苗村　憲司　君

[対象業績]　　「データ通信アーキテクチャと知的財産権取扱いに関する貢献」

　1962年3月東京大学工学部電子工学科卒．同年4月日本電信電話公社（現NTT）入社．その後，通信処理研究部長，情報通信処理方式研究部長，技術情報センター所長等を歴任．1992年に慶應義塾大学教授．この間，1969年から2年間米国イリノイ大学において客員助教授として，高度並列処理計算機ILLIAC Ⅳの開発に参画．本会JIS原案作成委員・幹事，各種専門委員会主査，情報規格調査会委員，理事（会誌編集担当）等を歴任．

[業績推薦理由]

　苗村憲司君は，コンピュータネットワーク黎明期からその将来性とそれを支える通信プロトコルの重要性を主張され，ネットワーク構成の論理モデル化，階層化と仮想化等の具体的な解決法を示した．また，その成果をISO規格化担当委員会議長としてOSIの国際標準化に反映した．さらに，マルチメディア時代における知的財産権の重要性を指摘し，著作権法見直しに向けた具体的な提案を行った．このように，同君は今日のコンピュータ社会の礎を築くと共に，新たな社会法制度のあり方を具現化するなど我が国の学術産業界へ多大の貢献をされた．