学会著作物をICT人材育成のためのオンライン教育に無償で利用いただけます ~新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言を受けてのオンライン教育等の利用拡大に向けて~
学会著作物をICT人材育成のためのオンライン教育に無償で利用いただけます ~新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言を受けてのオンライン教育等の利用拡大に向けて~
2020年4月10日
一般社団法人情報処理学会 会長 江村克己
日本データベース学会 会長 喜連川優
とりわけ、社会的距離を確保し、外出が制約される中、世界中でオンライン教育への期待が高まっていることに注目しております。
両学会の関係者は、教育の情報化を促すため、著作権制度の改正にむけて意見を述べて参りました。2018年には、「教育の公益性に鑑み、公衆送信を広く著作権の権利制限の対象とすることが適当」(文化審議会報告)として公衆送信を補償金の対象とする制度改正が行われ、昨年には、一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)が設立されております。この改正法の早期施行にむけて意見具申をしてきたところ、SARTRAS は4月6日、2020年度の特例として授業目的公衆送信補償金制度施行のための補償金の無償による認可申請を行ったことを公表しました。両学会はこれを歓迎いたします。
今般、両学会では、両学会が著作権を有する著作物について、以下の場合には、両学会に対する公衆送信権の許諾を求めることなく、学校等の教育機関のみならず、ICT人材の育成に関わる多様な場においても自由に教育のために利用することを無償で認めることとしました。
① ICT人材の育成のための研修課程の一環としてなされる公衆送信であること
② 2020年度(~2021年3月まで)の特例であること
かつて、米国の人権運動家であったマルコムXは、「教育は未来へのパスポートであり、明日という日は、今日備える人々のものである(Education is the passport to the future, for tomorrow belongs to those who prepare for it today.)」と述べたとされています。明日の担い手である子どもたち、学生たち、そしてさらなる学びを求める社会人のためにオンラインによる教育機会の実現を図るのは、我々の使命です。このために一日も早い著作権制度改正の実現(公衆送信権の権利制限)に向けて調整を重ねている関係者に心からの敬意を表するとともに、今後もオンライン教育等のさらなる普及・拡大に向けての提言を続けていきます。
以 上