松本 裕治 君

フェロー

松本 裕治 君(正会員)

[対象業績] 「自然言語処理システムの研究開発とその共有化に対する貢献」

  1979年京都大学大学院工学研究科修士課程修了.同年電子技術総合研究所入所.インペリアルカレッジ客員研究員,新世代コンピュータ技術開発機構研究員,京都大学助教授を経て,1993年奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科教授.京都大学工学博士.専門は自然言語処理.特に,機械学習に基づく言語処理,語彙意味論,語彙化文法など語彙知識を重視した言語処理に興味を持つ.高橋奨励賞,元岡賞,本学会論文賞,人工知能学会論文賞などを受賞.

[業績推薦理由]

 松本裕治君は,自然言語処理において,形態素/統語解析,語彙知識獲得,機械学習に基づく言語処理など一貫して基盤技術に関する研究を行ってきた.また,基礎研究にとどまらず,種々の言語解析システムを開発し,共有可能なツールとして公開してきた.特に,形態素解析システム「茶筌」は,多くの研究開発環境で利用されており,日本語形態素解析の定番といえる.同君の自然言語処理システムの研究開発と共有化に関する努力は,わが国における自然言語処理研究,ひいては多くの関連分野に貢献するところが大であり,本学会フェローにふさわしい.