2017年度業績賞

2017年度業績賞の表彰

◆音声対話型AI帳票を実現する現場作業支援ソリューション

 [推薦理由] 

IoTの普及に伴い, 生産/物流/工事などの現場でIT導入による効率化が進んでいるが, 人手の作業の間違い・効率低下・コスト増は, 各業種に共通の問題である. この問題に対して, 受賞者らは人手の作業の品質・生産性を持続的に向上する音声対話型AI帳票を実現する現場作業支援ソリューションを開発し, 製造/卸売/水産/農業などの現場200箇所以上で作業効率化を実現した. また, NECの工場で約2年間評価し, ①作業員の訓練期間を1/3に削減, ②ハンズフリー作業で品質を担保しつつ生産性約20%向上, ③作業改善サイクルを約40倍高速化する効果を実証しており, 業績賞に値する.
 

松倉 田淵 仁浩 君(正会員)

1987年早稲田大学理工学部電子通信学科卒業. 1993年同大大学院理工学研究科電気工学専攻博士後期過程修了. 1989-93年同大学情報科学研究教育センター助手. 1993年日本電気(株)C&C研究所入社. 現在, NECソリューションイノベータ(株)で認知科学や人工知能を用いた人間機能拡張の事業開発に従事. 博士(工学). 1988年情報処理学会第35回全国大会学術奨励賞, 1994年情報処理学会平成6年度山下記念研究賞, 人工知能学会2016年現場イノベーション賞など受賞. 電子情報通信学会会員. 
 
角田 坂口 基彦 君

NECソリューションイノベータ(株). 1997年東京農工大学大学院工学研究科修了. 同年NEC入社. MBA in Technology Management. UI/UX の研究開発, リーンスタートアップ, アジャイル開発の方法論を活用した先端技術の新事業創出に従事. 人工知能学会2016年現場イノベーション賞受賞.

 
矢野 服部 浩明 君

1983年北海道大学電子工学部卒業. 1985年北海道大学工学研究科修士過程修了. 同年NEC入社. 入社より音声認識・合成, 話者照合の研究開発に従事. 1989-91年ATR自動翻訳研究所出向. 2008年NEC情報システムズ出向, 2017年NECソリューションイノベータにて音声認識・合成技術を用いたソリューションの開発に従事. 工学博士. 日本音響学会会員. 電子情報通信学会会員.
 

高橋 奥村 明俊 君(正会員)

1986年京都大学大学院工学研究科修士課程修了. 同年日本電気(株)入社. 自然言語処理, 音声翻訳, コミュニケーションロボットの研究開発に従事. 1992-94年南カリフォルニア大学客員研究員としてDARPA機械翻訳PJ参加. 現在, NECソリューションイノベータ(株)執行役員, 工学博士. 2006年第1回AAMT長尾賞, 2007年第21回独創性を拓く先端技術大賞経済産業大臣賞, 情報処理学会2008年度喜安記念業績賞, 人工知能学会2010年・2015年・2016年現場イノベーション賞, 情報処理学会2017年度山下記念研究賞等受賞. 言語処理学会, 人工知能学会会員.
 
長谷川 古明地 秀治 君

NECソリューションイノベータ(株). 2007年東京農工大学工学部電気電子工学科卒. 同年東京大学情報理工学系研究科所属. テレイグジスタンスの研究に従事. 2009年修士(情報理工学). 同年NEC入社. 耐雑音音声認識の研究に従事. 2015年NEC情報システムズ出向, 2017年よりNECソリューションイノベータにて音声認識の研究, 開発に従事. 日本音響学会会員.

 

◆音声マイニング技術の研究開発と実用化

[推薦理由]

コンタクトセンタにおいて日々蓄積される通話音声を音声認識でテキスト化し, 分析により業務改善につなげる音声マイニング技術を確立し, 各種コンタクトセンタの実環境に展開した. 具体的には, 音声認識の認識精度を改善し, コンタクトセンタで交わされる人対人の長文かつ自然な話し言葉を分析可能にして分析効率を飛躍的に向上させた. またテキスト化に留まらず, 通話音声から顧客の怒り感情を含む通話を検出する手法を開発した. 音声マイニングに基づく業務改善の枠組みを製品化し, 上記の手法を含む機能を順次実現し, 実際のコンタクトセンタに展開することで世の中の要請に応えた. これにより技術の発展と産業分野への適用に貢献した.
 

大芝 浅見 太一 君(正会員)

2006年東京工業大学大学院情報理工学研究科修了. 同年日本電信電話(株)サイバースペース研究所入所. 音声認識, 音声対話の研究に従事. 2017年よりNTTドコモにてAIエージェントサービスの開発に従事. 2012年日本音響学会粟屋潔学術奨励賞, 2013年日本音響学会佐藤論文賞, 2015年電子情報通信学会音声研究会研究奨励賞受賞.
 

里田
野本 済央 君

2007年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了. 同年日本電信電話(株)サイバースペース研究所入所. 感情認識, 音声対話の研究に従事. 2012年NTTコミュニケーションズ. 2016年よりメディアインテリジェンス研究所にて言語処理の研究開発に従事.

 

中島 河村 誠司 君

1989年NTTソフトウェア(株)(現NTTテクノクロス(株))に入社. 入社以来, 自然言語処理アプリケーションの開発, 音声合成エンジンの開発等に従事. その後, コールセンター向けに音声認識・音声合成を活用した自動音声応答システム(IVRシステム)のSIビジネスを担当し, 2009年よりForeSight Voice Miningの前身である音声マイニングプラットフォームの開発に参画. 現在, ForeSight Voice Mining事業部で音声マイニングのビジネス化を推進中.

鈴木 荒井 和博 君

1992年大阪大学大学院基礎工学研究科修了. 同年日本電信電話(株)ヒューマンインタフェース研究所入所. 音声認識, 音声対話の研究に従事. 1996年AT&Tベル研究所. 1999年NTTコミュニケーションズ. 音声ポータルサービス開発. 2009年よりサイバースペース研究所(現メディアインテリジェンス研究所)にて音声マイニングプラットフォーム開発に従事. 2016年よりNTTテクノクロス(株)にてForeSight Voice Miningビジネス化に従事. 博士(工学).

三本杉 町田 健一 君(正会員)

1998年NTTソフトウェア(株)(現NTTテクノクロス(株))入社. 2009年から音声マイニングプラットフォーム開発に従事. 2014年よりForeSight Voice Miningとして製品化に従事.

 

 

◆テキストマイニング技術の実用化及びその多言語化と国際的な普及

[推薦理由]

従来は人が読んで解釈する必要があった大量のテキストデータを活用するためのテキストマイニング技術の開発に1997年から着手し, まずは日本語を対象としたテキストマイニングシステムを実現したのち, その技術を多言語に展開, さらに, 評判分析などの新しい技術を加えつつ, 製品化を進め, 世界的に普及させた. 自動車業界の製品品質向上など日本企業が国際的に評価されるような取り組みを可能にしているほか, 各業界のコールセンターにおける顧客対応の向上など, 様々な分野での国内外の企業の競争力向上に貢献している.
 
  
小松
那須川 哲哉 (正会員)

1989年日本アイ・ビー・エム(株)に入社し東京基礎研究所に配属. T.J.ワトソン研究所やコンサルティング部門などでの勤務を経験しつつ, 機械翻訳やテキストマイニング, 評判分析など一貫して自然言語処理の研究に従事. テキストマイニング技術の開発により2012年文部科学大臣表彰. 2010-11年に慶應義塾大学大学院理工学研究科特別研究教授を, 2012-16年に静岡大学情報学部客員教授を兼務. 博士(工学).

浜田 金山 博 君

2000年より, 日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所にて, 構文解析, 意味解析などの自然言語処理の基礎技術, および評判分析, 文書校正などへの応用に関する研究に従事している. 2011年に米国のクイズ番組で人間に勝利した Watson のプロジェクトに参画し, 情報抽出の部分を担当していた. 近年は電子情報通信学会のNLC研究専門委員長としてテキストマイニング・シンポジウムを企画し, 学術とビジネスを結びつける活動もしている. 博士(情報理工学). 

神野 吉田 一星 君(正会員)

2001年日本アイ・ビー・エム(株)入社後, 2004年から同社東京基礎研究所でテキストマイニングの研究に従事し, 同研究所が発明したテキストマイニングシステムTAKMIの大規模データ処理基盤の設計開発を担当した. データベース・情報検索・簡潔データ構造など処理の高速化やデータ圧縮に関する基礎技術, およびそれらのビジネスへの応用に長く携わってきた. 2017年から同社東京ソフトウエア&システム開発研究所でテキスト分析技術の製品化を担当し現在に至る.

能登谷 宅間 大介 君(正会員)

2003年より, 日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所にて, 索引, テキスト分析, 法律文書分析の研究に従事.
 

 
木村 米谷 雅樹 君

2000年日本アイ・ビー・エム(株)入社. 以来, 企業内情報検索, テキストマイニング製品等, 非構造化データ分析基盤となるソフトウェア製品の開発に従事.
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