村上 篤道 君
2011年度功績賞受賞者の紹介
村上 篤道 君 (むらかみ とくみち)
本会正会員村上篤道君(フェロー)は,永年にわたり情報通信・メディア処理分野の研究に携わってこられました.
1971年に三菱電機株式会社に入社され,パターン認識,信号処理プロセッサ,マルチメディア技術の分野で,数多くの優れた研究業績をあげられるとともに,成果の実用化にも多大な貢献をされました.映像信号の圧縮符号化に関する研究では,成果を学術面だけでなく,国際標準化ISO/IEC JTC 1やITU-Tの提案に活用され,テレビ会議・テレビ電話システムやデジタル放送,インターネット映像配信の実現に尽力されました.また,画像信号処理に適した高速プロセッサとして,演算入力と結果に割り当てる個別のバス,画像上の領域指定に適したアドレス回路等を備えたDigital Image Signal Processorを開発され,プログラマブルな映像符号化伝送を実現するなどの成果もあげられました.超高精細映像の研究開発では,自然画像とグラフィクスを高速に描画可能な超高精細PCを開発して空港内管制用に適用され,社会インフラの安全にも寄与されました.
本会においても,理事(2002年度~2003年度),副会長(2009年度~2010年度)を歴任され,本会全国大会,FIT,DICOMO等,学会行事の企画と運営に尽力されるとともに,本会の一般社団法人化の推進,およびそれに伴う本会の経営基盤改革に貢献されました.また,本会情報規格調査会役員(2008年度)も務められ,国際標準化活動の推進と地位向上に貢献されました.2007年度には本会フェローの称号を授与されています.本会以外の学会でも,監事,理事,評議員,多数の国際学会のプログラム委員等として学術振興に尽力され,IEEE,電子情報通信学会,映像情報メディア学会からフェローの称号を授与されています.
以上のように,同君が,国内外の情報通信・メディア処理分野の学術および産業の振興,ならびに本会の活動の発展に尽くした功績は,まことに顕著であります.