宮地 充子 君
[対象業績] 「安全・安心なディジタル社会を支える楕円曲線暗号に関する先駆的研究」
大阪大学大学院理学研究科修士課程修了後,パナソニック株式会社を経て,1998年北陸先端科学技術大学院大学准教授,2007年同教授.2002-03 年カリフォルニア大学デービス校客員研究員.2015年大阪大学大学院 教授.2016年より独立行政法人 情報処理推進機構 監事.現在に至る.2000年よりISO/IEC JTC1/SC27でエディターも務める.国際標準化奨励者表彰 (産業技術環境局長表彰),ドコモ・モバイル・サイエンス賞,文部科学大臣表彰科学技術賞,電子情報通信学会マイルストーン認定証他受賞.博士(理学).
宮地充子君はディジタル社会の鍵となる情報セキュリティ分野の発展に大きく貢献した.特に,ブロックチェーンなどで利用される楕円曲線暗号では,標準的に利用される混合座標,IDベース暗号を初めて実現したMNT (Miyaji-Nakabayashi -Takano) 曲線など,数多くの成果を発表し.それを基礎とした新しい技術の誕生を可能にした.さらに,研究者としての枠組みに留まらず,国際標準化機構/国際電気標準会議ISO/IEC JTC1/SC27のエディターを務め,8件の国際規格を策定,日本の情報セキュリティ技術の国際的地位向上に務め,その業績は顕著である.