佐々木 元 君

2009年度(平成21年度)功績賞受賞者の紹介

佐々木 元 君 (ささき はじめ)

本会正会員佐々木元君は,永年にわたり情報通信システムの基盤技術である半導体の事業に携わってこられました.昭和36年日本電気株式会社に入社されて以来,MOSシリコン大規模集積回路の開発,量産化に従事され,同社のシステムオンチップ技術の確立と事業化に経営幹部として大きく寄与されました.

また,産業界における公職として通信機械工業会(現情報通信ネットワーク産業協会)会長(平成11年~平成12年),電子情報技術産業協会会長(平成15 年~平成16年)を歴任されて,我が国の情報通信産業の振興を先導し,さらに内閣府・総合科学技術会議においては産学官連携プロジェクト座長(平成13 年~平成14年)を務めて情報通信技術の産学官連携による研究開発を先導されました.

工学教育の分野では,日本工学教育協会会長(平成14年~平成18年)および日本技術者教育認定機構JABEE産業諮問評議員(平成15年~)を務めて,技術者教育の振興に多大な貢献をされています.そして,日本工学会会長(平成15年~平成19年)として,我が国の工学系学協会のルーツとして学協会の強化を先導して推進していく体制を整備されて,平成21年には第1回日本工学会フェローに認定されました.

  本会においては,会長(平成19年度~平成20年度),創立50周年記念事業実行委員会委員長(平成19年度~平成22年度)を務め,我が国の情報通信技術を強化するために本会が何をするべきか,その役割を明確に世の中に示して,アカデミアと産業界の叡智を結集した学会の運営を通じて知的社会基盤にとって重要な存在になれる新たな姿を見せられることを所信として,第三者的な見地から本会のあり方を考える「アドバイザリーボード」の運用とその提言に対する具体的な施策の展開を指揮されました.また,新公益法人制度に対応するために,移行法人の検討と定款ならびに諸規程の改訂を推進されて,「一般社団法人」への移行を決議し,移行認可申請を行いました.

 以上のように,同君が,我が国の情報通信産業に関する振興と技術者教育,ならびに本会の発展に尽くした功績は,まことに顕著であります.