安浦 寛人 君
2017年度功績賞受賞者の紹介
安浦 寛人 君 (やすうら ひろと)
本会正会員安浦寛人君(フェロー)は, 永年, システムLSIの設計に関する基礎理論と設計支援技術の研究に従事されると共に, 情報技術に基づく新しい社会システムの構築論を展開され, IC カード学生証, BYOD などの新しい情報技術を大学運営に先駆けて導入されるなど, 多岐に亘って情報科学・技術に多大な貢献をされました.
研究においては, 低消費電力化設計に関して可変電源電圧プロセッサの基本原理を提案し, この分野で世界的に非常に多く引用される論文を著されています. 産学連携に関しては, 文部科学省知的クラスター創成事業・福岡拠点の研究統括を務められ, 先端LSI開発拠点「シリコンシーベルト福岡構想」を展開されました. これらの業績は, 本会論文賞, 坂井記念特別賞, Best Author 賞, 電子情報通信学会業績賞, 同論文賞, 産学官連携功労者表彰文部科学大臣賞等によって高く評価されています.
本会においては, 理事(1999年度~2000年度), 論文誌編集委員会(幹事会)副委員長(1999年度)等を歴任され, 本会フェローを授与されています. また, 日本学術会議会員, (公財)福岡アジア都市研究所の理事長等として情報技術に基づく新しい社会システムの展開についても尽力されています. 更には, 大学の情報化に関しても貢献が大であり, 大学 ICT 推進協議会初代会長として, 協議会発足の中心的役割を担い, 全国の高等教育・学術研究機関における ICT を利用した教育・研究・経営の高度化を推進されました.
人材育成という点でも, 福岡システム LSI カレッジ校長を務められ, また, JST さきがけ研究総括として情報科学分野の若手研究者育成に尽力されています. 国際的にも, IEEE Circuit and System Society Vice President 等として活躍され, 国際連携にも貢献されています.
このような業績により, 同君が我が国のみならず世界的な情報処理分野の発展に多大なる貢献をするとともに本会の活動の発展に尽力された功績は誠に顕著であります.