2023年度マイクロソフト情報学研究賞

2023年度マイクロソフト情報学研究賞の表彰

 大上 雅史
 

大上 雅史 君(正会員)

「生体分子の計算設計技術に関する研究」

2014年3月 東京工業大学 大学院情報理工学研究科 博士後期課程終了,博士(工学).2011年4月 - 2014年3月 日本学術振興会特別研究員-DC1,2014年4月-2015年3月 日本学術振興会特別研究員-PD.2015年4月 - 2023年12月 東京工業大学 情報理工学院 助教.2024年1月より東京工業大学 情報理工学院 准教授,現在に至る.日本学術振興会育志賞(2014),船井情報科学振興財団 船井研究奨励賞(2018),科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞(2019),Oxford Journals – Japanese Society for Bioinformatics Prize(2020),情報処理学会 山下記念研究賞(2022),安藤博記念学術奨励賞(2022),CBI学会若手奨励賞(2023) 等受賞.

[推薦理由]
タンパク質等の生体分子に作用するバイオナノマテリアルの設計は,医薬品やバイオマーカー開発,未知の分子間相互作用に起因する疾病や薬剤副作用の解明など,多くの生命科学・医学・薬学上の課題に貢献する.大上雅史氏は,情報学の先端的応用としての生体関連分子の計算設計技術に関する研究を切り拓いてきた.大上氏がこれまでに開発した生体内標的となる分子間相互作用の予測技術や,それらの標的に直接作用するナノマテリアル/有機化合物の計算設計技術等を通じて,生体内で機能するバイオナノマテリアル予測のための技術体系の確立に大きく貢献した.

 平原 秀一
 

平原 秀一 君(正会員)

「メタ計算量に基づく平均時計算量の研究」

2014年3月 東京大学 理学部 情報科学科 卒業,2016年3月 東京大学大学院 情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻 修士課程修了,2019年3月 東京大学大学院 情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻 博士課程修了,2016年4月-2019年3月 日本学術振興会 特別研究員(DC1),2019年4月-2022年3月 国立情報学研究所 情報学プリンシプル研究系 助教,2022年9月-2022年12月 ウォーリック大学 コンピュータ科学科 リサーチフェロー(兼任),2022年4月-現在 国立情報学研究所 情報学プリンシプル研究系 准教授.

[推薦理由]
アルゴリズム論や計算理論は近年の情報化社会の基礎を成す重要な技術基盤である。その中で、P≠NP 予想やその平均時計算量への一般化は、数学や計算理論分野における一大未解決問題であると同時に、例えば、暗号技術の安全性に直結する問題である。これまでP≠NP予想だけに基づいて暗号の安全性を証明する試みがなされてきたが、既存の証明手法では不可能であることが知られていた。平原氏は、メタ計算量という新しいアプローチを用い、既存の証明手法の限界を克服するような計算理論分野における画期的な成果を多数挙げている。これらの成果は、Machtey賞やComplexity result of the year 2022を日本人として初めて受賞するなど、国際的に極めて高い評価を受けている。