林   弘  君

2005年度(平成17年度)功績賞受賞者の紹介

林   弘  君 (はやし ひろむ)

本会正会員林弘君は,永年にわたり産業界における情報処理分野の研究開発の先頭に立ってこられました.その業績は,商用LISPマシンの開発・製品化,第五世代コンピュータプロジェクト(FGCS)やリアルワールドコンピューティングプロジェクト(RWC)における研究開発など,コンピュータ・アーキテクチャの分野を中心に,その上の言語処理系の研究開発,ミドルウェアおよびアプリケーションの研究開発・製品化まで多岐に渡っています.これらの業績に対し,オーム技術賞(1986年)が授与されています.

  最近では,バイオメトリクスなどのセキュリティの分野,入出力やストレージのシステム分野でも研究開発を指導されています.

  同君は,FGCS技術委員,RWC技術委員,科学技術振興事業団領域アドバイザー,独立行政法人情報処理推進機構次世代ソフトウェア開発事業審議委員,日本学術会議連携会員などを歴任され,産業界を代表して指導的な役割を果されています.

  本会においては,理事(1992年~1993年),監事(1997年~1998年),副会長(2001年~2002年)を歴任し,運営の中核を担い,本会の発展に多大の貢献をされています.

  また,静岡大学,九州大学,早稲田大学,東京農工大学などでの客員教授,非常勤講師を通して大学教育にも携わるかたわら,研究会などの場で,会社という組織の壁を越えて若手研究者を指導されています.

  以上のように,同君が本会ならびに我が国の情報処理分野の発展に尽くした貢献はまことに顕著であります.