「情報通信審議会情報通信技術分科会技術戦略委員会 中間報告書(案)」に対する意見

「情報通信審議会情報通信技術分科会技術戦略委員会 中間報告書(案)」に対する意見

2015年7月6日
一般社団法人 情報処理学会
会 長  富田 達夫

以下のとおり,2015年7月6日付で意見書を提出しましたのでご報告いたします.
(協力:コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会)


2015年7月6日
総務省情報通信国際戦略局技術政策課 御中
一般社団法人 情報処理学会
会 長  富田 達夫
 以下の通り意見を提出しますので宜しくご査収ください.

 本報告書が示す情報通信技術戦略の在り方は,ICT産業の国際競争力の確保につながるとともに,「イノベーション創出実現に向けた情報通信技術政策の在り方」とも深く関わり経済活性化と国民生活の向上が期待されるため,全体として賛同いたします.
 一方で,本報告書では主要な基盤技術は網羅されているものの,一部の研究開発推進に伴うリスクを低減しコントロールするための,付随的かつ必要不可欠な技術革新ならびに枠組み整備の観点が欠けていると考えます.
具体的には,2.4章(pp.17)に関連し,プライバシー保護技術に関する研究開発や国際協調を推進していくことも必要と考えます.
 IoT デバイスなどのセンサーネットワークから得られたビッグデータを活用して,新たな価値を創出していこうという試みは重要であり,強く賛同いたします.現状の国内外でのビッグデータの活用に向けた取り組みを鑑みると,国民や事業者が安心・安全にビッグデータ活用に取り組めるようにするためには,活用のための技術を開発するのみならず,データの有用性を可能な限り損なうことなく,データからのプライバシー漏洩を防ぐようなプライバシー保護技術の確立と展開が急務であると考えます.
 個人情報保護法の改正と関連し,各省庁でプライバシー保護に関する制度的議論や技術的議論が進められてきておりますが,それらの議論と連携しつつ,プライバシー保護技術に関する研究開発や国際協調を推進していくことを期待いたします.
以上