講演(ビデオ会議を含む)での使用コンテンツのガイドライン

講演(ビデオ会議を含む)での使用コンテンツのガイドライン

 

 2022.7.25

情報処理学会 デジタルコンテンツ事業検討委員会

このガイドラインは、情報処理学会(本会)が取り扱う映像コンテンツ(音声を含む、以下、ビデオと呼ぶ)の取扱いに関するガイドラインである。ビデオの著作権は原則として講演者・発表者に帰属し、本会は著作権を持たない。そのため、ビデオが第三者の権利や利益の侵害問題を生じさせた場合、その責任は講演者・発表者が負うことになる。そこで、ビデオにおいて第三者の権利や利益を侵害しないために、講演者・発表者が注意すべき基本的な事項を定めるものである。

なお、本ガイドラインで定めることは基本的な事項であり、全てを網羅するものではない。判断が難しい場合は、本委員会に相談されたい。

著作権への配慮

他者が権利を持つ著作物の利用に当たっては、次のガイドラインを要請する。

   可能な限り、他者が著作権を持つ著作物を利用しないで制作する。

   BGM(音楽)は、いかなる用途でもフリー利用可能なものを推奨する(後日、音楽だけ消すことが難しいため)。あるいは自ら著作者として作成してもよい。

   絵画、写真などの背景の映り込みについては、著作権法第302(付随対象著作物の利用)に該当する場合のみ利用できる。

   一般的に著作権は、著作者の死後70年を経過した後の11日を持って消滅する。

   写真の著作権は、著作権法の度重なる改訂があるので、確認しておくこと。

   cf: 著作物等の保護期間の延長に関するQ&A | 文化庁 の「問10 旧著作権法下で保護を受けていた著作物の保護期間はどのようになりますか。」など。

   美術館・博物館・遊園地など、入場料が必要な場所にある建築物や彫刻、絵画などの場合、著作権が切れていても、入場時の撮影禁止が有効となり、写真撮影ができなかったり、撮影した写真を公開できないことがある。

   公開されている宗教施設などの写真の著作権は撮影者にあるが、利用にあたっては、相手方への尊厳を持って接する。

   本の表紙やレコードジャケットなどを利用する際は、トラブルを避けるために許諾を得ておく方がよい。

   引用について

   引用は、著作権法で認められた著作物の利用であるが、条件を満たす必要がある。

   全体として従となる分量

   自分の著作物との境

   引用元の明示、など

   著作権法第321によれば、「​​引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。」とあるので、単なる商業利用や、宣伝目的の場合は、引用に該当しないことに注意する。

   やむを得ず、他者が著作権を持つ著作物を利用する場合は、許諾を得ること。

   法的係争を防ぐため、証拠が残る方法で許諾を得る。

   本会が、インターネットを利用して配信することについて、期限や回数がない許諾を得ることが望ましい。許諾に際して、権利者から期限や回数などの制限が提示された場合は、その制限を逸脱しないように気をつけること。

   映画やテレビ番組などの利用(本会からの再配信)の許諾を得ることは容易ではない。

   許諾を得た場合のクレジット表記についても、権利者と合意をし、それに従った利用をすることになる。本会が配信することになることから、権利者と本会で合意する必要がある。

   他者が権利を持つ著作物に、更に別の第三者の著作物が利用されていることがあり、これにも注意をする必要がある。

肖像権への配慮

   映り込んだ人のプライバシを侵害しないように配慮すること。被写体が個人を識別できる場合は、許諾を得るか、モザイク加工などを施して、個人を識別できないようにする。

   パブリシティ権に注意する。具体的には、芸能人、スポーツ選手など、肖像や名前が顧客吸引力を持つと思われる場合は、その写真や名前の使用には許諾を得ることが必要である。本会が利用するビデオには、なるべく使わないほうがよい。

以上