2018年度情報処理技術研究開発賞

2018年度情報処理技術研究開発賞の表彰



堀井 洋 君(正会員)

「量子コンピュータのシミュレーションの性能改善」

2002年早稲田大学理工学部情報学科卒業. 2004年同大理工学術院情報工学専攻修士課程修了. 同年日本アイ・ビー・エム(株)入社,東京基礎研究所配属. 2011年早稲田大学理工学術院博士後期課程修了. 現在,日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所コグニティブシステムズ担当. 工学博士. 量子コンピュータシミュレータ, システムソフトウェアの性能改善業務に従事. 大和市平成23年度創意・工夫・提案等にかかる優良従業員, WAIM 2014 Best Paper Runner Up Award受賞. 情報処理学会, ACM, 日本データベース学会各会員.

[推薦理由]
実際の量子コンピュータは, 実用化が進む現在でも利用が困難であり, 量子回路の検証にはシミュレータが重要である. しかし, 古典コンピュータ上でのシミュレーションは, 小規模な量子コンピュータに対しても膨大な計算量が必要となる. 堀井洋氏は, IBMクラウドサービスの量子コンピュータシミュレータの実装を2018年よりリードし, 2017年末の同シミュレータに比べ, 一般的な量子回路に対し, 数千倍の性能改善を行った. 近年活発な量子コンピュータの研究開発において必要とされる技術を,クラウドサービスとして広く利用可能にした本業績は斬新であり,本賞を贈るにふさわしいものである.