菊野　　亨　君

[対象業績]　　「高信頼情報システムに関する理論的研究」

　1975年大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程修了．工学博士．同年広島大学工学部講師．1978年同助教授．1987年より大阪大学基礎工学部助教授．1990年同教授．2000年から2002年まで同評議員を併任．2002年より大阪大学大学院情報科学研究科情報システム工学専攻教授．この間，アルゴリズムの設計と解析，定量的ソフトウェア工学，ディペンダブルコンピューティングなどの研究に従事．2000年には本会40周年記念論文賞を受賞．本会監事（1999-2000年度），ソフトウェア工学研究会委員などを歴任．

[業績推薦理由]

菊野亨君は，オートマトン理論や数理論理学，グラフ理論などの手法を用いて，情報システムの高信頼化の実現に関する先駆的な理論的研究を行い，VLSIにおける再構成可能なアーキテクチャの提案，クォーラムに基づく相互排除機構の設計など故障耐性のあるシステムの設計開発手法を考案している．更に，実際のソフトウェア開発プロジェクトを対象に開発プロセスの改善手法の提案，適用を通じ て，ソフトウェア工学分野の発展に大きく貢献した．また，本会監事や代表会員，関連する国際会議の運営など，本会の運営にも多大な貢献を行っている．