日 駒澤大学 駒沢キャンパス):発表23件
         単独開催.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成26年度は以下の通り,国際会議1回,シンポジウム2回,ワークショップ1回を開催しました.

  • DICOMO2014シンポジウム(平成26年7月9-11日 新潟県月岡温泉 ホテル泉慶):
    発表273件,デモ14件,招待講演・特別講演9件
    平成9年より開催しているDICOMOシンポジウムは,DPS,MBL,CSEC,ITS,UBI,IOT,SPT,CDS,DCCと共催
     
  • 第7回コラボレーション技術に関する国際会議(CollabTech2014)(平成26年9月8-10日 チリ共和国サンティアゴ市 チリ大学):
    発表14件(フルペーパ10件、ショートペーパ4件)
    平成17年に第1回を開催し、今回で7回目となる。CRIWG2014と合同開催
     
  • グループウェアとネットワークサービスワークショップ2014 (平成26年11月27-28日 静岡県熱海市 ニューウェルシティ湯河原):
    発表22件(査読付き論文5件,一般16件,ポジション1件)
    平成16年に第1回を開催して以来,GN研究会ならではの発表の場を提供するべく開催しています.質の高い研究成果の報告を得ると同時に,研究の芽や方向性に関する報告など,ワークショップにふさわしい多様な研究報告が行われました.
     
  • インタラクション2015(平成27年3月5-7日 日本科学未来館・東京国際交流館):
    一般講演16件,インタラクティブ発表225件,特別講演1件
    平成9年より開催しているインタラクションシンポジウムは,HCI,UBI,EC,DCCと共催.
3.総括

 当研究会は,平成5年度の発足以来,グループウェア技術に関して,理論から応用,情報科学から社会科学,と幅広い学際的研究活動を活発に推進してきました.この間,Webなどのグループウェアの実用化が急速に進みました.この動向を踏まえて,平成13年度より,研究会名称をグループウェアとネットワークサービス研究会へと変更し,現在ではネットワークアプリケーション,インターネットサービス,コラボレーション支援などの広い研究分野をカバーしています.平成27年度からは,近年GN研での発表件数が増えている,クラウドソーシング,ゲーミフィケーションを正式に分野キーワードに加えました.
 例年,定例研究会を開催する以外にも,泊まり込みのワークショップ(GNワークショップ),隔年の国際会議(CollabTech),2回の研究会合同シンポジウム(インタラクション・DICOMO)を主催しています.平成26年度は,チリ大学(チリ共和国サンティアゴ市)にてCollabTech2014を開催.参加者数63名,論文集はSpringerのCCISシリーズから発行しました.
 平成24年度からは,研究の萌芽段階を支援する目的で論文・発表を通常の研究発表よりも短くしたサポートセッションを設けています.また毎年論文誌ジャーナル特集号を発行しており,平成26年度特集号においても多くの原著論文を採録しました.

4.その他

 研究会関連メンバへのサービスとしては,平成13年4月から毎月メーリングリストによるニュースレターの発行を継続しており,現在約300名がメーリングリストに登録されています.

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◆デジタルドキュメント(DD)研究会

[主査:中挾知延子,幹事:天笠俊之,菅沼 明,鈴木俊哉]

1.定例の研究会活動報告
  • 第94回研究会 「文字集合,フォントおよび一般」
    日時: 平成26年7月24日(木)・25日(金)
    場所: 東京工業大学 田町キャンパス キャンパスイノベーションセンター内 広島大学東京オフィス会議室
    招待講演: 三重大学福田和展教授「彝文字の規範化 - 雲南省規範彝文の事例」
    発表件数:15件(予稿提出なしのライトニングトークを含む)
    ※電子情報通信学会ライフインテリジェンスとオフィス情報システム研究会 (LOIS)との併催
  • 第95回研究会
    日時: 平成26年10月3日(金)
    場所: 凸版印刷(株) 印刷博物館 グーテンベルクルーム
    発表件数:1件+ポジションペーパー5件(下記のテーマ)
    テーマセッション: 「チーム活動を支援するドキュメントコミュニケーション」
    ※印刷博物館見学
  • 第96回研究会「チームコラボレーションによって開発されたデジタルドキュメントがもたらすユーザエクスペリエンス」
    日時: 平成26年11月21日(金)
    場所: セコム本社 セコムホール
    招待講演:ソシオメディア㈱ 篠原 稔和氏「UX戦略のためのコミュニケーションとリテラシー」
    発表件数:4件
  • 第97回研究会
    日時: 平成27年3月30日(月)
    場所: 東洋大学白山キャンパス
    発表件数:9件
    ※情報基礎とアクセス技術研究会(IFAT)との合同研究会
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成26年度は実施なし

3.総括 
 デジタル化されたドキュメントを取り巻く多様な課題について現在まで継続して研究活動を行っているが,今年度はとりわけ以下の点に着目するとともに,研究会登録者・参加者の増加を目指して活動を行った.
  1. ドキュメントコミュニケーション研究へ向けて
    平成27年度より研究会は名称を「ドキュメントコミュニケーション(DC)」研究会として,新たな一歩を踏み出していく.その準備として,「チーム活動を支援するドキュメントコミュニケーション」というテーマでポジションペーパーの発表を行い,通常の研究報告という形ではなく,参加者全員でディスカッションを試みた.また,テーマと関連する招待講演も企画した.オーディエンスの反応も上々で,テーマについて興味を持ったことや,デジタルドキュメントからドキュメントコミュニケーションへの変更も時代の流れにあった良い選択とのご意見もいただいた.
  2. 登録者・参加者増加に向けての試み
    開かれた研究会を心掛け,初めて参加していただいた方に次も参加・発表をしたい雰囲気作りに努力している.常に学生をはじめとするこれからの若い世代の方々にも発表を促し,3月の研究会では修論や卒論の成果を発表する場としてお声掛けをしている.
4.その他

 27年度は,研究会をチーム活動ととらえたプロジェクト活動拠点として確立することを目指し,外部資金の獲得も視野に入れる.しばしばコメントされるように,ドキュメントを扱う研究分野であるがゆえに,理論研究と実践のバランスが要求される.実践に偏りすぎるとアカデミックな要素が感じられないという批判も受けてしまうため,実践を行いつつ,ドキュメントによるコミュニケーションのモデル化や分析も行い研究会を盛り上げていく予定である.

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◆モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)研究会

[主査:渡邊 晃,幹事:荒川 豊,石原丈士,稲村 浩,窪田 歩,内藤克浩]

1.定例の研究会活動報告

 第71-74回の研究発表会を開催した.

  • 第71回研究発表会 5月15,16日,沖縄県 健康文化村 カルチャー リゾート フェストーネ
    ・共催:情報処理学会マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会
    ・連催:電子情報通信学会モバイルモバイルネットワークとアプリケーション(MoNA)研究会
  • 第72回研究発表会 8月27-29日,横浜市技能文化会館
    ・共催:情報処理学会 コンシューマ・デバイス&システム (CDS) 研究会
    ・スマートフォンアプリコンテスト,優秀論文,優秀発表,奨励発表の表彰式を実施
    ・8月27日(水)上郷・森の家(横浜市)にてWork in Progress(WiP)ワークショップを実施
  • 第73回研究発表会 11月14,15日,福岡大学
     ・共催: 高度交通システム研究会(ITS),デジタルコンテンツクリエーション研究会(DCC)
  • 第74回研究発表会 3月2,3日,芝浦工業大学(豊洲キャンパス)
    ・共催:ユビキタスコンピューティングシステム研究会(UBI)
    ・連催:電子情報通信学会モバイルネットワークとアプリケーション(MoNA)研究会
 本年度の定例研究会は計画通り4回実施した.発表件数(招待講演・共催分は含まない)は48件であり,活発な研究発表が行われている.また,昨年度に引き続き,Work in Progressテーマに関する発表と集中討議を行う泊り込みワークショップを開催し,好評であった.2014年度は優秀論文5件,優秀発表5件,奨励発表9件を選出し,研究発表の奨励と会員拡大に努めている.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム
    7月9~11日, 会場:新潟県 月岡温泉 ホテル泉慶
    共催:情報処理学会 マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会,グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会,コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会,高度交通システム(ITS)研究会,ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会,インターネットと運用技術(IOT)研究会,コンシューマ・デバイス&システム(CDS)研究会,情報セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会,デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会
  • 論文誌特集号集号の発行・企画
    ITS/MBL特集号:平成27年1月号
    ITS/MBL両研究会の共同企画による論文誌特集号は平成13(2001)年7月号以来15回目の発行となる.今回は,テクニカルノート2件を含めて16件の投稿があり最終的に5件を採録した.
  • 国際会議ICMU2015の開催
    1月20-22日,会場:函館
    第8回となるICMU(International Conference on Mobile Computing and Ubiquitous Networking)を開催した.Jian-nong Cao教授(Hong Kong Polytechnic University, Hong Kong)中島秀之学長(はこだて未来大学)による基調講演と,7セッション25件の発表と,22件のデモ/ポスター発表が行われ,活発な議論の場を提供した.
3.総括
 平成26年度は,MBL運営委員会の活動の元,4回の定例研究会の他,国際会議,シンポジウムを開催し,論文誌特集号の企画を滞りなく進めた.これにより,モバイルコンピューティング技術の発展に寄与するとともに,国内外の研究者相互の交流ならびに大学と産業界の連携のための意見交換の場を積極的に提供することができた.今後とも,これらの交流で得た研究者間の関係をベースに本研究会をさらに発展・充実させたい.

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◆コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会

[主査:西垣正勝,幹事:岡本 健,須賀祐治,千田浩司,鳥居 悟,山内利宏]                      

1.定例の研究会活動報告

 第65回~第68回の研究発表会を開催した.内容は,ネットワークセキュリティ,マルウェア対策,暗号,生体認証,セキュリティ評価,プライバシーなど多岐に渡っている.

  • 第61回 2014年5月22~23日(大分市,発表31件)
  • 第62回 同7月3~4日(函館市,発表51件)
  • 第63回 同12月5日(東京都葛飾区,発表9件)
  • 第64回 2015年3月5~6日(小金井市,発表55件)

 第61回は,インターネットと運用技術研究会(IOT)との合同開催かつ電子情報通信学会情報通信マネジメント研究会(ICM)との連立開催(連催)であった.
 第62回は,我が国の情報セキュリティ関連研究会の交流を目的として,情報セキュリティ心理学とトラスト研究会(SPT)との合同開催,電子情報通信学会情報セキュリティ研究会(ISEC),技術と社会・倫理研究会(SITE),情報通信システムセキュリティ研究会(ICSS),マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント研究会(EMM)との連催で開催した.
 第63回は,日本セキュリティ・マネジメント学会ITリスク学研究会およびデジタル・フォレンジック研究会との合同開催であった.
 第64回は,マルチメディア通信と分散処理研究会(DPS)との合同開催であった.

2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • コンピュータセキュリティシンポジウム2014(CSS2014)
    MWS(マルウェア対策人材育成ワークショップ)2014と共催の形で,2014年10月22~24日に札幌コンベンションセンターで開催された.参加者478人,論文投稿175件は,過去最大規模となった昨年を更に上回る数であった.特別講演2件とナイトセッションも好評であった.優秀論文賞,学生論文賞,コンセプト論文賞,最優秀デモンストレーション賞の授与を行った.
  • 9th International Workshop on Security(IWSEC2014)
    2014年8月27~29日に弘前大学で開催した.電子情報通信学会ISEC研究会との共催で,11カ国71名が参加し,13件のレギュラー論文,8件のショート論文(Springer LNCSシリーズで出版)が発表された(採択率23.6+14.5=38.2%).また,システムセキュリティ分野と暗号分野から1件ずつの招待講演を催すとともに,若手奨励目的のポスターセッションでは13件のポスターが発表された.さらに,国内の研究アクティビティを海外に発信するという目的の下,直近のCSSおよびSCIS(電子情報通信学会暗号と情報セキュリティシンポジウム)の受賞論文の一部(計13件)を著者ら自身が紹介する特別セッションを新設した.マルウェア分析国際競技会(IWSEC Cup)については,MWS2014と連携しての開催となった.

  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム
    2014年7月9~11日に新潟県新発田市で開催された.10の研究会が集い,幅広い分野をカバーしている.セキュリティと関連の深いセッションとしては,ネットワークセキュリティ,アクセス制御,プライバシー,フォレンジックなどが用意された.また,統一セッションでは「個人情報保護とバイオメトリクス」が企画された.分野の垣根を超えた研究者の交流が本シンポジウムの魅力の一つである.

  • 論文誌「新しいリスクに対応するコンピュータセキュリティ技術」特集
    近年の新しいリスクに対応し、攻撃に強い安全な社会基盤を構築するためのコンピュータセキュリティ技術および理論を強く意識しつつ、行動科学や社会科学的考察をも含めた広範囲のコンピュータセキュリティに関する研究論文を掲載することを目的として,2014年9月に発行した.取り下げを除く38件の投稿から21件の論文を採録した(採択率55%).本特集号より招待論文枠を新たに企画した.2件の招待論文の内の1件は,国際会議IWSECとの更なる連携強化をはかる目的で,IWSEC2013の招待講演者に執筆を依頼した.2015年9月発行の予定で次の特集号「社会に浸透していくコンピュータセキュリティ技術」を企画し,編集作業を進めている.

3.総括

 定例研究会は堅調であり,かつ,CSS2014は昨年に続いて過去最多の規模を達成するなど,国内会議については高いアクティビティを維持することができた一方で,国際会議であるIWSEC2014への投稿論文数の伸び悩み,および,論文誌特集号の論文採録数の微減という問題から脱出できていない.この対策の一環として,2014年度からIWSECの開催時期を変更し,国内シンポジウム論文(CSS)→国際会議論文(IWSEC)→ジャーナル論文(CSEC特集号)と誘う動線を整えたが,残念ながら2014年度の内にはその成果は得られていない.来年度も本研究会の活動を更に活性化させるための施策を継続していく.また,本研究会の活動に留まらず,我が国のコンピュータセキュリティ分野全体の発展への貢献に努めていく.

4.その他

 2015年度は,定例研究発表会4回に加え,8月26~28日に奈良県東大寺総合文化センターで第10回情報セキュリティ国際会議IWSEC2015,10月21~23日に長崎ブリックホールでコンピュータセキュリティシンポジウムCSS2015を開催予定である.昨今のパーソナルデータ,ビッグデータ,オープンデータにまつわる個人情報の爆発に鑑み,今年度内にはプライバシーワークショップPWSの新設も企画されている.今後共,会員及び関係者の方々には積極的な論文投稿と参加をお願いしたい.

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◆高度交通システムとスマートコミュニティ(ITS)研究会

[主査:齋藤正史,幹事:川股幸博,木谷友哉,清原良三,深澤紀子]

1.定例の研究会活動報告

 平成26年度は,第57~60回の研究発表会を開催した.
 全部で53件の発表があり,内容も,車両のセンシング技術や事故回避技術,ネットワーク技術,歩行者サービス,交通制御手法など基礎から応用に加えて,船舶や列車や駅でのサービスまでの多岐にわたる技術について幅広い発表,議論が行われた.スマートコミュニティ関連の研究開発として,エネルギーやエコに関連した発表も行われるようになった。
 9月は電気学会ITS研究会と共催,電子情報通信学会ITS研究会との連催,11月はMBL研究会との共催で開催した.

  • 第57回 6月20日(金)  グランフロント大阪 発表 3件、The Lab 見学会
  • 第58回 9月19日(金)  鳥取大学鳥取キャンパス 発表14件
     電気学会ITS研究会共催,電子情報通信学会ITS研究会連催
  • 第59回 11月20日(木)~21日(金) 福岡大学 発表28件(内,招待講演1件)
     情報処理学会MBL研究会と共催
  • 第60回 3月4日(水)大阪大学東京オフィス 発表8件
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム
    7月9日(水) - 11日(金) 新潟県月岡温泉 ホテル泉慶においてDPS研究会,GN研究会,MBL研究会,CSEC研究会,UBI研究会,IOT研究会,CDS研究会,SPT研究会,DCC研究会との共催で開催した.複数の研究会に関連する発表テーマが一堂に会した合宿形式で有意義なシンポジウムであった.
  • 論文誌ジャーナル特集号の企画・発行
    MBL/ITS特集号:平成27年1月号
    MBL研究会と共同で論文誌ジャーナル特集号を企画した.投稿件数は16件であり,6件を採録した.両研究会の研究分野における最新の研究成果を幅広く示す場を提供できた.
  • 高度交通システム(ITS)2015シンポジウム
    1/30(金),愛知県長久手氏のトヨタ博物館にて,「高度交通システム(ITS)2015シンポジウム -安全安心社会の実現に向けたITS-」のテーマで開催した.自動運転に向けた政府の方針,自動運転とつながる車への取り組み,各国の電動車の普及など幅広い分野について6件の招待講演が行われた.また,ITS研究会の2014年の研究報告のから優秀論文(4件)、奨励賞(2件)の表彰も行われた.
3.総括

 本年度も2回の研究発表会を連催あるいは共催とし,またDICOMO2014シンポジウムにも共催参加するなど,学会ならびに研究会間の交流に力を入れて取り組んだ.
 また,ITSシンポジウム2015を開催し,ITS関連の研究活動の拡大や潜在的な研究者の発掘にも積極的に取り組んだ.自動車メーカの施設で開催し,実務者との連携を深めることができたとともに,東京地区以外での開催により,普段研究会に参加しづらい関連研究者との交流を深めることができた.学生の研究者の増加を狙ったが,残念ながら参加は低調であった.

4.その他

 202010年度まで実施していたITS産業フォーラムの位置づけの見直しをはかり,ITS分野における行政施策や産業の早期展開に学会として少しでも貢献できるよう検討していきたいと考えている.

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◆ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会

[主査:角 康之,幹事:井上創造,大内一成,中澤 仁,藤波香織]

1.定例の研究会活動報告
 第42-45回の研究発表会を開催した.
  • 第42回研究発表会 2014年5月29日(木)~30日(金),富山国際会議場
    ※後援:富山市
    HASCチュートリアルを開催.
  • 第43回研究発表会 2014年7月28日(月)~29日(火),国立情報学研究所
    ※連催:電子情報通信学会 サービスコンピューティング研究会
    平成25年度 研究会優秀論文賞・学生奨励賞受賞者表彰式,UbiComp2015チャレンジを開催.
  • 第44回研究発表会 2014年10月14日(火)~15日(水),沖縄科学技術大学院大学
    ※共催:ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会
    招待講演(銅谷賢治教授,沖縄科学技術大学院大学神経計算ユニット),沖縄科学技術大学院大学ツアーを開催.
  • 第45回研究発表会 2015年3月2日(月)~3日(火),芝浦工業大学(豊洲キャンパス)
    ※合同:モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)研究会
    ※連催:電子情報通信学会 モバイルネットワークとアプリケーション研究専門委員会(MoNA),同知的環境とセンサネットワーク(ASN)研究会
    国際発表奨励者による国際会議発表・参加報告,Ubicompグランドチャレンジを開催.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム
    2014年7月9日(水)~11日(金) 新潟県月岡温泉 ホテル泉慶
    ※共催:マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会,グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会,モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)研究会,コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会,高度交通システム(ITS)研究会,インターネットと運用技術(IOT)研究会,セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会,コンシューマ・デバイス&システム (CDS)研究会,デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会

  • インタラクション2015
    2015年3月5日(木)~7日(土) 日本科学未来館
    *共催: ヒューマンコンピュータインタラクション研究会 (HCI),グループウェアとネットワークサービス研究会 (GN),エンタテインメントコンピューティング研究会 (EC),デジタルコンテンツクリエーション研究会 (DCC)
3.総括

 2014年度は4回の定例研究発表会を開催した.4回中3回の研究発表会を他研究会と合同で開催し,かつ2回を他学会と連催として,様々な視点からユビキタスコンピューティングシステムについて,活発な議論を行った.議論のテーマは,行動認識やセンサネットワークに関するものから,コミュニケーション支援,ヘルスケア,ライフログなど非常に幅広く,本分野がより広い分野に適用され始めていることを示唆するものであった.また,昨年度設けた国際発表奨励賞について,今年度も3名の学生に対して上記国際会議への参加をサポートした.

4.その他

 ユビキタスコンピューティングの研究は黎明期を過ぎ,いよいよ産業実用化が問われる時期となってきた.産業界との連携を積極的に図り,社会的意義の高い議論を研究会の中で行いたい.多くの会員の参加を期待する.

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◆インターネットと運用技術(IOT)研究会

[主査:山井成良,幹事:柏崎礼生,岸場清悟,坂下 秀,佐藤 聡,土井裕介,桝田秀夫,松本直人,村上登志男]

1.定例の研究会活動報告

 以下に示すように第25~28回の研究発表会を開催した.

  • 第25回 5月22日(木)~23日(金)
    場所:ホルトホール大分
    発表件数:一般7件,招待講演1件,特別講演1件(全体:一般26件,招待講演2件,特別講演2件,奨励講演1件)
    ※コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会と共催
    ※電子情報通信学会情報通信マネジメント(ICM)研究会と連催
  • 第26回 6月28日(土)
    場所:新潟大学
    発表件数:一般11件,招待講演1件
  • 第27回 10月9日(木)~10日(金)
    場所:岩手県立大学アイーナキャンパス
    発表件数:一般20件
    ※情報セキュリティ心理学とトラスト研究会(SPT)との合同研究会
  • 第28回 3月5日(木)~6日(金)
    場所:小名浜オーシャンホテル
    発表件数:一般21件(全体:一般44件,招待講演2件)
    ※電子情報通信学会インターネットアーキテクチャ(IA)および技術と社会・倫理(SITE)研究会と連催
 いずれの研究会においても,情報教育関連,インターネット運用技術,分散シ ステム運用技術,ネットワーク構築,セキュリティ,性能評価など,幅広いテーマで議論が行われた.第25回,第26回ではそれぞれ1件の招待講演が行わ れ,いずれも好評であった.また第25回には特別講演として国際ワークショップADMNETの舞台裏が紹介され,好評であった.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 第7回 インターネットと運用技術シンポジウム(IOTS2014)
    本シンポジウムは「ビッグデータ時代のインターネットの運用管理と多様なサービスを考える」をメインテーマとし,12月4日(木)~5日(金)に立命館大学びわこ・くさつキャンパス(滋賀県草津市)で開催した.講演数は招待講演2,パネル討論1,Work in Progress(査読無しの研究速報)8件および一般講演(査読あり)13件であった(計24件).また,企業展示として過去最多だったIOTS2014の28社(フライヤー展示2社を含む)を上回る31社(フライヤー展示1社を含む)からの協賛を頂き,非常に盛況であった.

  • 第13回情報科学技術フォーラム(FIT2014)
    本フォーラムは9月3日(水)~5日(金)に筑波大学筑波キャンパス(茨城県つくば市)で開催された.一般講演501件のうち,本研究会に関連したテーマで34件の発表が行われた.IOT研究会は一貫して査読付き論文の受け入れを行っており,FIT2014では3件の査読付き論文が発表された.

  • The 2nd IEEE International Workshop on Architecture, Design, Deployment and Management of Networks & Applications (ADMNET2014)
    本ワークショップはIEEE Computer Societyが主催し本会が後援する国際会議COMPSAC 2014の一部として7月21日(月)にベステルオース(スウェーデン)で開催され,9件の発表と2件の招待講演が行われた.

  • マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2014)
    本シンポジウムは7月9日(水)~11日(金)に新潟県月岡温泉ホテル泉慶(新潟県新発田市)で本研究会を含む10研究会の共催により開催された.本研究会に関連したテーマで5つのセッションが開催され21件の発表が行われた.

  • 第4回災害コミュニケーションシンポジウム
    本シンポジウムは, 12月26日(金)に京都大学宇治おうばくプラザ(京都府宇治市)において,セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会および情報システムと社会環境(IS)研究会と共催し,災害時の情報共有や課題などについて情報交換を行った.5件の招待講演と1件のパネルディスカッションがあった.なお,このシンポジウムの開催にあたっては,情報処理学会情報環境領域委員会情報環境プロジェクト(2014年度)の補助を受けた.

  • 論文誌ジャーナルIOT特集号
    「仮想化時代の情報セキュリティと運用技術」をテーマとした特集号では15編の投稿のうち,7編を採録した(採録率47%).既存の計算機・ネットワーク上だけでなく仮想計算機・仮想ネットワークの運用にも応用可能な研究や,それらの上で運用されるであろうシステムのセキュリティに関する研究などについて論じられた優れた論文を掲載できた.
3.総括
 IOT研究会では従来から優れた計算機・ネットワーク運用技術に関する研究を高く評価し,それらを国際的に発表することを推奨している.2014年度には計算機やネットワーク運用上のベストプラクティスに関する研究発表に対して授賞する藤村記念ベストプラクティス賞の創設を決定し,またIOT研究会元主査や幹事,運営委員が中心となってACM SIGUCCS東京支部を設立するなど,このような研究活動を更に促進する体制を整えることができた.2015年度にもこれらの方針を継続して活動したい.

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◆セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会

[主査:岩田 彰,幹事:寺寺田真敏,西垣正勝,松浦幹太,村山優子]

1.定例の研究会活動報告

 平成26 年度は,以下の通り第9-12回の研究発表会を開催した.

  • 第9回研究発表会 
    平成26(2014)年5月15 日(木)~16日(金) 早稲田大学西早稲田キャンパス (新宿区) 発表18件 (招待講演2件含む)
    GN研究会と共催,電子情報通信学会LOIS研究会と連催.
  • 第10回研究発表会 
    平成26(2014)年7月7日(木)~4日(金)  サン・リフレ函館 (函館市) 発表48件
    CSEC研究会と合同開催,電子情報通信学会情報セキュリティ研究専門委員会(ISEC),技術と社会・倫理研究専門委員会(SITE),情報通信システムセキュリティ研究専門委員会(ICSS),マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント研究専門委員会(EMM)と連催.
  • 第11回研究発表会 
    平成26(2014)年10月9日(木)~10日(金) 岩手県立大学アイーナキャンパス (盛岡市) 発表20件
    インターネットと運用技術研究会と合同開催.
  • 第12回研究発表会 
    平成26(2014)年11月21日 (金)  新潟大学 駅南キャンパス「ときめいと」 (新潟市)  発表18件(招待講演1件, ポスター発表4件を含む)
    電子化知的財産・社会基盤研究会(EIP)と合同開催.
 セキュリティ技術の人間的側面,トラスト,リスク,ポリシー,インシデント,災害に関する研究報告が多数発表された.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成26年度は,次のシンポジウムを共催,協賛した.

  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム
    平成26(2014)年7月9日(水)~11日(金)
    場所: 新潟県 月岡温泉 ホテル泉慶
    発表(一般講演):269件,この他,招待講演:8件,特別招待講演:1件,デモ:11件,企業展示:3件
  • コンピュータセキュリティシンポジウム 2014(CSS 2014)
    平成26(2014)年10月22日(水)~10月24日(金) 札幌コンベンションセンター(札幌市) 
    参加者数人 発表177件(内MWS 53件) デモ 8件 特別講演:2件
    CSEC研究会と共催,MWS(マルウェア対策人材育成ワークショップ)と合同開催.
  • SOUPS2014論文読破会
    平成26(2014)年10月31日(金) SECOM本社 セコムホール(渋谷区) 発表16件
    以前,シンポジウムとして開催していたSOUPSの論文読破会を,研究会として開催.
    参加人数23名
  • 第4回災害コミュニケーションシンポジウム
    平成26(2014)年12月26日(金)  :京都大学宇治おうばくプラザ (宇治市)
    発表5件(すべて招待講演) パネル1件  IOT研究会, IS研究会と共催
    参加者数は44名(講師5名を含む)であった.IOT研究会およびIS研究会と共催し,情報環境領域委員会共同プロジェクトとして実施した.平成27年度は,同時期に東京で開催予定である
 この他,3月に京都大学で開催された第77回情報処理学会全国大会では,IOT研究会およびIS研究会と共催で「災害情報処理を考える」パネルを開催した. http://www.ipsj.or.jp/event/taikai/77/77program/html/event/C-4.html

 さらに,情報処理学会論文誌特集号を以下の通り企画し,31件の投稿があった.現在編集作業を進めている.
   特集号名:「ヒューマンファクタを考慮したセキュリティとプライバシ」
   編集委員長:小松文子(情報処理推進機構)
   幹   事:金岡晃(東邦大学)、西岡大(岩手県立大学)
   特集号予定:2015年12月号
3.総括

 今年度は研究会として4年目にはいり,各研究発表会やシンポジウムなども定着化してきた.研究会は,4回開催した.
 米国で毎年開催されるSOUPS Symposium On Usable Privacy and Security (SOUPS2013)の発表論文を,1日で読破するための勉強会は,セキュリティやトラストとユーザビリティの分野の推進と,若い研究者や学生諸君に関連研究調査の練習も兼ねたイベントである.昨年は研究会として開催していたが,今回は,シンポジウムとして開催した.
 9月の研究会は,初めてIOT研究会と合同で開催した.11月には,これも初めて,IOT研究会と合同で開催した.それぞれ,活発な議論が行われた.
 12月に開催した災害コミュニケーションシンポジウムは,IOT研究会とIS研究会とともに共催し,本分野のさらなる展開を試みた.今回は災害報道の講演も行われた. 
 また,学会誌の研究会推薦博士論文速報について,本分野の以下の博士論文を推薦し,学会誌で紹介された.
  著者名:石垣 陽
  学位論文題目:ソーシャルメディアを利用した参加型モバイル環境監視の実現
          ~放射線測定を事例としたアクションリサーチ~

4.その他

 9月と11月に新たに他研究会との合同研究会を開催し, 本研究分野を紹介する良い機会となった.今後とも,技術の人間的な側面についての研究分野の普及に努めたい.

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◆コンシューマ・デバイス&システム(CDS)研究会

[主査:石川憲洋,幹事:神崎映光,高橋秀幸,峰野博史,望月理香]

1.定例の研究会活動報告

 第10-12回の研究発表会を開催した.

  • 第10回研究発表会 平成26年5月22日(木)~23日(金),北海道大学 発表15件
  • 第11回研究発表会 平成26年8月28日(木)~29日(金),横浜市技能文化会館 発表21件(特別講演1件)
    ※共催:モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)研究会
    第二回学生スマートフォンアプリコンテスト,優秀論文賞の表彰式を実施
  • 第12回研究発表会 平成27年1月26日(月)~27日(火),壱岐文化ホール 発表50件(特別講演1件)
    ※共催:グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会,デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
 本年度は,計画に従い研究発表会を3回開催した.様々な企業からコンシューマ・デバイスとシステムに関する幅広い分野の発表があり,活発な議論が行われ盛況であった.また,第二回学生スマートフォンアプリコンテストを開催し,書類審査を経て8チームの学生がコンテストに参加し,コンテストは盛況であった.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム7月9日(水)~11日(金),月岡温泉 ホテル泉慶
    ※共催:マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会,グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会,モバイルコンピュー ティングとユビキタス通信(MBL)研究会,コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会,高度交通システムとスマートコミュニティ(ITS)研究会,ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会,インターネットと運用技術(IOT)研究会,セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会,デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会
  • IEEE COMPSAC 2014: CDS 2014 (2nd IEEE International Workshop on Consumer Devices and Systems) held in conjunction with COMPSAC2014 (The 38th Annual International Computers, Software & Applications Conference),平成26年7月21日~25日 Vasteras, Sweden
  • IEEE GCCE2014 CNW: Systems & Applications for Consumer Networks, 平成26年10月7日~10日 幕張メッセ
  • 情報処理学会論文誌:コンシューマ・デバイス&システム Vol.4(2014) 8編,Vol.5(2015) 8編
 また,京都大学で開催された第77回全国大会(平成27年3月17日(火)~19日(木))では,「コンシューマサービス温故知新」と題して,4名のコンシューマ業界およびウェアラブルでバイスを代表する方々を招いて基調講演と今後のコンシューマサービス,コンシューマデバイスの展望について,パネルディスカッションを行った.
3.総括
 平成26年度は,平成25年度と比較して,様々な企業からの発表および参加があり,それに伴い,実践的なコンシューマ向けデバイス,新サービスを実現したシステムに関する発表が増加している.産業界にも本研究会が徐々に認知されるようになってきたといえる.また,情報処理学会論文誌 コンシューマ・デバイス&システム(CDSトランザクション)は,16編の論文を採択し掲載することができた.平成27年度は,引き続き,研究会およびシンポジウム・国際会議等を積極的に開催し,さらに活動を広げていきたい.
4.その他
 平成27年度は,CDSトランザクションの推薦方法に関する再検討,学生スマートフォンアプリコンテストの開催に加えて,学生奨励賞の設立を検討し,企業に加えて,学生の学会での研究活動活性化への取り組みにも注力したい.また,本研究会が産学交流,技術者の相互情報交換の場を提供し,学会会員数,学生会員数,研究会登録会員数の増加につながるような取り組みを行い,本研究会の更なる活性化を目指す.

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◆デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会

[主査:塚本昌彦,幹事:阿倍博信,小川剛史,高橋光輝,檜山巽,水野慎士]

1.定例の研究会活動報告

 第7-9回の研究発表会を開催した.

  • 第7回研究会 2014年5月14日~15日 情報セキュリティ大学院大学(EIP研究会と共催)  発表20件
  • 第8回研究会 2014年11月20日~21日 筑波大学(MUS研究会と共催) 発表13件
  • 第9回研究会 2015年1月23日~24日 長崎県壱岐文化ホール(GN,CDS研究会と共催) 発表50件
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム
    2014年7月9日~11日 月岡温泉ホテル泉慶
    DICOMO2014シンポジウムは,DPS研究会,GN研究会,MBL研究会,CSEC研究会,ITS研究会,UBI研究会,IOT研究会,CDS研究会,SPT研究会,DCC研究会の共催にて開催した.一般講演件数は281件,デモ発表11件と非常に大規模なものとなった.
  • DICOMO2014併設デジタルコンテンツ制作発表会 2014年7月9日 月岡温泉ホテル泉慶
    インタラクティブコンテンツ発表会(6件)を行い,活発な議論が行われた.
3.総括
 本研究会では,デジタルコンテンツの制作,流通,利活用を促進し,健全な社会利用を推進するために,デジタルコンテンツクリエータを支援するための制作技術,管理技術およびそれに関わる利用技術に関する研究を産学問わず広く対象とするとともに,コンテンツ自体のアート・エンターテインメント性の観点からの表現技術も含め,デジタルコンテンツに関する技術者の相互情報交換の場を提供することを目指し,積極的に活動した.2015年度は,2014年度に継続して研究会を開催するとともに,関連研究会との連携によるシンポジウムへの共催を予定している.

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メディア知能情報領域

◆自然言語処理(NL)研究会

[主査:乾健太郎,幹事:岡崎直観,小町 守,森 信介]

1.定例の研究会活動報告

 第216-220回の研究発表会を開催した.

  • 第216回 (2014年5月)@東京工業大学
  • 第212回 (2014年7月)@網走市オホーツク・文化交流センター
  • 第213回 (2014年9月)@首都大学東京
  • 第214回 (2014年12月)@東京工業大学
  • 第215回 (2015年1月)@九州大学
2.シンポジウム・国際会議等の報告
 2014年度は実施なし.
3.総括

 主査と幹事2名が交替し,新しい体制で運営した.研究会はこれまでと同様,年5回開催し,86件の発表を集めた.微増傾向にあった前年度から18件の増加で,拡大傾向が続いている.研究会の活性化を進めるための試みとして,4つの施策を行った.第1に,年度最初の5月の研究会から全ての発表を動画配信する体制を整えた.学会の動画コンテンツ配信の動きに合わせて他の研究会に先駆けて実施したもので,これまでのところほとんどの発表者が配信を許諾している.第2に,新しい表彰制度「自然言語処理研究会優秀研究賞」を設置した.運営委員からなる選考委員会で事前に選考し,研究会当日に表彰することにより,当分野の研究開発を幅広くタイムリーに奨励する.第3に,若手研究者による招待講演を常設化した.魅力的なプログラム作りと若手のプロモーションを同時に実現する有効な施策として期待している.最後に第4の施策として,こうした新しい試みを持続的に拡張していけるように運営体制の強化をはかった.2015年度は幹事を2名,運営委員を7名増員し,業務の効率化,分担の見直しを行う.

4.その他

 2015年度は研究会ウェブサイトの刷新,SNSの活用など,情報発信の体制を改善,強化するとともに,トップ国際会議に採択された発表等を積極的に招待するなど,さらにいくつかの新しい施策を実施し,研究コミュニティの発展に寄与する研究会運営をめざす.

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◆知能システム(ICS)研究会

[主査:栗原 聡,幹事:松原茂樹,市瀬龍太郎,藤田桂英,山下晃弘]

1.定例の研究会活動報告
  • 第176回研究会
    開催日時 2014年7月22日(火)、23日(水)
    開催場所 沖縄科学技術大学院大学(OIST)
    テーマ 社会と調和する知能システム
    情報技術をはじめとして知能システムは、社会において活用されることで社会の価値創造や問題解決の有効な手段となりうる。そして、運用してくなかで、要素技術の評価・更新、対象の拡大など現実社会との調和を模索することで、新しい社会のイノベーションへとつながる。そのような、社会との調和を目指した知能システムに関わる、技術・アイディア・システムに関わるテーマの研究を募集し,11件の発表となった.また,今回は鳥海 不二夫,山本 仁志,岡田 勇らによる「Analysis of Generalized Meta-Sanction Games」と題した招待講演も行われた.
  • 第177回研究会
    開催日時 2014年12月15日
    開催場所 株式会社ドワンゴ セミナールーム
    テーマ 持続可能な社会実現のための知能システム
    近年,社会における持続可能性(サステナビリティ)が注目されており,社会システムや環境問題,経済発展などに貢献する技術が必要とされています.人工知能の分野においても,人工知能技術と持続可能な社会実現をつなぐ研究が求められています.特に,スマートグリッドやスマートシティ,エコシステムなどの実現のために,知能システムに関する研究分野が築き上げてきた基礎原理、要素技術、システムが貢献できると考えられています.そこで,177回研究会では,持続可能な社会実現のための知能システム研究に焦点を当て,12件の発表と,ドワンゴ人工知能研究所所長の山川宏氏による招待講演も行われた.
  • 第178回研究会
    開催日時 2015年3月1日-4日
    開催場所 ルスツリゾート
    テーマ 社会システムと情報技術
    知能や社会・経済システムのモデル化・データマイニング・シミュレーション・ネットワーク分析,複雑系の解明と利用,環境・福祉・金融・デジタルコンテンツなどに関する社会システムの諸問題と情報技術など,人間生活や社会システムと情報技術に関連する基礎的研究から応用研究に関する分野横断的な発表を幅広く募集した.活発な議論を通して,現存の社会の仕組みに情報技術を適応させる方法ではなく,最新の情報技術をベースとした新しい社会のあり方について模索する場として研究会を開催した.全40件の発表が行われ,その内の16件がICSとしての発表であった.
  • 第179回研究会
    開催日時 2015年3月20日
    開催場所 名古屋工業大学
    テーマ ロボットの知能と感性
    ロボットの情報処理能力の更なる高度化に向け,知能システム技術と感性処理技術の融合に関わる取り組みが近年活発になっている.このような機運を受けて,「ロボットの知能と感性」をテーマに研究会を開催し,21という多くの発表となった.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2014年10月27日-29日に,ANA ホリデイ・イン リゾート 宮崎にて,JAWS2014(合同エージェントワークショップ&シンポジウム)を開催した.JAWSは,複数学会研究会が協同で開催する学会横断的なイベントである.エージェント研究に関する国内の主要研究会が集結した場でエージェントの研究・開発者が一同に集まり,討論や情報交換を行うことを目的として,毎年100件近い発表と,150名程度の参加者によるアクティブな活動が継続されており,当研究会もそのコア研究会として参画した.JAWS2015は金沢にて開催予定である.

3.総括

 近年の関連学会における類似する研究会の乱立により,単独開催において潤沢に論文発表件数を集めることが困難になりつつある反目,多様性の観点からはこの乱立の流れを止めるべきではない.

 そこで,参加者の観点,並びに,新しい研究テーマの芽を成長させるためにも,可能であれば他(同一学会や他学会)の類似・関連する複数の研究会と共催・連続開催することで,研究会への参加を容易なものとし,かつ成長を促す新しい研究会運営の流れを構築することが重要であると考える.

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◆コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)研究会

[主査:杉本晃宏,幹事:大石岳史,岡谷貴之,斎藤英雄,清水郁子,延原章平,橋本 学,槇原 靖,横矢直和]

1.定例の研究会活動報告

 第192-196回の定例の研究会を下記のように開催した.毎回100名前後の聴講者があり,熱心な討論が行われた.本年度は,以下のテーマ別オーガナイズドセッションを企画した.

  • 2014年5月:卒論・D論セッション,移動体とCV
  • 2014年9月:コンピュータビジョン・パターン認識・機械学習におけるデータ統合~センサフュージョンからクラウドソーシングまで~(PRMU/IBISMLと連催)
  • 2014年11月:製造業とCV/CG(GCADと共催)
  • 2015年1月:質感の計測・認識・提示(PRMU/MVE/SIG-MRと連催)
  • 2015年3月:災害とコンピュータビジョン
 各研究会では通常の研究発表に加えて,積極的にテーマに沿った講演者も招待し,年間を通して計16件の特別講演を企画し,好評を博した.また,「研究会はじっくり議論し,その後の研究の発展につなげる」というのが本来の姿であり,口頭発表を行った実績つくりのための場ではないという原点に立ち返り,議論を活発化する新たな試みとして,通常の口頭発表後にポスター形式の発表機会を設けることとした.2015年1月の研究会では,口頭発表者の任意の発表に加えてポスターのみの発表(原稿を4ページでも受け付け,より気軽に発表できるように配慮した)が他の連催研究会と合わせて16件あった.2015年3月の研究会でも任意の発表で4件のポスター発表があり,発表者の前向きな姿勢がうかがわれた.
 5月の192回研究会では,若手研究者の育成を目的に,前年度に学部を卒業した方を対象とした「卒論セッション」及び,前年度に博士の学位を取得した若手研究者を対象とした「D論セッション」を開催した.卒論セッションでは26件,D論セッションでは2件の発表があった.なお,卒論セッションにおいては,最優秀賞1件ならびに優秀賞2件の表彰を行い,若手研究者の奨励を積極的に行っている.
 また,運営委員が原稿を事前に読み,詳細で建設的なコメントを発表者にフィードバックするコメント制度も継続して積極的に実施した.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 第17回画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2014)を,7月28-31日の4日間,岡山コンベンションセンターにて電子情報通信学会PRMU研究会と共催し,576名の参加者を得た.オーラル発表の中からMIRU長尾賞(最優秀論文賞)1件,MIRU優秀論文賞2件,MIRU学生優秀論文賞1件,MIRUフロンティア賞1件を表彰した.また,インタラクティブセッション賞3件,デモセッション賞1件を表彰した.
 MIRUは2013年にグローバル化と若手育成を主軸として大きな改革を行った.査読付き発表に投稿されたものの中から優秀な研究は,英文論文誌であるIPSJ Transactions on Computer Vision and Applications(CVA)に採択され,国際発信される仕組みになっている.今回の開催でも12件がCVAに掲載された.また,難関国際会議で発表した研究者に招待講演の機会を与えて発表してもらうことで,講演者のプレゼンスを高めるとともに,聴衆にも世界標準を意識できる場を提供している.さらに,学会は,本来,活発な議論を行う場であるという理念のもと,招待講演も含めたすべての講演者は,ポスター発表を行い,可能な限り議論できる場を提供している.

3.総 括

 研究会発表に対するコメント制度,卒論・D論セッション,議論充実の場としてのポスター形式の発表の場,研究会推薦論文制度など,研究者育成の活動を重視してきた.また,研究会論文誌は,2009年2 月より英文オンライン出版による CVAを発行している(今年度は24件が採録された).

4.その他

 2015年度には第200回研究会という節目を迎えるため,200回記念企画を開催する予定である.

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◆コンピュータと教育(CE)研究会

[主査:西田知博,幹事:兼宗 進,隅谷孝洋,中鉢直宏,富永浩之,中山泰一,長瀧寛之]

1.定例の研究会活動報告

 第125回~129回の研究発表会を,順に公立はこだて未来大学,奈良女子大学,九州大学,大阪学院大学,筑波大学で開催し,発表総数は80件,招待講演2件であった.他研究会との共催はなかったが,前年と同水準の発表件数で,後述のシンポジウムも含め,安定した研究発表活動が行われていると言える.第126回研究発表会からは,新たに学生セッションを設け,その発表者の中から学生奨励賞を選出するなど,学生の積極的な参加を促してきた.その結果,学生セッションでの発表件数は,3件,6件,10件,11件と順調に増加し,第129回研究発表会では,2件の高校生による発表も行われた.学生セッションで行われた発表は,クオリティも高く,10件の学生奨励賞を授与した.また,昨年度から設けている研究論文セッションでは8件の発表があったが,このセッションにおいて,学生と初等中等教育の教員を対象に奨励賞の選出を行うこととなった.その結果,2件の高等学校教員に奨励賞を授与した.このような試みは,研究発表会の活性化につながっているので,今後も継続していきたい.

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成26年8月24日~26日に「情報教育シンポジウム SSS2014」をオリビアン小豆島(香川県小豆郡土庄町)で開催した.本シンポジウムは,情報教育,教育の情報化に関わる幅広い分野の教育者や研究者の参加を募り,初回のSSS99以来,熱気のこもった合宿型研究発表会となっている.86名の参加者があり,24件の質の高い研究発表が行われ,夜遅くまでの議論が続いた.今回は招待講演2件,ポスターセッション10件に加えて,「プログラミング教育」「情報科学教育」をテーマとした特別セッションを導入して会を盛り上げた.なお,今回も教育学習支援情報システム(CLE)研究会との共催となっている.

3.総括

 当研究会は,情報の本質を理解し,教育の実践をしっかりと視野に捉えながら情報教育の可能性を探ることにより,情報教育に関連する学界と教育界へ寄与することを目的としている.近年の活動により,初等中等教育から高等教育にわたる情報教育に関係する様々な立場の方々の間に,教育という側面から情報の本質に関わる議論ができる場としての認知度が高まっている.また,学生セッションの創設により,若い世代の研究者が発表しやすい環境が整備でき,新しい技術の利用など,柔軟で幅広い視野の研究発表が増えてきており,今後一層,研究会活動の充実が期待される.一方で,研究会発表論文の質の向上を目指し,CLE研の協力の下,論文誌「教育とコンピュータ」を平成27年1月に創刊した.初年度のため,掲載論文の数は多くないが,投稿件数は増加しており,今後,掲載論文が増えると期待される.研究発表会,論文誌の双方を通じて,質的・量的に充実した研究会活動を社会へアピールしていきたいと考えている.

4.その他

 若手研究者,初等中等教育の教員の参加を増やす試みは一定の成果を上げ,高校生の発表など,研究会活動に大きな刺激を与えている.第129回研究発表会では,東京都高等学校情報教育研究会からの協賛をいただき,初等中等教育関係者の聴講を無料としたが,このような試みを継続し,さらに研究会活動を活性化していきたいと考える.

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◆人文科学とコンピュータ(CH)研究会

[主査:阪田真己子,幹事:耒代誠仁,関野 樹,研谷紀夫,松村 敦]

1.定例の研究会活動報告

 第102-105回の研究発表会を開催した.

  • 第102回 5月31日 桜美林大学 発表件数:11件
    学生セッション(ポスター発表)を開催した.学生による3件の発表の中から,運営委員の選考による奨励賞を1名に授与した.また,奈良文化財研究所の協力により特集セッション「古代木簡研究と情報技術」が実施され,当研究所の研究発表3件とパネルディスカッションが行われた.
  • 第103回 8月2日 兵庫県立歴史博物館 発表件数:13件
    特集セッション「妖怪研究の最前線と情報技術」が実施され,7件の発表とパネルディスカッションが行われた.
  • 第104回 10月18日 関西大学千里山キャンパス 発表件数:10件
    特集セッション「音と音楽のアーカイブ」が実施され,8件の発表とパネルディスカッションが行われた.
  • 第105回 1月31日 大阪国際大学守口キャンパス 発表件数:11件
    特集セッション「若手研究者と考えるCH研究会の次の一歩」が実施され,若手研究者による5件の研究発表とパネルディスカッションが行われた.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 人文科学とコンピュータシンポジウム(じんもんこん2014)を国立情報学研究所との共催により開催した.

  日程:12月13日~14日
  場所:国立情報学研究所/一橋講堂
  主催:情報処理学会 人文科学とコンピュータ研究会 (SIG-CH)
  共催:国立情報学研究所
  実行委員長:北本 朝展(国立情報学研究所)
  プログラム委員長:山田 太造(東京大学史料編纂所)

 「オープン化するヒューマニティーズ ~ その可能性と課題を考える ~」を大会テーマとして掲げ,2014年12月13~14日の日程で「人文科学とコンピュータシンポジウム(じんもんこん2014)」を一橋講堂および国立情報学研究所にて開催した.また,12月14日には併催イベントとして,「つながる」データベースのためのLinked Data/メタデータ活用セミナーおよび人文科学データアイデアソン 「じんもんそん」〜文化芸術情報の活用を考える〜を開催した.参加者は120名,全体で25件の口頭発表と9件のポスター発表があった.ポスターセッションでは,審査員の投票によりポスター賞を選考した.14日の企画セッションでは,国立情報学研究所所長・情報処理学会会長の喜連川優教授による特別講演と,パネルディスカッション「オープン化に向かう研究基盤と人文情報学のゆくえ」を企画した.パネルディスカッションでは4人の方をお招きし,オープン化に伴う人文情報学の変化と人文学データの活用に関して,オープンデータ,OpenGLAM,データ出版,人文科学データベースの立場から議論を深めた.

3.総括

 2014年度は,4回の定例研究会と1回のシンポジウムを開催した.各研究会では,各幹事による持ち寄り企画として特集セッションを組み,各テーマに応じた公募および招待発表を行うと共に,パネルディスカッションを実施した.特集セッションでは,これまで当研究会とは交流のなかった研究者らも積極的に招待することで,CH研究会の異分野交流や領域開拓を期待した.また,研究発表を「ショート」「ロング」の選択制にし,研究シーズの提案や速報的な内容についても「ショート」発表として公表できる場を設けた結果,例年よりも発表件数が増加した.また,第105回研究会では,当研究会を担う若手研究者らによる特集企画「若手研究者と考えるCH研究会の次の一歩」を開催し,CH研究会の現状と課題について活発な議論を行った.

4.その他

 ここ数年,研究会を立ち上げた草創期のメンバーらが相次いで現役を退き,CH研究会は確実に世代交代の時期を迎えている.隣接領域学会・研究会との交流や差別化,あるいは協力体制について検討しながら,当研究会の今後の方向性と発展について議論が必要である.

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◆音楽情報科学(MUS)研究会

[主査:平賀瑠美,幹事:亀岡弘和,北原鉄朗,馬場哲明,平田圭二,吉井和佳]

1.定例の研究会活動報告
 第103~106回の4回を開催した.第103回は前年度より始まった“音学シンポジウム”を日本音響学会音声研究会との共催により実施し,著名な研究者の招待講演ならびに50件以上のポスター発表が行われる盛会となった.第104回は京都大学において,企画やデモセッションを含む恒例の夏シンポを行った.今回の企画は,以前何度か行った新博士による討論「新博士さんいらっしゃい!」で,音楽情報科学の研究分野で最近博士号を取得した8名の若手研究者と2名の司会者が事前に綿密な打ち合わせを行い,魅力的なセッションとなった.第104回は学生参加者が1/3を占めており,有益な企画となった.第105回はデジタルコンテンツクリエーション研究会,第106回はエンタテインメントコンピューティング研究会との共催で行った.第105回は共催企画や若手による招待講演を行った.第106回は永らく行うことができていなかった合宿形式の研究会で,若手から久しぶりに参加したシニアの研究者まで膝を交えて長時間ディスカッションができた.これらの研究発表会にはそれぞれ286,95,90,63名(共催研究会については総数) に参加していただき,音楽情報科学研究会を広く知ってもらうことができた.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2014年度は実施なし.

3.総括

 2012年度より実施したUstreamとニコニコ生中継を用いた動画中継の継続に加え,第104回からはチャットシステムを導入した.講演者の発表中に会場の内外を問わず質問やコメントを共有することができ,発表について深く知ることができるようになり好評であった.今後もライブ動画中継とチャットシステムを続ける予定である.
音学シンポジウムについては,2015年度以降も引き続き開催し,関連分野の振興にも貢献していく.2015年度は定番の夏シンポや,共催研究会を行い,新しい企画も検討していくことで,広がりのある研究会としていきたい.

4.その他
 通年では発表件数,参加人数とも大きな減少は見られず,学生や若い研究者の継続的な参加があり,今後も活発な研究会であることが見込まれる.ただ,秋季の発表会における発表申込み件数は,他の時期の発表会に比べて落ち込むという傾向が続いている.様々な要因が重なっていると考えられるが,発表件数,参加人数の維持に努めたい.

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◆音声言語情報処理(SLP)研究会

[主査:篠田浩一,幹事:佐藤庄衛,南條浩輝,李晃伸]

1.定例の研究会活動報告

 第101回~第105回の研究発表会を開催した.

  • 第101回 (5月 東京工業大学 大岡山キャンパス):
    SIG-NLと共催.言語処理に関連した発表が多かった.学生セッションを企画し,「学生奨励賞」を選定・授与した.
  • 第102回 (7月 花巻温泉 ホテル花巻):
    2泊3日の日程で,信学会SPと同時並列開催とした.「機械学習と音声研究の共通点、相違点」というテーマで,パネルディスカッションを行い,また国際会議動向のサーベイを行った.大変盛況であった.
  • 第103回 (10月 NHK技術研究所):
    音声技術の実用化に重点をおいた「音声言語情報処理技術デベロッパーズフォーラム」として,NECソリューションイノベータの寺西氏による「VoiceGraphy」の紹介,パナソニックシステムネットワークスの中村氏によるパナソニックでの製品化事例の紹介の2つの招待講演をはじめ,企業関係者による講演・報告を中心に実施した.
  • 第104回 (12月 東京工業大学 すずかけ台キャンパス):
    信学会SPと連立開催の「音声言語シンポジウム」を,人工知能学会SLUDの「対話システムシンポジウム」と併催の形で開催した.音声対話,音声合成,DeepLearningに関する3件の招待講演を行った.発表件数が合計で50件と盛況であった.
  • 第105回 (2月 三重県志摩市 合歓の郷ホテル&リゾート):
    1泊2日の日程で行った.国際会議動向のサーベイ,学生や若手研究者のキャリア開発について意見を交換する「若手座談会」を行った.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成26年度は実施なし.

3.総括

 今年度は,2月を除く各研究会でインターネット中継を行うとともに,講演の音声アーカイブ化を試行した.今後,より簡便な実施方法とアーカイブの活用方法を検討したい.また,12月の研究会において,人工知能学会の対話シンポジウムとの共催を初めて行なった.音声認識関連の発表が漸減傾向であり,分野全体をどう広げながら研究会をよりいっそう活性化していくかを検討する必要がある.

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◆電子化知的財産・社会基盤(EIP)研究会

[主査:金子 格,幹事: 板倉陽一郎,上椙英之,須川賢洋,原田要之助]

1.定例の研究会活動報告

 第64-67回の研究発表会を開催した.

  • 第64回:2014年5月14日(木)~15日(金) 情報セキュリティ大学院大学(横浜市)
    発表件数20件(内 EIP 9件 招待講演1件)
    電子情報通信学会 技術と社会・倫理研究会(SITE)と連催
  • 第65回:2014年9月18日(木)~19日(金) 東海大学 熊本キャンパス(熊本市)
    発表件数17件(内EIP 6件,招待講演1件)
    マルチメディア通信と分散処理研究会(DPS)と合同
  • 第66回:2014年11月21日(金) 新潟大学 駅南キャンパス(新潟市)
    発表件数14件(内招待講演1件)
    セキュリティ心理学とトラスト研究会(SPT)と合同
  • 第67回:2015年2月28日(土) 神戸学院大学ポートアイランドキャンパス(神戸市)
    発表件数9件(内招待講演1件)
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 FIT2014にてイベント「電子ポイント(仮想通貨や企業ポイント)について語る」を開催.現金(通貨)を使わずに支払いをしたり,ポイントを資産のように蓄えることが頻繁に行われるようになった.中にはビットコインのように管理主体のない電子バリュー(価値)も存在する.しかし,資金決済法の枠組みの内にある財布型の電子マネーと違い,これらの電子ポイントは法的な位置づけがあいまいであり,それ故,安定性に欠く.また,企業がポイント提供の見返りに収集しているパーソナルデータやビッグデータには,その利活用と保護の両面から多くの課題が累積している.各ポイント間の相互提携やネットバンキングとの連動が更に話を複雑にしている.しかしながら企業側からしてみればポイントの付与もまた重要な経営戦略の一環である.本パネルでは,これら電子ポイントに係わる問題を法律・技術・ビジネスなど様々な立場から議論を行った. 

3.総括

 知的財産保護,社会基盤を中心に,昨今重要性を増しているプライバシー,情報セキュリティを含め研究発表,招待講演を行っている.対外的にもこれらの専門家集団として社会に発信することができた.
 3Dプリンタによる銃製造などタイムリーな時事的題材について,EIPメンバーより会誌「情報処理」に記事を提供し,読者の好評を得た.
 須川 賢洋,3Dプリンタの社会的問題と法政策の一提言 http://ci.nii.ac.jp/naid/110009795408
 法改正により関心が高まったプライバシー法,マイナンバー法についても活発に専門家による研究報告が行われた.
 2013年にFacebook(http://www.facebook.com/eipjp)を開設したが,2014年度は Facebook非登録者が利用できる情報を拡大した.Webページとの連携も深めして,研究会登録者にタイムリーな情報を発信するよう努めた.
 運営委員会は,SKYPE参加,配布文書の電子化などの合理化を進めた.

4.その他

 Facebook利用者が増えつつあり,研究会報告の事前事後のディスカッションにも利用するなど,議論の活性化に役立てたい  

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◆ゲーム情報学(GI)研究会

[主査:伊藤毅志,幹事:大久保誠也,篠田正人,鶴岡慶雅,保木邦仁]

1.定例の研究会活動報告

 第32回研究会は2014年7月5日(土)に香川大学幸町キャンパスにて開催された.発表件数は4件と低調であったが,「人狼人工知能プロジェクトの概要と展望」という特別セッションを行って比較的多くの参加者を集めた.
 第33回の研究会は2015年3月5日(木)~6日(金)に東京大学駒場キャンパスにて開催された.発表件数は18件と多く集まったため,2日間の開催となった.発表内容も,将棋,囲碁という定番ゲームだけでなく,RPG,サッカー,ガイスター,ブリッジ,大貧民,StarCraft,パズル,人狼など,幅広いゲームを題材とした発表があり,多数の参加者を集める盛会となった.

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 本研究会主催の第19回ゲームプログラミングワークショップ(GPW2014)を2014年11月7日(金)-9日(日)の3日間の日程で箱根セミナーハウスにて開催した.国内外から,87名の参加者,34件の一般発表(口頭発表17件,ポスター発表17件)が集まり盛況であった.このワークショップは1994年からほぼ毎年開催されているゲームプログラミング全般に関する我が国最大規模の学術研究集会である.当該分野の研究者らが合宿形式で一同に会し,時間に拘束されずじっくり討論できる貴重な機会となっている.
 このワークショップでは一般発表以外に毎回招待講演が企画されている.今回はシリアスゲームで有名な藤本徹氏(東京大学)にご登壇いただいて,シリアスゲーム論についてご講演いただいた.また,台湾からShi-Jim Yen氏(國立東華大學)にご登壇いただいて,コンピュータシャンチーの最新状況についてご講演いただいた.どちらの講演も参加者にとって興味深い内容となっており,有意義な招待講演であった.また,ナイトセッションでは,GPW杯コンピュータ将棋大会,コンピュータ囲碁大会,フリースタイル将棋大会,デジタルカーリング大会などが開催され,夜遅くまでゲームを通して,時間の制約なく議論を深めることが出来た.
 泊まりがけで,多くの研究者・開発者がゆっくりと情報交換が出来るという点が魅力で,当該分野の発展を感じさせる貴重な場となっている.

3.総括

 本研究会は発足後16年が経過し,関係者の発表の機会を与えるものとして十分に定着してきた.発表の内容を見ると,将棋や囲碁などの伝統的なゲームに加え不完全情報ゲームである大貧民,麻雀などのゲームやカーリングやバレーボールのような不確定ゲームに関する発表も増えており,より複雑なゲームへと発展する傾向がみられる.また,単にアルゴリズム的に強くするという方向性だけでなく,ゲームの評価や面白さ,対戦してためになる技術に関する研究,人狼などに代表されるゲームとコミュニケーションの研究などへと広がりも見せている.これらの研究テーマは,これからの情報処理技術にとって重要な貢献を果たすものと考えられ,さらなる発展が期待される.

4.その他

 平成26年度から,若手の研究者のモティベーションの向上のために,若手奨励賞を新設した.まだ具体的な効果が実感できていないが,若手参加者や研究者にこの賞を活用していただくよう周知するとともに,会員や発表者の増加を図っていきたい.平成27年度も7月と3月に研究会,11月にゲームプログラミングワークショップの開催を予定している.人狼やカーリングといった新しいゲームを対象としたイベントも多く見られるようになり,今後も研究会としてこうした活動を支援するとともに,この分野の発展に寄与していきたい.

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◆エンタテインメントコンピューティング(EC)研究会

[主査:倉本 到,幹事:井村誠孝,坂本大介,馬場哲晃,鳴海拓志]

1.定例の研究会活動報告

 第32-35回の研究発表会を開催した.

  • 第32回: 2014年6月6日,7日,於 北海道大学 (発表 29件) 
    電子情報通信学会 マルチメディア・仮想環境基礎(MVE)研究会との連催で実施された.本研究会では企画セッション「アート&エンタテインメントと論文査読」が行われ,エンタテインメントコンピューティング分野の論文の在り方について議論がなされた.本研究会では,プロジェクションマッピング等のインタラクティブシステムや,ファブリケーション・作業支援,エンタテインメントシステムの評価に関する発表と議論がなされた.
  • 第33回: 2014年 8月22日,23日,於 くらま温泉(発表 7件)
    研究分野を概観するワークショップ的な意味を持ち,本研究会ではメタ研究会と位置づけている第33回研究会は,本研究会が扱う研究領域とは何か,研究領域の国内外での動向,またその未来ビジョンはどのようなものかを議論した.また,他学会の関連分野の取り組みの紹介や,研究の事例紹介もあり,有意義な議論を行うことができた.
  • 第34回: 2014年12月19日,20日,於 九州大学 (発表 11件)
    日本バーチャルリアリティ学会アート&エンタテインメント研究会の協賛により実施された.本研究会では,「DIY×電子工作×ファブラボの可能性」と題して,嘉穂無線株式会社代表取締役副社長兼営業本部長であり,ファブラボ太宰府責任者である柳瀬隆志氏による基調講演がおこなわれた.本研究会では,エンタテインメントに利用可能な新しいインタフェースの提案や,ゲーミフィケーション等に関する発表と議論がなされた.
  • 第35回: 2015年3月2日~3日,於 甲府富士屋ホテル(発表 28件)
    音楽情報科学研究会と合同で実施された.本研究会では,両研究会の合同企画として,「『魅せる』 の工学」と題した企画セッションが開催され,ショーやイベントにおいて一般聴衆に『魅せる』ことを目標としてインタラクティブシステムをデザイン/使用するにあたっての課題や解決手段に焦点をあてた議論がなされた.本研究会では,エンタテインメントシステムに関わる基礎技術から応用まで,幅広い議論がなされた.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
2.1 エンタテインメントコンピューティング 2014(主催)
2014年 9月12日~14日,於 明治大学
(口頭発表 41件(内ショート発表28件),デモ 54件(全件一般公開,内オーガナイズドデモ5件),オーガナイズドセッション1件)
本年は「遊ぶか,遊ばれるか.」をテーマとして,幅広くエンタテインメントシステムに関係する発表を募集した.本シンポジウムではユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社 簗瀨 洋平氏をゲームデザインに迎え,参加者みんなを巻き込んだ遊び「Organized Game」を初開催し,参加者は実際に実世界ゲームを楽しみながらエンタテインメントシステムの設計に対する理解を深めることができた.また,デモ発表においては全件デモを一般公開する,高校生以下の参加者は参加費を無料にするなど,社会に開かれた学会運営に挑戦した.

2.2 インタラクション2015 (共催)
2014年 3月 5日~ 3月7日,於 日本科学未来館,東京国際交流館
(発表16件,デモ225件)
インタラクション技術はECと密接な関係にある研究分野であり,本年度も共催という形式で協力することとなった.本シンポジウムにおいても,休日における一般公開の日程が確保されるなど,積極的な情報発信を目指したシンポジウム運営を行った.さらに,口頭発表をインターネット放送にて生中継することにより,積極的に社会へ発信する取り組みを行った.
3.総括

 ECは情報科学の多くの分野と関係が深い研究領域である.そこで,関連する諸研究会との連携を深めることで幅広くECとそれに関する研究発表の場を提供することを目指す一方で,メタ研究会に代表されるEC研究そのものの深化を図ることを,初年度来継続して実践してきている.
 本年度は特に,活動の活性化に向けて(1)シンポジウムへの積極的貢献= EC2014の主催・インタラクション2015への共催,(2)情報発信の活性化(ニューズレターの発行,およびtwitterやYouTubeを用いた情報発信)が実施・検討されてきた.また,(3)CEDEC2014との連携によるセッションの開催,(4)EC2014での高校生以下の参加者の参加費無料化などの施策により,学会外でのプレゼンスを向上させる施策をおこない,学会員,登録会員を増加させることを狙ってきた.これらの活動による分野の活性化に伴い,定期研究会の発表件数や登録会員が増加してきている.次年度はさらに講演発表のリアルタイム中継などを積極的に実施していくことにより,社会に開かれた研究会としての取り組みについても行っていく.

4.その他
4.1 今後の計画
来年度は研究会4回(うち1回はメタ研究会)の開催を計画している.加えて,エンタテインメントコンピューティング2015シンポジウムの主催団体として,本学会と協力して運営することを計画している.また,昨年度同様にインタラクション2016を共催する.
また,twitterやYouTubeなどのメディアを利用した積極的な情報配信についても推進していく予定である.

4.2 主査抱負
昨年度より,発表機会均等化のための発表会の開催時期変更に加え,多くの他学会・研究会との協賛により継続的に発表がなされるようになってきた.またECシンポジウムが盛況に開催された,CEDEC等の産業界との連携を行ったなど,今年度は本研究分野の広がりを感じさせる一年であった.来年度は特に国際化に関して,ICECやACEなどの本研究分野にかかる国際会議との協力関係を深めることに力点を置きつつ,研究会運営に不断の努力を積み重ねてゆきたいと考えている.

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◆バイオ情報学(BIO)研究会

[主査:関嶋政和,幹事:大羽成征,瀬々 潤 ,吉本潤一郎]

1.定例の研究会活動報告

 第38-41回の研究発表会を開催した.

  • 第38回研究会
    第38回研究会は沖縄科学技術大学院大学において,数理モデル化と問題解決(MPS)研究会との共催及び,電子情報通信学会ニューロコンピューティング(NC)研究会,情報論的学習理論と機械学習(IBISML)研究会との連催として開催され,43件の発表があり,大変盛況であった.
  • 第39回研究会
    第39回研究会は,大阪大学において行われ,8件の発表があった.
  • 第40回研究会
    第40回研究会は,産業技術総合研究所臨海副都心センターにおいてBiWO (Bioinformatics Week in Odaiba)2014と連催され,5件の発表があった.
  • 第41回研究会
    第41回研究会は北海道大学において開催され,14件の講演があった.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 日本バイオインフォマティクス学会の主催するバイオインフォマティクス技術者認定試験およびHPCS2015,への協賛を行った.

3.総括

 平成26年度は,沖縄,大阪,東京,北海道で研究会を開催し,毎回開催地に近い研究機関の担当運営委員によって良好な運営が行われている.発表件数も,17年度38件,18年度51件,19年度45件,20年度47件,21年度43件,22年度43件,23年度84件,24年度69件,25年度43件,26年度70件と比較的安定しており,他研究会や他学会との共催も積極的に行っている.また,また,英文トランザクションIPSJ Transactions on Bioinformatics(TBIO)も引き続き活動している.研究会独自に設けているSIGBIO論文賞とSIGBIO学生奨励賞も,今後も引き続き授与していく予定である.

4.その他

 平成27年度は,年4回の開催を計画している.第42回は電子情報通信学会ニューロコンピューティング(NC)研究会,情報論的学習理論と機械学習研究会(IBISML),MPS研究会と共催で沖縄科学技術大学院大学で6月25日・26日・27日に開催する予定である.第43回は9月12日に慶應義塾大学での開催を計画している.第44回,第45回に関しては,京都大学および金沢大学での開催を予定あるいは検討している.また,これらの研究会開催に加え,今後の登録者数増などを図るため,シンポジウム開催についても今後検討していく.さらに,研究会とTBIOの査読を連動させる試みを行うことでTBIOへ投稿数とSIGBIO参加者数共に増加を目指していく.

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◆教育学習支援情報システム(CLE)研究会

[主査:梶田将司,幹事:林 雄介,椋木雅之,安武公一,山川 修]

1.定例の研究会活動報告

 2014年度は,第13~15回の研究発表会を開催した.

  • 第13回は5月16・17日に京都大学吉田キャンパスで開催し,京都大学情報環境機構長でありCLE研究会の前身であるCMS研究グループ主査でもあった美濃導彦教授(京都大学学術情報メディアセンター)による特別講演「大学教育ビッグデータとその可能性」を含む,「教育ビッグデータ」等に関する12件の発表があった.
  • 第14回は,10月24・25日の2日間にわたり東北大学川内(南)キャンパスにおいて電子情報通信学会サービスコンピューティング研究会との連催により開催し,募集テーマ「サービス・クラウドの教育応用」に関連する発表を含め,10件の発表があった.
  • 第15回は,1月31日に東京学芸大学小金井キャンパスで開催し,募集テーマ「学習記録/教育ビッグデータの蓄積とその活用」に関連する発表を含め,6件の発表があった.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 8月24~26日にリゾートホテル オリビアン小豆島(香川県小豆島土庄町)で,情報教育シンポジウム(Summer Symposium in Shizukuishi 2014(SSS2013))をコンピュータと教育研究会と共同で開催した.本シンポジウムでは,例年通り,初等中等教育から大学における情報教育,各種教育学習支援情報システムに関連する様々な研究や実践報告が行われた.本研究会との共同開催も5年目になり,本研究会関係者の参加・発表も定着しつつある.

 また,3月18日には,京都大学で開催された第77回情報処理学会においてイベント企画「国際通用性のある主体的学習者を育むためのラーニングアナリティクス」を開催した.本企画では,ラーニングアナリティクスに関する国際会議 LAK2015 が開催される米国ニューヨーク州の Marist College と京都大学を遠隔会議システムにより接続し,基調講演として Marist College におけるラーニングアナリティクスの取り組みを発表頂くとともに,パネル討論を行うことによりラーニングアナリティクスに関する国内外の最新動向を発信した.

3.総括

 本研究会では,教育学習活動を支援する情報システムに関する研究開発及び実践報告に関する発表が行われれてきたが,ラーニングアナリティクス,教育ビッグデータ等,社会的にも高い関心を呼んでいる潮流の発表も増え始めており,国際的な広がりにも歩調を合わせながら研究分野や研究手法の拡大がはじまっている.若い研究者の参画も増えてきており,来年度以降,この傾向にさらに拍車がかかりそうな勢いである.

4.その他

 2015年度は,5月22・23日に熊本大学,12月に福井市(「コンピュータと教育」研究会(CE)との共催,電子情報通信学会「技術と社会・倫理」研究会(SITE)・「教育工学研究会(ET)」との連催),2月に日本女子大学での開催を予定している.また,8月17~19日に(鳥取県境港市)で情報教育シンポジウム(SSS2014)および FIT2015 でのイベント企画を予定している.

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◇ネットワーク生態学(NE)研究グループ

[主査:林 幸雄,幹事:鳥海不二夫,田中 敦,友知政樹]

1.定例の研究会活動報告
会合名:第11回ネットワーク生態学シンポジウム合宿
日時:2014年9月4-5日
場所:神奈川県逗子 湘南国際村センター
http://www.neteco.jp/symposium/201409/

 参加者は,招待講演者2名,一般23名と学生18名の計41名(一般と学生を合わせた新規参加者は一般4+学生12=16名)であった.人数減少にはFITなど同時期に幾つか重なった事が影響した.また10周年記念として参加者に還元した為,約14万円の赤字となったが未だ累積繰越金は残っている.

下記の特別セッションに加えて,ポスター発表27件が行われた.

特別企画
・「ネットワーク生態学シンポジウムの十年を振り返って」

レクチャー講演
・時田恵一郎 氏(名古屋大学大学院情報科学研究科)
  「ネットワーク科学と多様性の科学の交わり -サンプリング,中立理論,相互作用,個体数分布などの観点から-」
・林 幸雄 氏(北陸先端科学技術大学院大学)
 「空間上の次世代ネットワーク設計法 -自己組織化の四本柱を中心に-」
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 上記の報告通り.

3.総括

 前回から一般講演をなくしてポスター発表のみとした.発表件数的には同程度で維持しながら,新規参加者数も半数近くで新陳代謝も良い.財政的にも特に問題はなく,引き続き合宿形式の会合を開催していく.次回は,2015年8月3-4日に第12回ネットワーク生態学シンポジウムを伊東市にて開催予定である.
http://www.neteco.jp/symposium/201508/index.html

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◇会員の力を社会につなげる(SSR)研究グループ

[主査:筧 捷彦,幹事:寺田真敏,平田圭二]

1.定例の研究会活動報告
 2011年12月27日に公開された『情報処理学会教育ビジョン 2011』に記載されている,「教育に携わる諸部門とのさまざまな形での協働の推進に努めます」を実践する場として,2012年度より研究会グループとして活動を開始した.
 2014年度は,次の2つの会合を主催した.
  • 会合名:第3回 東大での『一般情報教育』を体験しよう
    日時:2014年08月04日(月)~06日(水)
    場所:東京大学駒場キャンパス情報教育棟
  • 会合名:第3回 情報科教員を目指す学生さんに向けてのガイダンス会
    日時:2014年10月05日(日)
    場所:千葉県立柏の葉高等学校
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2014年5月17日(土),大阪工業大学うめきたナレッジセンターにおいて開催された,高校教科「情報」シンポジウム2014春,10月25日(土),早稲田大学西早稲田キャンパスにおいて開催された,高校教科「情報」シンポジウム2014秋に,共催組織として参画した.

3.総括

 2013年11月25日の意見交換会で「情報科の教員対象を対象とした教員免許更新講習を検討して欲しい」という声は,2014年の夏に,“東大での『一般情報教育』を体験しよう“とコラボレーションの形で実現された.「教育に携わる諸部門とのさまざまな形での協働の推進に努めます」という活動が「継続は力なり」によって,少しずつではあるが,形となって動き始めつつある.
 2014年の意見交換会では,産業界から「Wi-Fi(無線LAN)の安全な利用について(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/wi-fi.html)」の普及啓発への協力依頼があり,協働の実現に向けその可能性の検討を開始した.今後も,課題をひとつずつ解決していくことで,「教育に携わる諸部門とのさまざまな形での協働の推進に努めます」を継続して実践していく予定である.

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