2.2 研究会


●第4回本委員会における意見(学会の将来ビジョン検討委員会(委員長:野口会長)への提言案に対する意見、および関連する主な意見)

  1. 分野別論文誌(トランザクション)発行への補足提案 シンポジウム(査読付き)を権威付けし、トランザクションとの連携を密に して、研究会活動の活性化を図る。
    1. 研究会の開催形態の簡素化・自由化、ワークショップ開催の促進
    2. 提言を弾力運用し、シンポジウム予稿集を、トランザクションのspecial issueとして発行させる。
      1. シンポジウムの権威付けと予稿集の広域配布の要件を満たす
      2. 他分野に対し、きちんと査読した論文数が増える
      3. 査読の二度手間にならない
      4. シンポジウムのレベルアップにもつながる(投稿者にも魅力が増す) *但し、トランザクションとの相互自浄的なものなので、最初は多少の容認が必要。
      5. 基幹論文誌との同格をあまり意識せずに、論文数を増やすことを、まず考える。
      6. 研究会の自然選別も助ける
    3. トランザクション発行を当該分野の自由裁量に大きく委ね、国際化の推進も分野が主導権を持って対応できるような内容とする。
  2. シンポジウム開催の改革
    1. 研究会へのシンポジウム積極開催の呼びかけ(義務付け)
      1. 類似研究会や関連学会の自然な連携、統廃合の促進の効果が期待できる
    2. 産業界との連携が深められるような開催形態
      1. 現在のシンポジウムの多くは、研究発表会を多少格上げした程度のもの であるが、そうではなく、チュートリアルやワークショップ等の色々な企画を包括的に行い、産業界との連携を深められるような形態として いくことが必要。
      2. トランザクションの発行には産業界との接点はあまりないが、実際に人 が集まる場は、良い企画が多くなれば産業界の参加も増えてくる。
      3. 全国大会はこれを更に拡大し、学生の発表の場も取り入れた内容とすれ ば良い。
  3. 現行論文誌について
    1. 前2項掲載の図式のように、各研究領域からのトランザクションが発行されれば、現行論文誌の意味はあまりないように思われる。本委員会での合意との差は、第1ステップでは、現行論文誌を基幹論文誌として存続させることだが、トランザクションが発行されれば、いずれ現行の論文誌と自然と統合されていくものと考える。
    2. 論文誌アンケート集計結果で、現論文誌に対する評価に対する「有効」回答は6割とあるが、アンケート回答が対象1300名中の約160名の回答でしかなく、その160名中の6割(約100名)でしかない数字では、有効性の強調は難しいのではないか。
  4. 国際化への対応について
    1. 分野別論文誌の半数を英語とするような中途半端な国際化は有効ではない。大多数の購読者は日本人であり、その購読者が現実として、半分英語の論文誌を購読するとは考えられない。書き手にしても購読者が日本人では英語の論文は書かないだろう。
    2. 日本語の論文が英語になっているというのではなく、英語化するのであれば全く違う雑誌で、全て英語のものを作る方が良い。 関連学会が連合して出しても良いが、欧米の出版社から出させて、購読は、学会員ではなく一般(海外)を対象にできるような全く違ったdistribusion にする必要がある。(例:New Generation Computing)
    3. また、分野を特定しないと一般では投稿してこない。分野が狭められると情報処理学会ではなく、専門分野に特化された学会主導となるであろう。
    4. 研究会や全国大会のシンポジウム等の内容の国際化を、単発で図っても良いだろう。(例:ソフトウェア工学研究会のAPSEC) 但し、その場合も学会単独ではなく、IEEE等との提携がサーキュレーション等の面からも必要だろう。
  5. 他学会との連携について
    1. 研究会の統廃合にしても関連学会を無視して進めることはできない所に来ているのではないだろうか。
    2. 情報処理学会がトランザクション制を引いて分野にフォーカスを当てた体制となると、関連学会の統合の可能性も考えられてくるだろう。
    3. 若手研究者にとっては、オーバーヘッドが減り、自分達がやりたいことを実現するためにある組織が動いてくれることが重要なだけであり、学会が いくつ存在するかは問題ではない。

●第3回本委員会における意見(その1:研究会)

  1. 現在は大学メンバーが主体で研究会が組織されているが、例えば、現在の3領域の他に「実務領域」等を作り、産業界が主体となって実務に役立つ研究会を組織することは考えられないだろうか。 ソフトウェアの開発等、現場では多くの問題が出ているはずだが、それを企業の 壁を超えて話し合える場として研究会を組織できないだろうか。
  2. ソフトウェア工学研究会ではWGを組織する等、実務者・開発者との交流を図っている(オブジェクト指向WG活動や、ワークショップにおける2000年問題の事例報告等)。組織があまり固いと困るが、参加する側にとってもやはりある程度フォーマルな場であることが望ましい。
  3. 研究会一律の運営体制ではなく、個々の内容に即したフレキシブルな運営を行えるように対応させることが望ましい。例えば年1回のシンポジウム開催を企画すれば良いような研究会にはそれなりの予算を組む等。
  4. 似たような研究会の分派・乱立は、自由なフレキシブルな活動を行いたいという個々の願望が大きな要因であろう。この発生プロセスから考えても、研究会の運営にはより自由度を与えることが望ましい。
  5. 似たような研究会が乱立することは、会員の立場からすると、いくつもの研究会に登録しなくてはならず有効ではない。

●第3回本委員会における意見(その2:研究会と論文誌)

  1. 関連委員会でも多く意見の出ている通り、現行の論文誌には投稿数、査読期間、採録基準等の問題が多くある。更に現状では研究会と論文誌委員会との連携がうまく取れておらず、研究会のフラストレーションが解消されない。
    1. 実際に最近論文誌に投稿した人が、原稿の論文誌の査読プロセスは以前とは比べものにならないほど改善されていて、ちゃんと 6ヶ月以内で査読結果が戻って来たと言ってました。たまたまこの例だけ上手く運んだのかも知れませんが、上の議事録のように『問題がある』と指摘する時には、具体的な例やデータを一緒に示さないと、あまり説得力がないと感じました (当り前のことを書いていて恐縮です)。また、今は殆ど活用されていない小論文というカテゴリをうまく使えば、ここに挙げられている問題点の幾つかは解決できるのではないかとも言われました。
  2. 研究会による分野毎の論文誌発行は(現行の論文誌を廃止するか否かは別にして)、(1) 過去の議論から研究会側にはかなりな合意形成があること、(2) 論文の速報性、(3) 実務・応用分野等の産業界が望むような論文発行の可能性、(4) 国際的な雑誌発行の可能性等、多くの視点から、具体的な改革のアクションプランとして十分に有意義なものと考えられる。
  3. 財政的にも、現行の研究発表会では予稿集などは出さずに、WWW等を活用して、当日会場にコピーを持ち寄って発表・議論する等で対応し、その分を研究会トランザクション発行費に充当すれば、現行の登録費程度の費用で対応可能であろう。発表内容の保存は年にまとめてCD-ROM発行で良い。
  4. 分野毎のトランザクションならば、現在の領域をダイナミックに再編して、領域単位でいくつかのトランザクション発行を考えても良い。
  5. 領域単位でトランザクションを発行できるならば、「領域登録制」を設け、領域に登録すれば、当該領域のトランザクション全てが入手できるような仕組みを考えても良い。
  6. (現行の論文誌が廃止された場合)そこで浮いたコストで、分野を超えて有用と判断される論文を解説等を加えて読みやすくし、学会誌に掲載することも可能である。
  7. 現行の論文誌の分冊化という話になると、何年もかかってしまうであろうが、現行論文誌にとらわれない研究会のトランザクションであれば分野毎の発行は十分に可能であろう。
  8. 現行の論文誌との一体化は、現在の3権分立的な体制ではあまり期待できない。現行の論文誌編集委員会は発展的に解消し、研究会(領域)に権限を委譲し、研究会(領域)毎のトランザクションを発行する方向で前向きに検討するべき。

●第9回調査研究運営委員会における意見(研究会および論文誌)

  1. 稲垣委員長より(その1):大枠で合意された提言の中で、現行論文誌についての記載は、論文誌編集 委員会でも現在多くの検討が進められているはずであり、それらを十分理解した 上で、可能な限り研究会と連携を取りつつ、慎重に進めて欲しい。
  2. 稲垣委員長より(その2):大きな改革を行う折りに大切なことは、(a) 財務的基盤の確保、(b) 実務的な実行ベースの具体化であり、その検討を十分に行って欲しい。
    1. 例えば、領域登録制を取った場合、現在の登録数が確保できるかの検討。
    2. 例えば、現在の研究会が財政的に成り立っている仕組みを細部まで良く理解した 上で、現在の仕組みを動かしても、どの研究会も成り立っていけるかどうかの検討。
  3. 現行論文誌と、研究会(領域)トランザクションについての現在の議論は、研究会の当事者レベルの議論でしかないので、次は論文誌編集委員会としてどのような見識を持つのかの回答を得ることも重要ではないだろうか。
  4. 現行論文誌ではなく、研究会(領域)からトランザクションを出す必要性については、「今の論文誌の体制ではいけない」というあまり明確でない理由のみであり、あまり説得力がないように思われる。
    1. 例えば、領域から投稿される論文と、実際に採録されて論文誌にどういう論文がでるかという点を調べるてみても良いのではないか。
  5. フロンティア領域のような境界分野からの論文投稿がエンカレジされるだけでも、現行論文誌とは異なった性格を持つ研究会(領域)トランザクション発行の意味は十分にあるのではないか。
  6. 論文誌の年間頁数は、電気学会:約6300頁(100人当りの論文頁数:23頁/年)、通信学会全体:約16000頁(英文誌を含む)(45頁/年)に比して、情報処理学会は2400頁(8/頁)という現状である。こうしたデータからも論文誌の分冊化の議論が出されてくるのではないか。
  7. 現行論文誌とは違った性格の持てるトランザクションとして検討して欲しい。
  8. トランザクションは領域単位での発行よりも、研究会単位の発行で良いのではないか。
  9. ACMはのトランザクションは論文誌とは住み分けをし、いくつかのSIGが連合した発行である。領域毎の発行では、分野的に興味のある人だけが対象となってしまってうまくいかないのではないか。
  10. トランザクションの発行には永続性も必要であり、研究会では永続性は保てない。SIGの連合といってもそのグループができない研究会もあるだろう。
  11. 現在の領域分けにも問題はある。
  12. 情報処理学会には通信学会のようなソサエティ制は馴染まないのではないか。
  13. 領域登録制は、登録者にとっては視点がぼやけてしまうのではないか。

研究会をどのような場であると特性化するか?

  1. 共通のテーマ
    1. 研究会とは本来、あるテーマに興味を持った人が集まって議論・討論を行うためのものである。
    2. アンケート結果に、研究会に参加しない理由として「時間的余裕がない」という回答が多いが、それは言い訳でしかなく、自分に必要なものだと思えばどんなに忙しくとも最優先で参加するはずである。
    3. 一定のテーマに興味をもった人が集まって議論・討論を行うためのものである。
  2. アカデミアの技術の産へのトランスファーと、産の要求・問題のアカデミアへのフィードバックの促進
    1. 組織の硬直化をなくし、フレキシブルにする必要があり、アドホックな会議を柔軟に組織できるようにする。
    2. 産の参加を容易にする。メリットのあるものにする。開催時間の工夫、商品展示会/デモの併設など、
    3. 実務家は(言葉は悪いが)重箱の隅を突くような議論の多い現在の研究会に期待は持っていない。(これも言葉は悪いが)実務家からは、今の学会は、少数の人が訳の分らないことをやっているように見えてしまう。
    4. (分野によって多少の差はあるが)多くが大学関係者により組織されている現在の研究会が産業界のニーズにマッチするとは思われない。
    5. 研究発表の中にも良い内容はあるのだが、難しいという先入観があるために巾広く読んでもらえないのではないか。例えば、第三者がピックアップしたものを読む側を考えた形に書き直す等の工夫も必要ではないか。
  3. オープンな場
    1. 研究会が全会員のごくわずかの登録会員だけの情報交流の場になっているのは、サイレントマジョリティを増やす要因の一つになっている。領域として、全会員に情報発信できる場を増やすことが必要。
    2. 初心者から専門家までが参加できるようにする工夫が必要。
    3. 積極的に参加していない自分から見ると、閉鎖された世界に見える。
    4. 参加しやすい雰囲気であってほしい。
    5. あまり門戸を広げるとレベルが下がる危険もある。
    6. 自由に発表できるという点では研究会の発表の場とほぼ変わらない全国大会のあり方に懐疑的である。研究会を活性化しようとすると全国大会が手薄になるというジレンマがある。これだけ大きな学会で論文誌が一つというと、それだけでも権威がないように受け止められ、研究者が少ないのではないかという見方にもなってしまう。
    7. 現在、研究会は研究発表会の予稿集をオフィシャルなものとしているが、これは査読されたわけではなく、内容的におかしなものが入っても断ることができない。中には自分勝手な評価や単に存在証明のためだけの発表も多いが、これは社会的コストの無駄ではないか。
  4. 情報交換
    1. 普段なかなか見学できないようなところの見学ができるようにしてほしい。
    2. 一般会員どうしが情報交換できる場を設けてほしい。

情報処理学会の研究会全体の運営方針は?

  1. 現状のままでよい
    1. 研究会の種類が多く発表が多いのはよいことであると思う.これをいかに論文にまでもっていくかが重要なポイントとなる.従って,研究会の形態はこのままでよいと思う.多くの研究会が活発に運営されているのに,なぜ,これをフレキシブルにするなどというのか理解できない.
  2. 研究会の個数の制限、ダイナミックな新設・廃止
    1. 欧州の目から見ると、同じような研究会が10も20もあって、同じような活動をしている状況は異常としか思えない。
    2. 育てようと思えばそれほどたくさんの研究会を作れるわけがなく、各研究会のミッションを明確にすることは他学会に対しての権威付けにもなる。
    3. 領域制への移行に伴って、予算の範囲内で領域ごとの自由度を大きくし、ダイナミックに研究会の新設・廃止をできるようにするべきである。
    4. グループでの会議に研究会の統合・廃止などの権限をかなり委譲する。
  3. 研究会相互の連携
    1. 情報処理学会や電子情報通信学会が、本当に現在のような研究会を組織する必要があるのだろうか。もし必要があるならば、もう少しコーディネートしてその分野の研究者を満足させる方向を考えるべきではないか。現状はいくつも同じような研究会がパラレルに動いていて、フラストレーションが溜まるばかりである。
  4. 研究会の統合、グループ化
    1. 同じような研究会をつくるのではなく、例えば、大きなDPS(マルチメディア通信と分散処理)研究会が一つあって、大きなミッションを明確にさせればよい。
    2. 分野ごとのグループにする。
    3. シンポの提案や承認など、現在学会全体で行っていることのかなりの部分をグループが自律的に行うようにする。
    4. 組織だけふくれあがり、かえって非効率にならないように最大限の注意を払う。
    5. 現在の本学会の研究会のように年間計画に沿って行うという運営ではなく、もっとフレキシブルに、もっとインフォーマルに、プロシーディングなどは作らず、草の根的な活動で、やりたい人がやっていれば良いものである。一方で、こうした草の根的な研究会から洗練されて出てきたものについて、高度な内容から初心者が参加できる内容まで含めたシンポジウムを行う等の研究会の全面的な改革がされないと、社会的ニーズに応えられるような場として研究会が認識されるようにはならない。
    6. プログラミング研究会はいくつかの統合により、表面上は本学会の研究会の適正規模に合ったが、分野が広がりすぎた面がある。萌芽的な研究を議論して育てるというには大きすぎ、独立採算化してジャーナルを出すというには小さい感がある。研究者から見ると運営方法としては、ソフトウェア科学会の年1回のシンポジウムを開催するための研究会という方がやりやすい。
    7. 他学会のことだが、メンバー構成が幹部も含めて全く同じにも拘らず、全く名称を変えて複数の学会に所属する研究会もある。
    8. 研究会員の技術レベルの向上
      1. 技術の進歩の早さ、多様化、融合化への対応

研究会で取り上げる話題、企画は?

  1. ミッションの明確化
    1. 研究会のミッションを明確にする一方で、それに対応しきれないものは運営方法を他に考えればよい。
    2. 研究会は学術研究を主体とし、産業界と学会が共同する場としての集まりは、別の名称とするなど、研究会のミッションを明確にする。
    3. 例えば、著作権を扱うような実務的なものと、アカデミックなものを一律に「研究会」とよぶにはその位置づけが難しい。明確に名前を変えて位置づけを明確にする必要がある。
  2. 現場の声
    1. 学会には属さない所で産業界中心の実務的な研究会(通産省管轄等)が組織されるが、それをうまく取り込み、かつアカデミアがサポートしていくようなことは考えられないだろうか。
    2. 研究会リーダーの考え方、企画等によって研究会運営も変わるが、中には、コンピュータと教育研究会のように初等教育の現場の先生を取り込むような良い成果を得ている研究会もある。
  3. 時代のニーズ
    1. 時代のニーズに併せて、タイムリーな研究会の企画ができるような運営方法が望ましい。
    2. 例えば、今一番プロパイダーの中で関心のあるものはインターネットであるが、インターネットの世界で一番問題なことは、情報はたくさんあるがそれをまとまる所がないことである。こうした時代が要求する問題に学会が目を向け、例えば、研究会が(個々の研究会に閉じた活動ではなく横断的な観点から)すぐに対応できる体制が取れれば、社会的インパクトのある基礎的研究ができるのではないだろうか。
    3. 時代が要求する問題に目を向けて横断的な視点から対応できるようにして社会的インパクトのある基礎研究を育む
    4. 実務的な研究会などをうまく取り込んで、時代が要求する問題が何であるかを明確にする。

研究会の運営組織をどうするか?

  1. 責任をもった自主的運営
    1. やりたい人がやるべきである。
    2. 研究会の運営委員を少なくして、運営の責任感をもった人のグループに限定する。
  2. 固定化の排除
    1. 2年毎にグループは交代する。

個々の研究会の運営方法は?

  1. 研究会の多様性の容認と自由裁量権の強化(財政的な面を含む)
    1. 学会としてはあるガイドライン(予算枠など)だけを示して、後はうまくインフラを整備して研究会の自由に任せれば良い。自分たちが研究会を運営しているといういう意識がもっと強く必要。
    2. 研究会の性格によって運営方法も多様であってもよい。
    3. 研究会によって多様な運営を、現在以上の自由度(予算を含めて)をもって検討させる方がよい。
    4. ソフトウェア科学会の研究会はワークショップを開催するための組織。研究会に財政的な面などでもっと自主性をもたせる。
    5. ある程度のfundを学会として確保しておき、研究会が海外で会議をするときの補助をする。
  2. 柔軟な運営
    1. 時代のニーズにあわせたタイムリーな研究会企画ができるような運営方法。
    2. 発表会を年に数回開催することがルーティン化していること自体が不思議である。
    3. 年間計画に沿って運営するのではなく、フレクシブル、インフォーマルな運営をすべきである。

研究会論文・予稿集の刊行をどうするか?

  1. 査読付き論文の刊行をする
    1. オフィシャルなものとするならば、各SIGが各々の分野で権威付けできるような査読付きのパブリケーションをもつべき(例えば、ARC研究会のJSPP論文集)であり、その上での機関紙の問題を考えた方がよい。
    2. シンポのproceedingsを正式の出版物とする
    3. 国際会議の内容などでも研究会レベルで雑誌化できれば、将来的には国際的な雑誌の発行も可能になるのではないか。
    4. 今後の調査研究運営委員会と論文誌編集委員会との連携の検討結果にもよるが、現行の論文誌とは、違った価値観を持つ研究会のトランザクションという意味からも、その発行の検討を前向きに進めて欲しい(CS領域 増永委員長)
    5. 現状では、研究会と論文誌編集委員会との連携が取れていない。論文誌編集委員会の閉鎖性にも問題があるのではないだろうか。例えば、特集号には、その分野の研究会の中からも委員を出せるようなフレキシブルな対応が必要である。
    6. 現行の論文誌への研究会側の不満解消のためにも、うまく住分けをして研究会が分野毎にまとまり研究会のトランザクションを発行できる方向で検討を進めて欲しい。それが可能となれば諸活動の整合性も高まり、また、速報性も出てくるのではないだろうか。
    7. 研究会のトランザクションを出すにしてもきちんとした査読は必要だが現行の論文誌規程に捕らわれない点では、企業からの論文の積極的採用全国大会・研究発表会の座長推薦論文の掲載、推薦文の掲載等も可能となるだろう。
    8. 研究会トランザクションの発行には、論文誌編集委員会の反発も相当に考えられるが、研究会と論文誌編集委員会の実務メンバーは、結局同じだということを充分考慮して検討していかねばならない。
    9. 現行の論文誌へ投稿される論文には、確かに多少荒削りでも良い論文はたくさんあると思うのだが、実際に自分が論文誌編集委員の立場になると、マニュアル通りに穏便に過ごそうと思ってしまう。
    10. 査読結果への不満等の問題は、どのような形態のトランザクションを作ろうと、同じように生じてきてしまうことを忘れてはならない。
  2. 予稿集廃止または簡素化
    1. 研究会資料を簡素化し、他のところにお金をかける
    2. 権威あるシンポジウムを一方で行えれば、研究会は予稿集も登録制度も止めて、印刷物を作りたくなったら作って、他は電子的に対応するという、今以上に自由な運営ができるようにすることが望ましい。
    3. 通常の研究会では予稿集などは出さずに、WWWなどを活用して、当日会場にコピーを持ちよって発表・議論する程度のものでよい(論文はなくすが発表の場は提供する)。
    4. 学会が査読しないペーパーの発表はインフォーマルなものとし、学会としてはケアしない(研究者が自己解決すれば良い)という態度で臨んでくれるとありがたい。

研究会参加者へのサービスは?

  1. 領域ニュース
    1. 領域ニュースを会員に配布する。
  2. 会費
    1. 将来のことを考えると、研究会登録費にも学生の割引を設けてほしい。
  3. 研究会資料・論文
    1. 論文は事前にWWWに登録させることが必要である
    2. 研究会の内容や研究会資料をWWWなどを利用して広く一般に広報してほしい
    3. proceedingsなどを参加者のみならず、研究会員全員に無料配布してもよい。
    4. SIGから出された良いパブリケーションの円滑な販売流通を図る学会の出版部のようなものを検討してほしい。
    5. 一般向け出版に耐え得るものは、学会のサポートを得て出版できればよい。
    6. 電子化などには対応できない地方会員や、異分野を主な活動の場とする会員が存在する。そうした会員にあわせて電子化などの全体の進展を遅らせるのは得策ではない。そうした会員のケアはまた別の方法でカバーしていくべきである。
  4. 地方会員へのサービス
    1. 地方からでも直接出席できなくてもインターネットなどを通じて参加できるようにしてほしい。


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