西尾 章治郎 君

2010年度功績賞受賞者の紹介

西尾 章治郎 君 (にしお しょうじろう)

 本会正会員西尾章治郎君(フェロー)は,永年にわたりデータベースシステム,分散システム,データ発掘,マルチメディア工学の研究に携わり,先駆的な数多くの優れた業績をあげ,多くの優秀な人材の育成に貢献してこられました.特に,最も強力なデータベースモデルとしての演繹オブジェクト指向データベースの提唱,最近のクラウドコンピューティング環境を予見したデータ管理技術など,常にパラダイムシフトを先導する顕著な研究業績をあげてこられました.これらの卓越した研究業績に対して,本会論文賞(2008年,2009年,2011年)をはじめとする該当分野の4学会からの論文賞,電子情報通信学会業績賞(2002年),船井情報科学振興賞(2005年),日本データベース学会功労賞(2011年)を受賞され,さらに,国際会議におけるBest Paper Awardも数多く受賞しておられます.

  同君は,理事(1998年度~1999年度),研究会連絡委員等の活動を通じて本会の発展に大きく寄与すると同時に,ACM SIGMOD日本支部の創設に尽力し,IEEE Computer Societyデータ工学技術委員会アジア代表実行委員,Very Large Data Bases国際会議運営委員会理事をはじめ,多数の著名な国際会議のプログラム委員長,組織委員,プログラム委員,IEEE,ACM等が発行する国際的な論文誌の編集委員を多く務められました.

  さらに同君は,文部科学省科学官,日本学術会議会員,内閣府総合科学技術会議専門委員のほか,文部科学省科学技術・学術審議会関連の多くの委員会・部会の委員,(独)科学技術振興機構研究主監,(独)日本学術振興会産学協力総合研究連絡会議委員などの要職を歴任あるいは現在職務遂行中であり,我が国の科学技術,学術の振興,教育研究,産学連携分野の発展に多大なる貢献をしてこられました.

  以上のように同君が,国内外の学術の発展と研究・教育,ならびに本会の活動の発展に尽くした功績は,まことに顕著であります.