速水 治夫 君

フェロー

速水 治夫 君(正会員)

[対象業績]「ワークフローに関する研究開発・標準化・普及に対する貢献」

  1970年名古屋大学工学部卒業,1972年同大学院工学研究科修士課程修了.1993年工学博士.1972年電電公社(現NTT)入社.武蔵野および横須賀電気通信研究所,情報通信研究所にて,メインフレーム,データベースプロセッサ,グループウェア,ワークフローの研究開発に従事.1994 年~1998年電気通信大学大学院客員教授.1998年神奈川工科大学教授.データベース,グループウェア,Web関連の教育・研究に従事.本学会学会誌編集委員,論文誌編集委員,GN研究会運営委員歴任,創立40周年記念論文賞受賞.WfMC Manheim Award受賞.WfMC Fellow. 

[業績推薦理由]

 速水治夫君は,ワークフローの研究を行う中で,将来は単一組織のワークフローだけでは不充分で,ワークフロー管理システムの連携により複数組織間にまたがるワークフローの実現が重要になるといち早く予見した.そのための第一歩として,異種ワークフロー管理システム間接続プロトコルの開発および接続実験をワークフローベンダーに提唱して推進した.これらの実験の中で,ワークフロー連携の実現においては,連携企業といえども利害が絡むため業務プロセスの詳細を互いに公開できない制約があり,その中で相互矛盾のない業務プロセスを定義することが最大の課題であると認識した.それを解決するために業務プロセスを階層的に定義構築する方式を研究し,情報処理推進機構(IPA)の支援により実システムを開発し,商用のワークフロー管理システムと連動させ,その有効性を実証した.これらの成果をもとに,ワークフローの国際標準化団体であるWfMC(Workflow Management Coalition)において標準化に寄与した.この間,多くの原著論文,解説記事,著書の発表および招待講演・依頼講演により,この分野の技術発展と普及に多大の貢献をした.